駒吉 学 様

県交通安全協会 事業部事業課長

感動を与えるプレーを

「他の選手と横一線でスタートできるスポーツに挑戦したい」。そう思い、近畿大学入学と同時に、高校生ではなかなか経験ができないライフル射撃のクラブに入りました。

高校まではテニスをしていましたが、テニスが「動」だとすれば、ライフル射撃はいわゆる「静」のスポーツです。重さ5kg以上のライフル銃を構え、50m離れた位置から直径10cmほどの標的を狙います。引き金に掛けた人差し指に神経を集中し、揺れる銃口を標的に絞って「ここだ」というタイミングで引き金を引きます。地道な基礎体力をつける練習に励んでいたとき、「自分に向いているな」と感じました。4回生の時には、大学10校ほどが参加する関西学生選手権大会で個人優勝を果たすことができました。

国体には、昭和40年から3年連続で出場したのですが、昭和42年の埼玉国体が印象に残っています。この年、天皇皇后両陛下がライフル射撃の視察においでになるということでした。ライフル射撃のスモールボア・ライフル種目は、寝そべって撃つ「伏射」、膝をついて撃つ「膝射」、立って撃つ「立射」の順で行うのですが、伏射の時点で、「成績が上位にいる」という情報が入り、気合が入りました。「パン、パン」という銃声のみが響く静寂の中、膝射に入ったときに天皇皇后両陛下御一行の気配を背後に感じ、とても緊張しました。それまで順調だったところ弾痕が乱れ、結果は散々でした。場数を踏んでいたはずなのですが、自分の精神力の弱さを思い知ることになりました。もちろん、大切な思い出なので、和歌山のみかんをイメージした当時のユニフォームを今でも持っています。

国体は県民を熱くさせるものです。出場する選手には、団結力を持って感動を与えるようなプレーを見せてほしいですね。

 

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2015紀の国わかやま国体