肢体の不自由について
肢体の不自由とは
事故による損傷や先天性の疾病などが原因で、上肢・下肢に欠損やまひ、筋力低下などが生じています。そのため、日常の動作や姿勢の維持が不自由になります。病気や事故で脳に損傷を受けた場合には、言葉の不自由さや記憶力の低下などを伴うことがあります。肢体不自由の中でも、脊髄損傷、脳性まひ、筋ジストロフィーなど全身に障害がある状態を、全身性障害といいます。下肢に障害のある人は移動する際に松葉杖や車いすを使用したりします。
障害の状態
- 脊髄損傷…手足が動かないだけでなく、感覚もなくなり、体温調節が困難です。
- 脳性まひ…顔や手足などが自分の思いとは関係なく動いてしまう(不随意運動)のに加え、発語の障害がある人もいます。
- 筋ジストロフィー…全身の筋肉がだんだんと委縮していく難病で、委縮が進むと全面的な介助が必要とする重度身体障害となります。
- 摂食嚥下障害…食べること、飲み込むことが困難なため、食べ物にトロミをつけたり細かく刻むなどの加工が必要です。
肢体の不自由で困ること
- 車いすを利用していると…十分なスペースがなかったり、ちょっとした段差や障害物があるために、移動することができないことがあります。高いところには手が届きにくく、床の物は拾いにくく、困難です。ATMや自動販売機など、正面から向き合うと、足が入らずに使いにくいです。
- 脊髄損傷の方が困ること…手足が動かないだけでなく、感覚もなくなり、体温調節が困難です。
- 脳性まひの方が困ること…発語の障害に加え、顔や手足などが自分の思いとは関係なく動いてしまうため、文字が書きにくかったり、狭いスペースに書き込むことが困難だったり、自分の意思を伝えにくい方もいます。
- 障害者等用駐車区画が空いていないため、利用できないことがあります。
- 体のバランスを取ることが難しく、転倒したりよろめいたりすることがあります。
クローバーマーク
クローバーマーク(身体障害者標識)…胴体不自由のある人が運転していることを表示するマークです。
サポート方法
- 車いす使用者にとっては、狭い歩道やちょっとした段差が、移動を妨げる障害物となります。また、高いところにあるもの、床にあるものを取ることが困難な場合があります。 「お手伝いしましょうか?」などとさりげなく声をかけ、どんなお手伝いが必要かたずねてください。
- 車いすを使用している人の場合、話し相手の身長によっては、見上げなければならないので、疲労または威圧感を感じることがあります。少しかがんだりして、相手の目線の高さに合わせて話をすることで、気軽に会話ができます。
- 文字を書くのが難しそうな場合は、相手の了解を取った上で必要事項を代筆します。
対応時の留意点
- 病気や事故で脳に損傷を受け、言葉がうまく話せない人に、子どもに対するような接し方はしないでください。また、手にまひや欠損がある場合は、細かな作業が苦手なため、動作に時間がかかることがあります。見守ってください。
- 脳性まひの人の中には、スムーズに話すことが難しかったり、顔や手足などが自分の思いとは関係なく動いたりしてしまうため、自分の意思を伝えにくい人もいます。聞き取りにくい場合でも、分かったふりはせずにきちんと内容を確認してください。
- 同伴者(介護者)がいても、障害のある人ご本人に直接話しかけ、本人の意思を確認します。