西加奈子(にし かなこ)さんのインタビュー

地域活動支援センターI型 相談員 西加奈子さん(26歳)

 向き合うこと、信じること。 それが「支える」に繋がっています。

西加奈子さん

基本情報 実務経験 2年3か月

     初任給 165,000円

     自分の仕事を一言でいうと? 「オーダーメイドの支援」

西さんが働く事業所

 社会福祉法人 一麦会

 (いちばくかい)

 麦の郷紀の川生活支援センター

 (むぎのさときのかわせいかつしえんせんたー)

西さんのある一日

         出勤

   9時00分   朝礼

   10時00分 活動開始

         みんなでゲームや制作活動をする

   12時00分 昼食

   15時30分 活動終了

   16時00分 事務作業

   17時15分 勤務終了

         帰宅

西加奈子さん

Q1 福祉の仕事をしていて、一番嬉しかったこと、辛かったことは?

 以前、利用者さんから夜眠れないと相談を受けたんです。そこで眠りやすくなる方法を絵に描いてみたら、他のみんなが色を塗ってくれたんです。

利用者と支援者がお互いを支え、支えられる関係であり続ける支援センターは、いつも「ありがとう」の言葉でいっぱい。しんどいことがあっても、その言葉に救われます。だからこそ支援センターはみんなが笑顔で集える場所であり、私にとっても大切な「居場所」なんです。

西加奈子さん

Q2 福祉の仕事をしていて、一番難しいと感じたことは?

 距離感の測り方ですね。1人1人の性格や思い、生活状況を把握しながら支援していくと、どうしても距離が近くなってしまいます。利用者さんが感情を表に出してくれているということは関係性ができているということですが、その感情に振り回されては、適切な判断ができず支援も正しくできなくなります。どのケースに対しても、個人で動くのではなく、他機関との連携実践を大切にすることが大事です。

日々意識しているのは支援員の主観を押し付けるのではなく、本人の気持ちをしっかりと聞き、受け止めたうえで自己決定支援ができること。個別の相談に入る時には、本人が運転手、支援者は助手席に乗るような感覚で、いろんな出来事を一緒に乗り越えていくことを心がけています。

Q3 福祉の仕事をする上で、心がけていることはありますか?

 楽しい気持ちは電波します。ボードゲーム、バトミントン、工作、何をするにしてもまず自分が率先して楽しむことにしています。気分が落ち込んでいても、一緒に活動するうちに「楽しい気持ち」が伝わって少しでも気持ちが楽になってほしい。だからいつも「元気であること」「自分が楽しむこと」で雰囲気を明るくするよう心がけています。

西加奈子さん

Q4 福祉の仕事に就きたいと思ったきっかけは何ですか?

 高校生の頃に「子どもをサポートする仕事に就きたい」と考えるようになり、社会福祉士の資格が取れる大学に進みました。でも実習段階で想像とのギャップを感じ、児童養護施設で働く気持ちは薄れてしまったんです。そんな時に出会ったのが精神保健福祉の授業で訪れた紀の川生活支援センター(以下、センター)でした。この時に利用者・支援者を感じさせないお互いの支え合うような温かさを感じ「福祉現場でこんな雰囲気感じたことがない」と驚いたのを覚えています。

精神保健福祉実習でもセンターで15日間お世話になり、利用者さんとの温かいやり取りや笑顔あふれる毎日がとても楽しく、「福祉現場で働くのであれば、まずはここがいい!」と心に決めました。私が就職する年は職員募集がなかったため、精神保健福祉士の国家試験の受験勉強をしながら大学事務員として1年半勤務し、職員募集が始まったのを待って応募し、念願のセンターで支援員として働くことになりました。

Q5 働く前に思っていたイメージと現在のギャップがあれば教えてください。

 実際に働き始めると、実習生の頃とは責任感が違います。制度のことも知らずに自分と違う人の生活に深く入るのは、線引きがない分難しい。この人にはこういう特性があって、決められたレールがありません。AさんにはAさんに対応したレールがあり、Bさんにはまた違うBさんのレールがあります。だからこそ、オーダーメイドの支援が必要。そのためにも障害の特性をもっと勉強していきたいです。

西加奈子さん

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