重症心身障害について
重症心身障害とは
重度の身体障害と重度の知的障害が重複している障害です。移動や食事、入浴、排せつ、寝返りなどを自分一人ですることが困難なため、自宅で福祉サービスを受けたり、医療や福祉サービスを提供する専門施設に入所したりしています。また、重症心身障害の中でも、特に重度の状態を「超重症心身障害」といい、呼吸がうまくできないため、人工呼吸器を付けたり、口からうまく食べ物を飲みこめないため、鼻から胃に管を通して栄養摂取したりしています。
障害の状態
- 姿勢…自力では起き上がることが困難なため、ほとんど寝たままです。
- 拘縮…まひなどにより、長時間、自分の意志で手足を動かすことができなくなると、関節の可動範囲が狭くなります。
- 筋緊張…極度に筋肉が緊張し、思うように手足を動かすことができません。
- てんかん…重症心身障害児の約60%~70%の人に、てんかんがあります。てんかんは、脳の神経の一部が活発に活動しすぎるために起きる病気です。
- 誤えん…口から取り込んだ食べ物や水分をうまく食道に送ることができず、誤って気管に入ってしまいやすいです。肺炎や気管支炎の原因となります。
- たんの吸引…気管切開をしていて、自力でたんを出すことができない人は、介助者などがたんの吸引をする必要があります。
サポート方法
- 外食をするときに、介助用の取り皿やスプーンに加えてハサミやミキサーの貸し出しがあると助かります。かむ力や飲み込む力が弱く、通常の食事が食べられない場合は細かく刻んだりトロミをつけたりして食べています。
- 移動するときは、介助者に抱えてもらったり、車いすなどを使用します。本人の体が大きい場合や医療機器を持ち運ぶ必要がある場合、介助者の負担はより大きくなります。少しの距離、段差であっても、移動に人手が必要そうにみえたら、「何かお手伝いすることはありませんか。」と声をかけてみてください。
- 車いすやバギー(リクライニングできる車いす)、ストレッチャー(寝かせたままで移動できる車輪付きのベッド)で移動するので、駐車場や施設内の通路、エレベーターなどでは広いスペースが必要です。近くを通るときやエレベーターに同乗するときは、配慮してください。
コミュニケーション方法
- 言語による表現が困難です。声や身振り、目配せなど、いつも介助している人であれば分かる手段で気持ちを表現することができます。表現力は弱くても、笑顔で気持ちを伝えます。