第4章第2項(有田圏域)

〈有田圏域〉

 【構成市町村】 有田市、湯浅町、広川町、有田川町
 【面積】 474.86k平方メートル
 【人口】 72,668人(平成29年4月1日現在)
 【高齢化率】 31.6%(平成29年1月1日現在)

  •  当圏域は、有田川河口沿いの臨海部に平地が広がり市街地が形成されていますが、後背地は農業地域、圏域東部は山間部となっています。圏域の高齢化率は県平均30.9%を若干上回っており、山間部ではさらに高齢化率が高くなっています。団塊の世代が高齢期に向かうことから更に高齢化が進むと予想されます。

1圏域の現状と課題

〔指定障害福祉サービス〕

  • 居宅介護や重度訪問介護といった訪問系サービスについては、各地域に事業所が確保できており、希望すれば利用可能な状況です。(自立支援医療に係る訪問看護についても同様です)。一方、圏域内には入所施設がなく、施設入所支援については、他圏域のサービスを利用している状況です。
  • グループホームは、圏域内に7事業所(17住居)(平成30年1月現在)ありますが、他圏域での利用も多くなっています。今後、他圏域の施設に入所している障害のある人や退院可能な精神に障害のある人が地域で生活できるようにするためには、圏域内における居住の場としてさらなる確保が必要です。
  • 精神障害のある人が利用できる事業所は増えつつありますが、十分とはいえない現状です。また、事業所へのアンケートにおいて、精神障害への対応に困難を感じていることが分かったため、支援従事者に精神障害への理解を深める取組が必要です。
  • 障害のある子供が健やかな生活を送るためには、保護者の同意のもと、家庭、学校、病院、行政、障害児支援事業者等が密接に連携をとることが不可欠ですが、障害児支援事業所数が十分と言えない状況です。

〔相談支援〕

  • 平成28年4月1日に1市3町の共同委託により、地域の相談支援の拠点として基幹相談支援センターを設置しています。総合的な相談業務(身体・知的・精神障害)及び成年後見制度利用支援事業を実施し、市町が委託した相談支援事業者等と連携をし、総合相談・専門相談、地域移行・地域定着等の業務を行っています。
  • 基幹相談支援センターが中核となって運営し、圏域内の事業者、行政機関、福祉、保 健医療、療育、就学、就労等の各分野の関係機関で構成する自立支援協議会の活動によ り、関係機関が情報を共有し連携して、障害のある人を一体的に支援できるネットワー クを構築しています。協議会には、専門部会として「就労部会」、「精神障害者部会」、 「地域生活支援部会」、「子ども部会」、「権利擁護部会」を設置しています。

〔発達障害のある人への支援〕

  • 発達障害については、家族や支援従事者を含め、社会の中で十分に理解されていないため、障害のある人が適切な配慮を受けられるよう、支援体制の整備が求められています。

〔就労支援〕

  • 障害のある人の一般就労を促進し、雇用の場を確保・拡大するため、就労移行支援事業所の増設や、障害福祉サービス利用者の状態に応じた利用事業所サービスから他の事業所サービスへの移行のしくみの確保、企業の理解を促進する啓発等が必要です。

〔その他〕

  • 障害のある人と地域住民との交流は、福祉施設のイベント等を通じて行われており、障害のある人に対する地域住民の理解を促進する啓発の機会、障害のある人の社会参加の機会となっています。

2 圏域内の障害者手帳交付状況(平成29年3月31日現在)

視覚障害

聴覚・平衡・

音声言語・そしゃく

肢体不自由 内部障害 合計
373人 653人 2,821人 1,363人 5,210人
7.2% 12.5% 54.1% 26.2% 100.0%
A1 A2 B1 B2 合計
118人 148人 182人 289人 737人
16.0% 20.1% 24.7% 39.2% 100.0%
1級 2級 3級 合計
38人 246人 119人 403人
9.4% 61.1% 29.5% 100.0%

3 障害福祉サービス等の見込量(1か月あたり)

種類 2017年度
実績見込
2018年度 2019年度 2020年度
居宅介護
重度訪問介護
同行援護
行動援護
重度障害者等包括支援
3,558時間 3,803時間 4,105時間 4,304時間
199人 220人 233人 244人
種類 平成29年度
実績見込
平成30年度
(2018年度)
平成31年度
(2019年度)
2020年度
生活介護 3,385人日 3,533人日 3,637人日
88人 176人 183人 189人
自立訓練(機能訓練) 13人日 60人日 60人日 60人日
1人 4人 4人 4人
自立訓練(生活訓練) 192人日 268人日 287人日 306人日
11人 14人 15人 16人
就労移行支援 122人日 229人日 229人日 265人日
6人 13人 13人 15人
就労継続支援(A型) 911人日 1,011人日 1,109人日
25人 45人 50人 55人
就労継続支援(B型) 4,519人日 4,817人日 5,148人日
185人 260人 277人 296人
就労定着支援 1人 2人 3人
療養介護 18人 19人 19人 20人
短期入所(福祉型) 307人日 341人日 371人日 389人日
23人 27人 29人 31人
短期入所(医療型) 33人日 46人日 49人日 49人日
6人 7人 8人 8人
種類 2017年度
実績見込
2018年度 2019年度 2020年度
自立生活援助 0人 1人 2人
共同生活援助 95人 98人 102人 106人
種類 2017年度
実績見込
2018年度 2019年度 2020年度
計画相談支援 75人 94人 101人 109人
地域移行支援 1人 6人 6人 6人
地域定着支援 1人 8人 8人 8人
種類 2017年度
実績見込
2018年度 2019年度 2020年度
児童発達支援 1,802人日 1,824人日 1,921人日 2,029人日
153人 162人 170人 179人
放課後等デイサービス 1,290人日 1,396人日 1,472人日 1,565人日
87人 95人 100人 106人
保育所等訪問支援 0人日 14人日 15人日 16人日
0人 4人 5人 6人
居宅訪問型児童発達支援 0人日 4人日 8人日
0人 1人 2人
障害児相談支援 13人 16人 20人 24人

医療的ケア児に対する関連分野の支援を

調整するコーディネーターの配置人数

0人 0人 1人

4 圏域の取組

〔地域生活支援体制の充実〕

  • 障害のある人の地域での自立した生活を支援するために、相談支援、コミュニケーション支援、日常生活用具の給付や貸与、移動支援、成年後見制度利用支援等の充実に努めます。
  • 地域活動支援センターおいて、障害のある人に創作的活動や生産活動、余暇活動、社会との交流の場等を提供し、日常生活に必要な便宜の供与を適切かつ効果的に行います。
  • 障害のある人が地域で安心して暮らせるように、事業者等関係機関との連携のもと、緊急時の受入体制の確保に取り組みます。
  • 日常生活自立支援事業等を活用し、障害のある人の各種福祉サービスの利用や、日常生活の各種手続き等を円滑に行えるよう支援します。

〔相談支援体制の充実〕

  • 自立支援協議会では、障害のある人の自立した社会生活及び日常生活を支援するため、福祉、保健医療、療育、就学、就労等の各関係機関の連携を深め、各ライフステージに応じた各種サービスを総合的に調整する等相談支援機能の充実を図ります。
  • 自立支援協議会の運営にあたっては全体会議、運営会議、定例会議、部会会議、個別ケース会議を実施します。また、専門部会については、必要に応じて新たに設置したり、議題に応じてその都度構成委員を変える等、臨機応変に解決策について検討し、全体会へ施策を提案します。
  • 自立支援協議会において、相談支援について、より効果的な手法を検討するとともに、研修等を実施し、相談支援従事者の資質の向上を図ります。
  • 地域住民や障害のある人に対して、相談支援事業所と連携して地域の障害者施策等について周知を図ります。

〔発達障害のある人に対する支援〕

  • 子ども・女性・障害者相談センター及び発達障害者支援センター等の専門機関と連携し、発達障害のある人とその家族への総合的な支援を行います。また、発達障害について社会全体で障害を理解し、乳幼児期から成人期まで一貫した支援を行うため、自立支援協議会に設置している「子ども部会」において、総合的な支援ネットワークの構築に努めます。

〔障害のある子供に対する支援〕

  • 市町の乳幼児健診、発達相談や保育所等の健診、保健所の二次健診による早期発見に 努め、専門医療機関等と連携し総合的な支援を行います。また、ライフステージに応じ た福祉、保健医療、療育、就学等の各種サービスを総合的に調整及び推進することを設 置目的とした自立支援協議会の関係部会、福祉サービス事業所と連携をし、自立した社 会生活、日常生活を支援します。

〔就労支援体制の充実・促進〕

  • 障害のある人の就労や地域生活を支援するため、福祉、医療、教育、就労等の関係機関からなる自立支援協議会に設置している「就労部会」を中心に、就労支援に取り組みます。
  • 就労部会では、障害のある人の経済的な自立のため、障害者就業・生活支援センターを中心に、関係機関が一体となって支援を行えるよう、情報の共有等により連携を強化し、一般就労支援や工賃向上等の課題に取り組みます。

〔精神障害のある人の地域生活支援の充実〕

  • 自立支援協議会に設置している「精神障害者部会」を中心に、研修会の開催、事例検討、社会資源の開発等についての検討を行い、相談支援事業所や関係機関が連携・協議し、精神障害のある人の地域生活支援体制の構築を図ります。
  • 長期入院者の地域移行については、本人の意向を最大限に尊重し、関係機関と連携のうえ一層推進します。
  • 退院した精神障害のある人が充実した地域生活を送れるよう、関係機関との連携により、就労継続支援等の日中活動サービスの利用を促進します。
  • 精神障害のある人の日常生活や就労を支援するため、精神保健福祉士等の職員を配置した地域活動支援センターの設置を目指します。
  • 地域住民の精神障害に対する理解を促進するため家族会、民生委員・児童委員や事業所等と連携し、研修会・講演会等を実施し啓発活動を行います。
  • 精神障害のある人が適切な障害福祉サービスを利用できるよう、支援従事者に精神障害の特性や関わり方について研修の機会を提供します。
  • 退院後の地域生活を支えるため、グループホーム等の居住の場の確保について関係機関と検討します。

〔地域における居住の場の確保〕

  • グループホーム等の整備を図るため、空き公用地や転用可能な公営住宅等の情報を収集し、開設意向のある事業所に対し情報提供を行います。
  • グループホーム等の必要性や障害のある人の地域生活についての理解を深めてもらうために、広報紙等を通じて啓発活動を行います。

〔社会参加の環境づくり〕

  • 意思疎通支援を必要とする障害のある人に対して、手話通訳者・要約筆記者を派遣する体制の充実強化を図ります。
  • 障害のある人が生きがいをもって人生が送れるよう、スポーツ、レクリエーション、文化活動等生涯学習の機会を充実するとともに、障害のある人の自主的な社会参画活動を支援します。
  • 障害について住民の正しい理解を深めるために、「心のバリアフリー化」を推進し、障害者団体等と連携して啓発活動を行います。
  • 地域生活定着支援センターと行政等の関係機関が連携し、矯正施設等を退所した福祉 の支援を必要とする障害のある人等の社会復帰を目指した支援を行います。

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