エムポックス(サル痘)について

エムポックス(サル痘)とは

 令和5年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」に感染症法上の名称が変更されました。

  • エムポックスは、サル痘ウイルスによる感染症で、1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でヒトでの初めの感染が確認されました 。2022年5月以降、欧州や米国等で市中感染の拡大が確認されており、WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を7月23日に宣言しています。日本では感染症法上の四類感染症に指定されています。
  • エムポックスの潜伏期間は6~13日(最大5~21日)とされており、潜伏期間の後、発熱、頭痛、リンパ節腫脹、筋肉痛などの症状が0~5日続き、発熱1~3日後に発疹が出現します。しかし、2022年以降の流行では、発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの前駆症状が必ずしも認められない事例も報告されています。
  • 多くの場合発症から2~4週間症状が持続し自然軽快するものの、小児例や、あるいは接触の程度、患者の健康状態、合併症などにより重症化することがあります。痛みが強い場合など症状に応じて緩和する治療を行うことがあります。

エムポックスはどのような病気ですか?

  • エムポックスはウイルスによって感染する病気です。
  • 一般的には発熱や発疹(ほっしん)、リンパ節の腫れ等の症状がみられますが、多くの場合、2-4週間持続し自然軽快しますが、小児例や、あるいは曝露の程度、患者の健康状態、合併症などにより重症化することがあります。
  • 発疹がかさぶたとなり、全てのかさぶたが剥がれ落ちてなくなるまで(概ね21日間程度)は周囲のヒトや動物に感染させる可能性があります。

どのような症状に注意すればよいですか?

  • 発疹は顔面や手足に多く出現し、だんだん膨れ上がって水ぶくれ、かさぶたとなります。しかし2022年以降の流行では、発疹が性器・肛門周囲や口腔などに集中しており、全身の発疹がみられないことがあります。また、異なる段階の発疹が同時に見られる場合があります。体の部位に関係なく、発疹や水ぶくれなどがないかどうか注意してください。
  • 発疹が出る前に発熱やリンパ節腫脹などの症状が出ることもありますが、2022年以降の流行では、急に発疹が出てくる場合もあります。
  • エムポックスでは手掌や足底にも各皮疹が出現することなどが、水ぼうそうとの鑑別に有用とされています。

エムポックスはどのように感染するのですか?

  • 主に感染した人や動物の皮膚の病変・体液、血液に触れた場合(性的接触を含む。)、患者と近くで対面し、長時間の飛まつにさらされた場合、患者が使用した寝具等に触れた場合等により感染します。 

エムポックスを疑う症状があった場合はどうすればよいですか?

  • エムポックスを疑う症状が見られた場合、医療機関を受診してください。
  • 受診の際は、自家用車など他人との接触をなるべく避けられる交通手段を用いるか、やむを得ず公共交通機関を利用する場合は、マスクの着用や発疹部位をガーゼなどでおおう等の対策をしてください。また、比較的空いている時間帯やスペースを選ぶなど、他人との接触を避けるよう行動しましょう。

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