化学物質過敏症について

ご存じですか?「化学物質過敏症」

1.化学物質過敏症について
  • 化学物質過敏症は過敏という名が示すように、ごく少量の物質にでも過敏に反応する点ではアレルギー疾患に似ています。最初にある程度の量の物質に曝露(化学物質を浴びること)されると、アレルギー疾患でいう“感作”と同じ様な状態となり、二度目に同じ物質に少量でも曝露されると過敏症状を来します。時には最初に曝露された物質と二度目に曝露された物質が異なる場合もあり、これは多種化学物質過敏症と呼ばれます。
 
  • 化学物質過敏症はこのようなアレルギー疾患様の性格だけでなく、低濃度の化学物質に反復曝露されていると体内に蓄積し慢性的な症状を来すという中毒性疾患に近い性格も兼ね備えています。
 
  • 化学物質過敏症は未解明の部分が多い疾患ですが、このようにアレルギー性と中毒性の両方にまたがる疾患、あるいはアレルギー反応と急性・慢性中毒の症状が複雑に絡み合っている疾患であると考えられています。
 
(出典:厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題」パンフレット)
 

2.症状

  • 化学物質過敏症の症状は、頭痛、倦怠感、咽頭痛、感覚異常など多様であり、個人差があります。
  • 軽度の場合、身体の疲れや軽い風邪、また女性であれば更年期障害などとの鑑別が難しい場合があります。
 
症状の一例
 自律神経障害:発汗異常、手足の冷え、頭痛、易疲労性
 精神障害:不眠、不安、うつ状態、不定愁訴
 ・眼科的障害:結膜の刺激症状、調節障害、視力障害
 消化器障害:下痢、便秘、悪心
 ・運動器障害:筋力低下、筋肉痛、関節痛、振せん
 ・免疫障害:皮膚炎、喘息、自己免疫異常
 ・循環器障害:動悸、不整脈、循環障害
 気道障害:咽頭痛、口渇
 ・内耳障害:めまい、ふらつき、耳鳴り
(出典:厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題」パンフレット)
 

どのようなものに反応するのか

  • 患者さんにとって合わないものであれば何でも原因物質になる可能性があります。
  • 特に、以下のような物質が頻度的に原因物質となる可能性が高いといわれています。
屋内

建材、接着剤、ホルマリン、塗料、カビ、ダニ、ちり、ガス排気、シロアリ駆除剤、洗剤、洗浄剤、漂白剤、芳香剤、防ダニグッズ、除菌グッズなど

屋外 大気汚染物質、排気ガス、ディーゼル粉塵、殺虫剤、除草剤、花粉、動物の毛など
食べ物 食品、食品添加物、残留農薬など

(出典:厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題」パンフレット)

ご理解・ご配慮をお願いします

  • どんな化学物質にどのくらいの量でさらされると症状が出るかには個人差がありますが、例えば、洗剤や柔軟剤・芳香剤などの日常生活で何気なく使用しているものや香りなどが、近くにいる方にとって苦痛となる場合があります。
 
  • 化学物質過敏症の方が安心して地域で生活するためには、社会全体の協力が必要です。日常生活の中で身近に存在するものが原因物質となり、それらによって引き起こされる症状に苦しんでいる方がいらっしゃることをご理解いただき、みなさまが安心して生活できるように、ご配慮をお願いいたします。
 
 
  • また、野外での焼却(野焼き)は、煙、すす、悪臭により周辺の人に迷惑をかける行為であり、野焼きの煙等が周辺の人にとって苦痛となる場合があります。お互いが快適な環境で過ごすために、ごみは野外で焼却せず、適切に処理しましょう。
    (野焼きについて、詳しくはこちらをご確認ください。)
 

問い合わせ先一覧

1.和歌山県の窓口
内容 担当課・問い合わせ先
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理に関すること 環境生活部環境管理課
TEL:073-441-2688
消費生活における相談に関すること 和歌山県消費生活センター
TEL:073-433-1551
和歌山県消費生活センター
紀南支所
TEL:0739-24-0999
環境生活部県民生活課
TEL:073-441-2345
ヘルプマークに関すること 福祉保健部障害福祉課
TEL:073-441-2530
受動喫煙防止対策に関すること 福祉保健部健康推進課
TEL:073-441-2656
住宅地等における農薬使用に関すること 農林水産部果樹園芸課
TEL:073-441-2905
建物のシックハウス対策に関すること 県土整備部建築住宅課
TEL:073-441-3184
学校での学習環境に関すること 和歌山県教育委員会教育支援課
TEL:073-441-3700
 
2.その他
  • 障害年金に関すること
 化学物質過敏症で療養中の方が日常生活に支障をきたす場合は障害年金の対象となることがあります。
 詳しくは日本年金機構 「年金の給付に関するもの」のコンテンツ内(外部リンク)の 下記パンフレットをご確認ください。
 「化学物質過敏症で療養中の皆様へ」(外部リンク)[PDF形式:496KB]
 ※お問い合わせは、お近くの年金事務所や年金相談センターへ

関連情報

  • 厚生労働省

 化学物質の安全対策サイト(外部リンク)

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