中瀬 朱 様

車いすダンサー 海南市下津町中在住

諦めなければ努力は実る

私は生まれながらに神経の障がいで足の感覚がまひする「二分脊椎症」という障害と、頭に水がたまる「水頭症」という病気がありました。当時、医師からは「立つことも歩くこともできないでしょう」と言われていたそうですが、両親は「少しでも可能性があるなら立たせてあげたい。歩かせてあげたい」と私を訓練に連れて行ってくれたり、みんなでお寺参りもしてくれたそうです。そして、私が3歳になった頃、祈りが届いたのか家で突然立ち上がり、一歩、また一歩と、ゆっくり歩き出し、その後、両足に装具をはめて歩けるようにまでなりました。

健常者とペアで踊る社交ダンス「車いすダンス」との出合いは、社会人になってからです。ある日、会社に車いすダンスをやっている人達が来られ、その楽しそうで優雅にに躍るダンスに私はうっとりとしました。「ちょっと踊ってみる?」と言われ、「はい!」と即答。私は優しく手を取られ、走り出したようにどんどんスピードが上がり、背中に羽が生えたように感じました。曲に合わせてゆったりしたり、時々勢いがついて激しかったり。「風を切るのってすごく気持ちがいい!」。それまで経験したことのない楽しい時間を過ごし、スポーツの喜び、体を動かすことの楽しさを感じました。

それ以来、車いすダンスの練習を重ね、今では私の生きがいになっています。もって生まれた障がいを乗り越えるのが本当に大変な時期もありましたが、家族や友達、いろんな人が支えとなってくれて今も元気に頑張っています。最近では、インターナショナル車いすダンススポーツ選手権大会で3位になることができました。夢や目標はまだまだいっぱいありますが、いつか世界を舞台に活躍したいと思っています。

紀の国わかやま国体に向けて頑張っている人達へ。スポーツだけではなく、いろんなことに言えることですが、「絶対に諦めなければ努力は実る!」と私は信じています。

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2015紀の国わかやま国体