盲ろうについて
盲ろうとは
視覚と聴覚の両方に障害があることを「盲ろう」といいます。見え方・聴こえ方は人によって違いが大きく百人百様ですが、大きく分けると、全盲・ろう、全盲・難聴、弱視・ろう、弱視・難聴の4つに分けられます。 「光」と「音」を失われた状態で生活しているため、自分の力でコミュニケーションや情報入手、移動ができない、極めて困難な状態に置かれており、支援が必要になります。
- 障害の状態
- 見えない、見えにくい・聞こえない、聞こえにくいことで困ること
- こんなマークがあります
- サポート方法
- コミュニケーション(対応時)の留意点
- 盲ろうに関する情報について (盲ろう者向け通訳・介助員養成研修など)
障害の状態
「盲ろう」 4つのタイプ
○全盲・ろう…全く見えず、全く聞こえない状態
○全盲・難聴…全く見えず、少し聞こえる状態
○弱視・ろう…少し見えて、全く聞こえない状態
○弱視・難聴…少し見えて、少し聞こえる状態
「盲ろう」になる経緯も様々で、一例として次のように分けられます
○盲ベースの盲ろう…視覚障害があり、のちに聴覚障害を発症したもの
○ろうベースの盲ろう…聴覚障害があり、のちに視覚障害を発症したもの
○先天的盲ろう…先天的に、あるいは乳幼児期に視覚と聴覚の障害を発症したもの
○成人期盲ろう…成人期以後に視覚と聴覚の障害を発症したもの
見えない、見えにくい・聞こえない、聞こえにくいことで困ること
- 情報入手・コミュニケーション・移動などの様々な場面で大きな困難が生じます。
- 自分の力だけで、情報を得たり、人と会話したり、外出・移動することが困難です。このため、社会から孤立してしまうこともあります。
- 社会参加するためには、情報入手・コミュニケーションの支援や移動の介助が不可欠です。
- 生活環境や視覚障害と聴覚障害の程度、またその障害の発症時期により、コミュニケーションの方法が一人ひとり異なります。家族や周りの支援者が手のひらに文字を書いたり、触手話や指点字など、それぞれにあったコミュニケーション方法を生み出す努力と工夫をしています。
こんなマークがあります
盲人のための国際シンボルマーク…視覚障害のある人の安全やバリアフリーに考慮された建物、設備、機器などに表示されるマークです。
サポート方法
- 突然触れられると驚きます。 まず、声をかけるときは肩にそっと触れて話しかけてみましょう。聴力が使える人もいます。相手が気づいてくれたら、やさしく手を取って、手のひらに文字を書いてみましょう。この方法でコミュニケーションを取ることができる人もいます。このように、いろいろ試行してその人にあったコミュニケーション方法を見つけましょう。
- 周りの状況を説明することも大切です。盲ろう者は、お互いの会話内容だけでなく、周りの状況もわかりません。他の人の発言や、「道沿いに赤い花が咲いている」などの風景や、その場の状況を伝えることが大切です。
- コミュニケーションを取ることが難しいので、社会的に孤立してしまいます。困難な状況にある方をみかけたら、様々な支援があることを伝えてください。
コミュニケーション(対応時)の留意点
- 手書き文字…手のひらに指先などで文字を書き伝えます。
- 触手話…相手の行う手話に触れて、手話の形で読み取ります。
- 指点字…点字タイプライターのキーの代わりに、盲ろう者の指を直接たたいて点字を表します。6本の指を点字の6点に見立てます。
- 文字筆記…視覚の活用が可能な方に対して、紙やパソコンに文字を筆記して伝えます。文字の大きさ・間隔・線の太さなど、見え方に合わせた配慮が必要です。
- 音声…聴覚の活用が可能な方に対して、耳元や補聴器のマイクなどに向かって話します。声の大きさ・抑揚・速さ・音の高さなど、聞こえ方に合わせた配慮が必要です。
- どのような手助けが必要か本人に確認してください。
- 誘導する際は背中を押さないでください。誘導する人の肩や肘に後ろから触れてもらい、ペースを合わせて歩くと安心して進むことができます。
盲ろうに関する情報について (盲ろう者向け通訳・介助員養成研修など)
- 特定非営利活動法人和歌山盲ろう者の友の会(外部リンク)
みその商店街内に手織り工房を設置して居場所を提供するなど、盲ろう者の支援に取り組んでおられます。 さをり織りができることで盲ろう者の方の外出の促進につながっているが、他県からも視察に来られるほど全国でも数少ない取り組みです。 - 盲ろう者向け通訳・介助員について
和歌山県では、平成16年度から「盲ろう向け通訳・介助員の養成事業」を開始し、平成19年度からは養成した人材を支援が必要な方の元へ派遣する「盲ろう者向け通訳・介助員の派遣事業」を実施しています。