ドクターメッセージ

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■帝王切開を少なくする取り組みを行い、メンタルヘルスケアにも注力

私は和歌山県御坊市にある国保日高総合病院で、産婦人科部長として地域における周産期医療の充実に取り組んでいます。当院は紀中地方における基幹病院で、産婦人科では「お産難民をつくらない」をモットーに、妊娠高血圧症候群・糖尿病・精神疾患などを合併したハイリスク妊娠も積極的に受け入れています。

当院は曽和院長の考えから、全国的に増加している帝王切開を少なくする取り組みを進めています。1回目の出産時に帝王切開を行った人は2回目以降も帝王切開となる場合が多いのが現状ですが、当院では条件さえ整えば、同意を得て経膣分娩を行うようにしています。また、骨盤位による選択的帝王切開を少なくするために、妊娠後期に脊椎麻酔下での外回転術も実施しています。

もう一つの特徴は、メンタルヘルスケアに注力していることです。近年、精神障害をもつ妊婦や複雑な家庭の事情で不安・ストレスを抱えている妊婦が増えています。これらの方をそのままにしておくと産後鬱や育児放棄、乳児虐待につながる可能性もあります。当院には精神科があるため、妊婦本人だけでなく背景を見ながら、産婦人科医が早い段階に特定妊婦をみつけ、精神科医をはじめ、助産師、社会福祉士、保健師と連携しながら必要な支援を行っています。

■産婦人科は内科的要素、外科的要素もあり、奥が深く、興味が尽きない

産婦人科医を志したのは、産婦人科医だった父の影響もありますが、一番の理由は、妊娠、分娩に関しては未解明の病態が多く研究課題が豊富なことです。さらに、困難な出産が無事終わった時には達成感があり、喜びをご家族と分かち合えるのも魅力だからです。 私は、1984年に和歌山県立医科大学を卒業後、研修を経て大学院の産婦人科に進み、卒業後の1990年には米国カルフォルニア大学サンディエゴ校に留学しました。米国では昼夜問わず研究に没頭する同僚の仲間たちを見てカルチャーショックを受けました。翌年に米国スタンフォード大学に移り、帰国後の1995年から当院で勤務しています。

当院にはハイリスク妊娠や母体搬送による妊婦を含め年間約500件の分娩があり、多くの症例を経験できます。常勤の産婦人科指導医が3名おり、小児科、麻酔科など他科との連携もスムーズで、優秀なサポートメンバーが揃っていて非常に働きやすい環境です。病院のある御坊市は決して都会ではありませんが、生活利便施設が充実しているので不便は感じません。

産婦人科は内科的要素も外科的要素もあり、興味が尽きることはありません。そして奥が深く、まだ取り組むべき課題が山積しています。皆さんもぜひこの領域に興味を持ち、自分のライフワークとなる研究課題をみつけてください。

取材・撮影日2017年5月


研修モデルプログラム等を掲載中です!
是非ご覧ください!

お問い合わせはこちら

【和歌山県庁医務課医療戦略推進班】

〒640-8585
和歌山市小松原通1-1

073-441-2612

お問い合わせはこちら

マガジン8月号

2016年8月号のドクターズマガジン「和歌山県立医科大学産科婦人科学教室」の医局紹介を掲載しています。

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■帝王切開を少なくする取り組みを行い、メンタルヘルスケアにも注力

私は和歌山県御坊市にある国保日高総合病院で、産婦人科部長として地域における周産期医療の充実に取り組んでいます。当院は紀中地方における基幹病院で、産婦人科では「お産難民をつくらない」をモットーに、妊娠高血圧症候群・糖尿病・精神疾患などを合併したハイリスク妊娠も積極的に受け入れています。

当院は曽和院長の考えから、全国的に増加している帝王切開を少なくする取り組みを進めています。1回目の出産時に帝王切開を行った人は2回目以降も帝王切開となる場合が多いのが現状ですが、当院では条件さえ整えば、同意を得て経膣分娩を行うようにしています。また、骨盤位による選択的帝王切開を少なくするために、妊娠後期に脊椎麻酔下での外回転術も実施しています。

もう一つの特徴は、メンタルヘルスケアに注力していることです。近年、精神障害をもつ妊婦や複雑な家庭の事情で不安・ストレスを抱えている妊婦が増えています。これらの方をそのままにしておくと産後鬱や育児放棄、乳児虐待につながる可能性もあります。当院には精神科があるため、妊婦本人だけでなく背景を見ながら、産婦人科医が早い段階に特定妊婦をみつけ、精神科医をはじめ、助産師、社会福祉士、保健師と連携しながら必要な支援を行っています。

■産婦人科は内科的要素、外科的要素もあり、奥が深く、興味が尽きない

産婦人科医を志したのは、産婦人科医だった父の影響もありますが、一番の理由は、妊娠、分娩に関しては未解明の病態が多く研究課題が豊富なことです。さらに、困難な出産が無事終わった時には達成感があり、喜びをご家族と分かち合えるのも魅力だからです。 私は、1984年に和歌山県立医科大学を卒業後、研修を経て大学院の産婦人科に進み、卒業後の1990年には米国カルフォルニア大学サンディエゴ校に留学しました。米国では昼夜問わず研究に没頭する同僚の仲間たちを見てカルチャーショックを受けました。翌年に米国スタンフォード大学に移り、帰国後の1995年から当院で勤務しています。

当院にはハイリスク妊娠や母体搬送による妊婦を含め年間約500件の分娩があり、多くの症例を経験できます。常勤の産婦人科指導医が3名おり、小児科、麻酔科など他科との連携もスムーズで、優秀なサポートメンバーが揃っていて非常に働きやすい環境です。病院のある御坊市は決して都会ではありませんが、生活利便施設が充実しているので不便は感じません。

産婦人科は内科的要素も外科的要素もあり、興味が尽きることはありません。そして奥が深く、まだ取り組むべき課題が山積しています。皆さんもぜひこの領域に興味を持ち、自分のライフワークとなる研究課題をみつけてください。

取材・撮影日2017年5月


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〒640-8585
和歌山市小松原通1-1

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Emailw-doctor@pref.wakayama.lg.jp

マガジン8月号

2016年8月号のドクターズマガジン「和歌山県立医科大学産科婦人科学教室」の医局紹介を掲載しています。