Wakayama 移住定住ヒストリー すさみについて語る源口さん

「すさみに暮らす人々が主人公、私は思いに寄り添う伴走者です」と源口さん。

和 vol.52

Wakayama移住定住ヒストリー

地域の魅力を地域の人
ともに
いでいく

合同会社シェアローカル ローカルコーディネーター 源口 葉月さん

 太平洋に面し入り組んだ美しい海岸線が自慢のすさみ町で、地域の魅力を引き出し、発信しているのは、大阪生まれの源口葉月さん。コロナ禍で在宅勤務が続く中、すさみ町で知人が営むゲストハウスを訪れたのが移住のきっかけだった。「滞在中、サーフィンで骨折してしまい、病院に担ぎ込まれました。ところがそのおかげでこの町に住む多くの人に出会え、地元愛や仕事への誇りなど熱のこもった話しを聞き、心を揺さぶられました」。

社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」で集まった学生たち

社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」で集まった学生たち。地元漁師さんたちと共に未利用魚の活用や収益獲得などの課題と向き合い目標達成までの道筋を考えた。

大阪に戻り入院している間もすさみ町のことが忘れられず、自分が町のためにできることを企画書にまとめメールを送った。すると、退院後に町役場に来てほしいと連絡が入り再びすさみ町へ。町長の「やってみよう」という一言に背中を押され、2020年の12月、町内の古民家を借り、大阪とすさみ町の二拠点生活が始まった。

教育旅行で田植えを体験する様子

都会の子供たちと地元住民が交流しながら農業や漁業などを体験する教育旅行を実施。田植えなどを通じて「生きる知恵」を学ぶプログラムなどを体験した。

 最初に手掛けたのは、海沿いにある元警察署の建物を観光案内所として再生するためのコンセプトづくり。町全体をひとつの宿に見立て、観光客がチェックインすると、スタッフはフロントマンとして地域の魅力あるコンテンツを案内する。観光客と地域の人が交流する場にもしたいと願いを込めた観光案内所“フロント110”が誕生した。次に地元漁師らとともに海のフードロス削減、漁師の収入向上を目指した“漁師小屋プロジェクト”を立ち上げた。

源口さんとすさみ町の美しい海辺

いつも身近に美しい海を感じられるのもすさみ町の魅力。「見慣れた景色でも毎日表情が異なり、癒されます」。

市場に出回らない未利用の魚にスポットを当て、ネットを通じ賛同してくれる企業を探し、首都圏のレストランのメニューになるまで漕ぎ着けた。そして現在は、廃校を宿泊施設として活用し、教育旅行を受け入れ、狩猟や備長炭づくり、漁師体験など、地域の人々と学生を繋ぐプログラム“生業(なりわい)体験”を提供している。

東京都内のレストラン「100本のスプーン」の期間限定メニューであるシイラの料理

東京都内のレストラン「100本のスプーン」で期間限定メニューとして採用された未利用魚“シイラ”の料理。

「昨年、すさみ町に完全移住しました。これからも、すさみならではのコンテンツを生み出し、県外や企業と繋げ、この町に新たな価値を生み出していきたい」と源口さん。大好きな海を眺めながら日々町中を駆け回っている。

源口さんと友達のような関係である、地元漁師さん。シイラを抱き抱える様子

未利用魚である大きな“シイラ”を抱き抱える地元漁師さん。源口さんとはもう友達のような関係だ。

合同会社シェアローカル
住所/すさみ町周参見2718
電話/090-3924-8470
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FRONT110に
チェックイン

すさみ観光案内所 FRONT110の外観

すさみ観光案内所“FRONT110”は元警察署とは思えないオシャレな外観。海岸沿いに一際目立つ色合いで、町のランドマークだ。

案内所の奥にある留置所

案内所の奥にある留置所は、手を加えず当時のまま。珍しい体験にちょっとドキドキ。

FRONT110の囚人服を着たマグショットが撮影できるスペース

囚人服を着たマグショットが撮影できるスペース。仕上がりはサスペンス映画のワンシーンのよう。

FRONT110の2階にあるコワーキングスペース

2階は広いコワーキングスペース。窓から周参見湾に浮かぶ稲積島を眺めながらゆったりとワーケーションもおすすめ。屋上にはフリースペースやラウンジも。

FRONT 110

住所/すさみ町周参見4581-14
電話/0739-34-3200
HPはこちら