「紀州南高梅」の発信のため、イベント用メニュー開発や料理コンテストへの出場等も行う。
掛け合わせの妙を探せ!
高校生の発想で
「紀州南高梅」をPR
実践教育で
学びも深める
梅の生産量が全国第一位の和歌山県。主な産地の一つ、田辺市の和歌山県立神島高校では、2012(平成24)年度から授業の一環で、特産品「紀州南高梅」を使った商品開発を行い、PRする活動に取り組み始めた。特産品を地域内外に発信し、地域の人に喜んでもらうことや、地域産業を学んだ生徒が地域に関心や誇りを持てることを目標とした。
梅の甘酸っぱさを生かした「梅あられ」は県内外の産地直売所やイベントで販売する。
初年度に地元企業と開発した「梅あられ」は、甘酸っぱく香ばしい味わいが特徴で年間約4万袋が売れる。顧問の那須正樹さんは「味付けもラベルも生徒が考案。地域の産品を全国へ広げたいとの思いを先輩から引き継ぎ、活動を続けた結果です」と話す。現在は授業の枠を超え、課外活動「神島屋」へと発展し、参加生徒数は130人以上。「梅や和歌山のことを全国へ伝えたい」と、東京や大阪のイベントへの参加やコンテスト出場、さらに新商品開発等も活発に行う。生徒は「地域の良さを知れる」「学年や学校の枠を超えて交流ができる」と「神島屋」の活動にやりがいを感じている。アップサイクル商品にも着手し、梅干しの製造過程で廃棄される調味液と規格外野菜を組み合わせたピクルスを開発中だ。
梅干しの製造過程で発生する副産物・梅酢を調味料に活用した「梅やきとり」をイベントで販売する。
那須さんは「PR活動を通じて商品が愛される経験や、様々な人たちと交流する機会を持つことで生徒の将来の糧の一つとなれば」と語る。関わった生徒の気持ちを繋ぎ、全国に「紀州南高梅」を広める活動を続けていく。