森田 富美雄 様

県体操協会副理事長

ジュニア選手の育成を

福岡県出身の私は中学のクラブ活動で体操を始めました。猛練習を重ね、3年生の時に県大会で団体優勝を果たしたことがその後の体操人生を大きく左右しました。当時の成績が評価され、特待生として進学した地元福岡の九州工業高校では、3年生の時に全国大会出場を果たし、団体総合8位、個人総合9位、鉄棒では個人優勝という体操部創立以来の成績を収めることができました。その後、国士舘大学に進み副キャプテンを務め、卒業後は、和歌山県から誘いがあり、悩んだ末、和歌山で体操をする道を選び、昭和48年に和歌山県庁チームの一員となりました。

その頃の県内の体操は国体2連覇、全日本選手権も紀陽銀行チームが連覇をしており、オリンピック団体の金メダリストやアジア大会のメダリストもいる中で、同じ県のチームの一員として活躍できたことは感激もひとしおでした。これまで以上に充実した3年間を過ごし、25歳で出場した三重国体を最後に体力の限界を感じ、現役引退を決意しました。

その後、昭和50年からの6年間は、県体力開発センターの職員として、幼児体操や婦人体操、老人教室などで体育指導を行い、昭和57年以降は耐久高校、星林高校、和歌山高校、現在は市立和歌山高校定時制の体育教諭として勤務するかたわら、県体育協会の事務局長を経て、昨年から副理事長として県内の選手育成や指導に当たっています。

近年、県内の体操の競技人口は激減しています。その理由の1つとして中学校のクラブ活動に体操部が非常に少ないということがあり、高校も和歌山北高校、和歌山工業高校、田辺工業高校の3校のみとなっています。唯一明るい話題といえば田中和仁さん、理恵さん、佑典さんの3きょうだいが世界に通用する力を持つまでになったこと。他の選手たちの励みとなり、目標となっています。紀の国わかやま国体に向けて一人でも多くの選手を育成するため、中学、高校の体操部を増やすとともに、現在ジュニアで活躍している選手たちにも大いに期待したいと思っています。

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2015紀の国わかやま国体