大原 弘 様

和歌山大学硬式野球部監督

40年前の活気を再び

青い輪を手に持って紀三井寺公園陸上競技場に入場し、マスゲームに参加したのは40年前。昭和46年の黒潮国体が開催された時はまだ幼稚園児でした。競技場に入った瞬間、周りを見上げて観客席を埋め尽くす人の多さにびっくりしたのをはっきり覚えています。また、祖父が国体の大会役員をしていたこともあり、選手や役員らが大勢自宅を訪ねて来ました。その時の選手たちの体の大きさにも驚かされました。その前年には、和歌山でインターハイ(高校総体)が行われ、大阪では万国博覧会が開催されました。幼いながらもそのころの和歌山は活気に満ちあふれていたように記憶しています。

私は、国体に出場した経験はありませんが、小学4年生から少年野球チームに所属し、中学に進むと和歌山リトルシニアチームで硬式野球を始めました。3年生の時には全国大会に出場し、札幌円山球場でプレーすることができました。高校進学後も3年間、白球を追い続けました。この間に、甲子園やプロ野球で活躍する選手らと出会うことができました。また、チームメートはもちろん、監督やOB、指導者など、多くの人と深い絆で結ばれることもできました。時には厳しい練習と指導で心が折れそうな日もありましたが、どのチームでも最後まで続けられたことが、今は大きな財産となっています。

こうした素晴らしい財産をどの選手にも手に入れてほしいと願いながら、現在、和歌山大学の硬式野球部の監督として指導しています。小学生から高校生まで野球の盛んな和歌山ですが、大学だけがやや取り残されているように感じています。監督就任後は、県内の野球関係者の皆さんと親しくお付き合いをさせていただけるようにもなりました。選手たちも機会があれば、小学生や中学生の野球チームと一緒に練習し、トレーニング方法などを指導し、大学野球のアピールに努めています。

野球はメジャーなスポーツですが、国体は様々な競技のトップアスリートたちが一堂に集う祭典です。これまで見たことのないような競技を身近に観戦し、声援できる絶好の機会だと今から胸をときめかせています。県代表のアスリートたちが活躍し、優勝できることを願うのは当然ですが、あの国体道路が整備された40年前の活気に満ちあふれた和歌山の姿を、再び見ることができるのをとても楽しみにしています

 

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2015紀の国わかやま国体