
なんたん蜜姫の生産者・堤和之(左)さんと、収穫を手伝う奈良県出身の板谷明子(右)さん。2023年の地域の総生産量は、約6トン。その中でもA品に選ばれるのは、わずか1トン程。直売所やインターネットで販売され、ペーストは地域の菓子店などのスイーツにも利用されている。
【わかやま 食の新発見】
串本の太陽と潮風が育む なんたん蜜姫
本州最南端・串本町で栽培されているサツマイモ“なんたん蜜姫”。ねっとりとした食感が特徴で、鮮やかな黄色の果肉には濃厚な甘さがあり、その希少性から幻のサツマイモとも呼ばれている。
温暖な気候とミネラルたっぷりの潮風に恵まれ、サツマイモ栽培に適した土地である串本。そんな土地で育つ上質なサツマイモの中でも特に甘みのあるものを、古くから“サイパンイモ”という愛称でよび、地域の人々から親しまれてきた。2009年、そんなサイパンイモを町の特産にするため、“串本さつまいも会”が結成され、最も良質な品種を“なんたん蜜姫”として展開。以降、串本の生産者たちは、鳥獣被害や高齢化などさまざまな課題と立ち向かいながら、丹精込めて育てるなんたん蜜姫を県内外のファンの元へ届けている。

「表面に傷をつけないようにイモを掘り出すのにコツがいるんですよ」と堤さん。苗一株になるイモは大小10個ほど。収穫後はすぐに出荷するのではなく、約1カ月ほど貯蔵し、じっくり熟成させることで糖度が増すという。


おすすめの食べ方は焼き芋。干し芋にしても甘い。熱が入るとねっとりとした食感になり、クリーミーで甘さも引き立つ。販売は11~12月の季節限定。
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