知事対談
アイランド株式会社 代表取締役社長
粟飯原理咲
和歌山県知事
宮﨑 泉
和歌山の“一番星”が照らす
全国、そして世界への挑戦。
申請数117商品。その中からたった20品を選ぶ。伝統か?革新か?知事自らが応援団長として伝える、作り手の想いとその軌跡。SNS・AI時代に選ばれる逸品へ。
PROFILE
- 粟飯原理咲 (Aihara Risa)
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大阪府育ち。2003年7月、アイランド株式会社代表取締役社長に就任。お取り寄せ情報サイト「おとりよせネット」やSNSで料理と暮らしを発信する「フーディストノート」、朝のライフスタイルマガジン「朝時間.jp」を運営。2012年にはキッチン付きイベントスペース「外苑前アイランドスタジオ」をオープンした。
宮﨑知事(以下宮﨑)● 本日は“和歌山一番星アワード”の審査委員長、粟飯原理咲さんが経営されているアイランド株式会社にお邪魔し、和歌山県との連携や一番星アワードのお話などを聞いていきたいと思います。
粟飯原理咲社長(以下粟飯原)● 弊社は、2003年から“みんなの暮らしをもっと楽しく、わくわく心地よく”をビジョンに掲げ、主に食と暮らしの領域でメディアとコミュニティの運営をしています。そして今日お越しいただいているようなリアルスペースなどを創造する企業です。具体的には、主に三つのサービスを運営しております。一つ目が“おとりよせネット”。その名の通り全国の美味しいお取り寄せグルメをご紹介するサービスで、全国から約6000品の商品、もちろん和歌山の美味しい逸品もたくさんご紹介しています。これが私の脱サラをするきっかけとなり、今年で23年目になりました。二つ目が“フーディストノート”、三つ目が“朝時間 jp”です。今この三つを合わせての公式SNSの総フォロワー数は約700万人になります。企業や地域のSNSなんかのお手伝いもさせていただいています。
宮﨑● 色んな取組をされておりますが、これからもどんどん増えていくのでしょうか。
粟飯原● そうですね。最近ではふるさと納税をされる方も増えているので、“ふるさと納税ごちそうアワード”という取組も開催しています。
宮﨑● 粟飯原さんの取組は、和歌山県産品のブランド化を進めるために大変参考になっていますが、特に成果に繋がった事例を教えてください。
粟飯原● 最初にご紹介した“おとりよせネット”では、年に1度、ベストお取り寄せ大賞を発表しております。これが書籍として発売され、過去には年末に1時間まるまるテレビで放映されました。受賞された店舗が飛躍的に売上を伸ばしたというケースがありました。このベストお取り寄せ大賞は今年で20周年になりますが、和歌山のみかんジュースは、3年間連続受賞され、殿堂入りしています。
アイランド社出版の雑誌の数々。
県産品に光を当てる和歌山一番星アワード
宮﨑● 和歌山一番星アワードは、加工食品や工芸品、生活雑貨などの県産品を厳選して、県が認定し推奨する新しい制度です。和歌山には、伝統的な技や作り手のこだわり、想いが込められた大変魅力的な県産品がたくさんあります。その一品一品にもっと光を当てたい。そういう思いから“和歌山一番星アワード”が生まれました。認定商品は和歌山の誇りであり、魅力でもあります。全国、そして世界へ発信をして行こうという取組で、粟飯原さんには審査委員長として立ち上げの頃から、様々なアドバイスをいただいています。改めてこの制度に対する思いや期待などをお話をしていただきたいと思います。
粟飯原● 今回、僭越ながら審査委員長という大役をいただき、すごく緊張しながら務めさせていただきました。ところで知事は以前、優良県産品のお仕事をなさってらっしゃったんですよね。
宮﨑● そうなんです。 県職員時代に関わっていましたので思い入れもあります。ただ数が増え過ぎてしまい、本当の逸品として厳選しにくい状況に陥り、粟飯原さんに助けていただくことになりました。
粟飯原● 実は前の制度の時にもこのスタジオで実食審査をさせていただき、ランキングを発表するというプロモーションのお手伝いをさせていただいたことがあります。その時、制度としては素晴らしいのですが、認定商品が多くなり過ぎ、より厳選した商品をわかりやすく見せた方が良いという声がありました。そのようなご縁もあり、このアワードに携わることになりました。初年度の認定は20商品に絞ることになったのですが、この作業は非常に難しく、夢でうなされるほどでした(笑)。厳選するために掲げた審査の基準は三つ。まずは「共感性」。その商品の背景にある物語や想いが、人の心を動かすものかどうか。そして「独自性」。その商品の魅力や技術がしっかりと光るものであるかどうか。そして「可能性」。その商品が和歌山の未来を輝かせる力を持っているものかどうか。この三つを基準に、バイヤーや経営者、食品ECなど各分野のプロフェッショナルが、全ての商品に触れ、食品を全て実食し、審査をしました。全てが素晴らしい商品で、選ぶのに非常に難航しました。
宮﨑● 先日開催されたイベントで、審査員の皆様と少しお話をさせていただきましたが、こんな方々に選んでいただいたら本当にいい施策になると思いました。目の前には、グランプリなどの5品が並べられていますが、やはり商品が進化することの大事さを感じました。これらの認定商品が世界中に知られるようになり、また新しい商品もどんどん生まれてくる。一番星アワードがそういう取組になればいいなと思っています。
和歌山県知事 宮﨑 泉
伝統と革新のバランス喧々諤々の熱い論議
宮﨑● 一番星アワードに認定した商品はどれも印象的ですが、伝統の技で作られたモノから、試行錯誤を繰り返し生まれた新しい商品まで、あらゆるものが凝縮されているなと思います。
粟飯原● そうなんです。審査会でも、その伝統と革新のバランスをどういう風にするかというのが議論になりました。伝統的で本当にいいものを届けたいという審査員と、新しい挑戦をしている事業者さんに光を当てたいという審査員もいらっしゃって、本当に喧々諤々の中、最終的に誰もが納得する逸品の20商品を選ぶことができたと思っています。
宮﨑● 審査員の皆さんは素晴らしいので素敵な商品が認定されたと思いますが、さらにグランプリ、準グランプリはユーザー投票によって決めたという取組にも感心しました。
粟飯原● 今回、初めての試みとして、和歌山一番星アワードの認定20商品の中から、審査員特別賞という商品五つを選ばせていただき、会場でそれぞれの事業者の方にプレゼンをしていただきました。そして当日会場に来場された皆さんにそのプレゼンを聞いてもらい、商品を実際に体験していただいた上で、グランプリを投票で決定するという、参加型の開かれたイベントにしました。
宮﨑● あの場は凄かったですね。
粟飯原● 緊張感と高揚感があって、普通ならさらっと聞き流すようなところも、自分が投票者なんでしっかり聞いて、しっかり悩んで、その商品のファンになって投票してくださったのかなっていうふうに思っています。
宮﨑● 私自身、グランプリを取った梅真鯛梅をお土産として色んな所に持って行っています。またご存知だと思いますけどデラックスケーキには“はしっ子”という商品があって、これがホワイトチョコレートがいっぱい付いていてお得なんですが、店頭でしか販売されておらず、直ぐに売り切れてしまいます(笑)。
粟飯原● デラックスケーキの話をしたら、和歌山の方は必ず“はしっ子”のお話をされるんです。そういうのって口コミで広がり、それを体験したいから和歌山に行ってみたいなって思わせるようなエピソードもまた素敵です。
宮﨑● 他にも、胡麻豆腐やみかんジュース、キャビアなど、魅力的な商品がたくさんあります。それぞれの店や企業が競い合って、それぞれの特徴を生かした商品を作っていますので、和歌山に来て、色々とご賞味していただけたらと思います。
粟飯原● 最近、ローカルガストロノミーと言って、地域にわざわざ出かけて行き、その地域でしか食べられない一品を食べようというムーブメントもあります。本物の商品が多い和歌山だから、そういう面でもすごく期待してます。
アイランド株式会社 代表取締役社長 粟飯原理咲氏
SNS・AI時代のEC対策
宮﨑● 小さい町でも特徴のある商品がたくさん生まれれば、その地域を訪ねたくなる特色になると思うので、県内の皆さんにも頑張っていただきたいと思っています。また粟飯原さんはECとかメディアに詳しいと思いますが、現在のトレンドとかニーズはどこにあり、どんな風に変わってきているんでしょうか。
粟飯原● やはり“産直”というワードは、ずっと右肩上がりですね。それとここ数年は“ふるさと納税”が一気に上昇してきました。地域の食品だけじゃなくて、産業製品の返礼品も増え、さらには体験型の商品もすごく増えています。そういう意味でも、ECの世界はまだまだ伸び代があるので、一番星アワードの事業者の皆さんもぜひ頑張っていただきたいと思います。一方でユーザーの情報接点は少しずつ変化しています。今はWeb検索をする人が少しずつ減り、若い人たちはSNSで検索し、動画を見て購入したりするそうです。それからここ数年は急速にAIの推薦をもとに購入していく方も増えています。“和歌山に行くんだけどおすすめのものって何”とかAIに聞くと、AIは複数の情報ソースを元に答えを返すのですが、その時に第三者視点での推薦がすごく重要な判断基準になっています。そういう時にこそ、この一番星アワードのような情報は非常に貴重になってくると思います。
宮﨑● なるほど。AIも然りSNSも然り。そういうところをしっかり取り込んで行かなければならないということがよくわかりました。7月から一番星アワードの第2回目の募集がはじまりました。 2回3回と進むごとに盛況になっていけばいいなと思います。
粟飯原● 自分はやっぱりこれが好きだという商品があったり、この商品は本当に和歌山を代表する逸品だと思いながら一番星アワード認定商品を選ぶ。本当に悩ましいことが多かった選考会でしたが、2回目も楽しみにしています。
宮﨑● それぞれの地域では、自分たちの商品が本当に一番だと思って作っていると思います。そんな商品に対して順位をつけるのも大変な話ですが、みんなで和歌山の一番星アワードを発信し、和歌山の美味しいもの、素晴らしいものを全国、そして世界に広められたらいいなと思っています。一番星アワードを広めていきたいと思っていますので、粟飯原さん、ぜひよろしくお願いします。