視覚障害について
視覚障害とは
視覚障害は、何らかの原因で視覚に障害があることにより、全く見えない場合の 「全盲」 と見えづらい場合の 「弱視」 とがあります。
見えづらい場合の中には「暗いところが見えにくい」「見える範囲が狭い」「特定の色がわかりにくい」などの症状があります。
障害の状態
○全盲…視覚的な情報を全く得られない、またはほとんど得られない。点字を活用することもあります。
○弱視…文字の拡大や視覚補助具などを使用し保有する視力を活用できる状態。視力が低い状態の他に、見える範囲が狭い、光をまぶしく感じる、明るいところではよく見えるのに、夜や暗いところでは見えにくくなる状態も含まれます。
見えない、見えにくいことで困ること
- お店で手続きをする際、説明書があっても読めないことがあります。医療機関で画像により症状など説明されると、わからないことがあります。また、申請書などに記載することが難しい場合があります。このようなときは、説明書を読み上げてもらったり、口頭で詳しく説明してもらったり、代わりに申請書に記載したりしてもらうと助かります。
- 慣れていない場所では、一人で移動することが困難です。
- 自分がどこにいるのか、側に誰がいるのか、説明がないとわかりません。
- 人の視線や表情が理解できず、誰に話しかけられているのか、話しかけているのか分からない場合があり、コミュニケーションに苦労します。
- 文字の読み書きが困難です。また、タッチパネル式の機械はうまく操作できません。
- 「見えないからできない」のではなく、「見えなくても教えてもらえばできる」ことが多くあります。
- 点字ブロックの上に、物や自転車が置かれていると、当たって転倒することがあり、危険です。
こんなマークがあります
盲人のための国際シンボルマーク…視覚障害のある人の安全やバリアフリーに考慮された建物、設備、機器などに表示されるマークです。
「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマーク…白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しましょう。 ※駅のホームや路上などで視覚に障害のある人が危険に遭遇しそうな場合は、白杖によりSOSのシグナルを示していなくても、声をかけてサポートをしてください。
サポート方法
- 移動に困っていたら、「誘導」が助かります。 慣れていない場所では、進行方向が分からなくなることがあります。白杖使用者が困っているように見えたり、白杖を頭上に掲げているような動作、“白杖 SOS シグナル”を見かけたら、「お手伝いしましょうか?」 など声を掛けてください。誘導する人の肩や腕に後ろから触れてもらい、ペースを合わせて歩くと安心して進むことができます。
- 「こちら」「あちら」「これ」「それ」などの指示語や「赤い看板」など視覚情報を表す言葉では、「どこ」か、「何」かわかりません。「時計で3時の方向」や「30センチ右」など具体的に説明してください。場合によっては、手で触れながらの説明もわかりやすいです。
コミュニケーション(対応時)の留意点
- 目から情報を得にくく、音声や手で触れることなどにより情報を得ているので、突然体に触れられると驚きます。体に触れる前に、前方から話しかけるようにしてください。また、「あいサポーターの○○です。」 など簡単な自己紹介をしてください。
- まず、どのような手助けが必要か本人に確認してください。
- 説明するときは、「こちら」「あちら」「これ」「それ」などの指示語を使わないでください。
- 突然触れられると驚きます。声をかけるときは、できるだけ前方から話しかけましょう。
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誘導する際は背中を押さないでください。誘導する人の肩や肘に後ろから触れてもらい、ペースを合わせて歩くと安心して進むことができます。
支援に関する情報
- ホーム転落をなくす会(外部リンク)
視覚障害のある方の声
~日常生活~
- 自分の傘が分からなくなって、困ったことがあります。色や柄を把握しにくく、周りにもたくさんの傘が置いてあり、分からなくなりました。他の人の傘と交じってしまわないように、自分の傘の置き場所を決める工夫をしています。
- 目線や、顔が見えないため、誰が誰に話かけているか分かりません。 よく話す人は声を覚えて、誰の声か判断ができますが、話す回数が少ない人は誰か分かりません。人を勘違いして、話しかけてしまったことがあります。このような時、「○○さん、○○です」と話しかけてもらえたことがあり、嬉しい配慮だと感じました。
- 銀行のATMに行き、列に並びました。そうすると、後ろの女性が「ATMを利用されますか?列は、まだ後ろの方まで出来ています。」と声をかけてくれました。人が多かったため、入り口をふさがないよう、少し、人と人との間が空いていたことに気付かず、列の間で並んでしまっていました。こういう時に、「順番を抜かされた。」や「どうせ分からないのだろう。」と、声かけをしないのではなく、教えてもらえたことが嬉しかったです。おかげで、きちんと最後尾に並ぶ事が出来ました。
- 一人でファミリーレストランに入って、昼食をとったときのことです。注文の料理が届いた際、店員さんが、「クロックポジション」(時計盤の数字の位置に置き換え説明)により、料理の位置を教えてくれました。出かけた先で、このような説明を受けたことは初めてでした。うれしくなり、とてもおいしくいただくことができました。
- 視覚障害がある方のバス通勤をサポートする地元小学生の記事(外部リンク(読売新聞オンライン))
~職場~
- 受話器を取るタイプの電話を受けた時、伝達事項をメモしたくても、メモをとるための点字の機械は両手が必要だったり、電話の声とパソコンの音声読み上げの両方を同時に聞き取りにくく、困ります。このような時、周囲の人がとっさにメモを代わりに取ってくれたので、とても助かっています。