見出しロゴ文字「わかやまツウ巡り旅」と熊野古道〜紀伊路〜 【第2弾 有田エリア】の地図

前号から3号にわたり熊野古道・紀伊路を紹介します。
次号は【第3弾 日高エリア】です。

和 vol.58

わかやまツウ巡り旅

熊野古道
〜紀伊路〜
【第2弾
有田エリア】

熊野古道と
「熊野九十九王子」

 熊野古道は、紀伊山地の雄大な自然に囲まれた、1000年を超える歴史を持つ古道です。熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺)を目指すための参詣道であり、紀伊半島全体にわたって多彩なルートが存在します。中でも紀伊路(きいじ)は京都・大阪と田辺を結び、世界遺産の中辺路へと続く、熊野詣のメインルートとなった道です。
 熊野古道沿いには、「王子」と呼ばれる熊野権現の御子神を祀った社が点在しています。王子は京都から熊野三山へ至るまでの旅路の中で、苦難苦行の信仰の道を繋ぐために設けられた神社であり、旅の安全を祈願する場所でした。主に平安時代に設置され、その数の多さから「熊野九十九王子(くまのくじゅうおうじ)」と呼ばれています。特に格式の高い「藤白王子」(海南市)、「切目王子」(印南町)、「稲葉根王子」(上富田町)、「滝尻王子」(田辺市中辺路町)、「発心門王子」(田辺市本宮町)を「五躰(ごたい)王子」と言います。当時、王子では、旅の安全を祈願するほか、歌会や芸能の奉納なども行われました。往時の参詣者に思いを馳せ、王子を巡り、歴史を感じるのも熊野古道歩きの楽しみの一つです。

糸我峠から糸我王子へ向かって山を下ると、日本一のみかん産地・有田市の町並みやみかん畑が一望できる

糸我峠から糸我王子へ向かって山を下ると、日本一のみかん産地・有田市の町並みやみかん畑が一望できる。

有田エリアの紀伊路は比較的平坦で、周囲に柑橘畑が広がり、山、川、海を眺めながら歩けることが特徴です。有田市から湯浅町の重要伝統的建造物群保存地区を通り、広川町で防災を学べば、和歌山の自然と文化を多く感じられるツウな旅になるでしょう。幕末まで賑わった熊野古道の歴史は随所にある案内看板で知ることができます。歴史を感じながら歩いてみてください。

有田市語り部の会  坂本 康寛 氏

有田市語り部の会
坂本 康寛 氏

有田市語り部の会への問い合わせ先

有田市産業振興課

電話/0737-83-1111
1得生寺(とくしょうじ)
得生寺(とくしょうじ)

藤原豊成の娘・中将姫にゆかりがあり、「中将姫(ちゅうじょうひめ)寺」とも。貴重な美術品を多く所蔵する。

有田市糸我町中番229
2糸我(いとが)稲荷神社
糸我(いとが)稲荷神社

白雉3(652)年創建、日本最古の稲荷神社とされる。境内には樹齢600年超の大楠がある。

有田市糸我町中番329
3糸我(いとが)
糸我(いとが)峠

有田市の町並みや湯浅湾を一望できる絶景スポット。昔は茶屋があり、旅人に名産品のみかんを振る舞った。

有田郡湯浅町吉川~有田市糸我町
4逆川(さかがわ)神社(王子)
逆川(さかがわ)神社(王子)

「熊野九十九王子」の一つ。多くの参詣者が糸我峠を越えた後、熊野三山を目指す際に立ち寄った。

有田郡湯浅町吉川
5稲むらの火の館
稲むらの火の館

安政の大地震時に津波から村人を救った濱口梧陵の偉業や教訓、地震・津波防災が学べる施設。

有田郡広川町広671
稲むらの火の館の向かいにある「道あかり」 お土産購入やランチにも!
6(ひろ)八幡宮
廣(ひろ)八幡宮

濱口梧陵が村人を避難させた神社。本殿や楼門等が国の重要文化財に指定されている

有田郡広川町上中野206
熊野古道紹介ページ

和歌山県公式観光サイトでは、紀伊路をはじめ熊野古道の和歌山県主要ルートを紹介しています。全ページがPDFデータでダウンロードできる和歌山県街道マップを掲載しています。

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