江戸条約灯台
和 vol.60 【特集】 
nostalgic emotions 〜古き良き和歌山〜 -4-

江戸条約灯台が照らす
日本近代化の未来

本州最南端の灯台 串本町・潮岬灯台

 本州最南端・串本の澄んだ空と海の狭間に浮かび上がる、白亜の潮岬灯台。内部の螺旋階段を登り沖合を望むと、雄大な水平線と大小さまざまな船が行き交うのが見える。その景色は、今も昔と変わらず、串本が海上交通の要衝であることを実感させてくれる。
 潮岬灯台は、紀伊大島に建つ樫野埼灯台とともに、“日本の灯台の父”とも呼ばれる英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの指導のもと建設された江戸条約灯台のひとつだ。江戸条約灯台とは、幕末の1866年(慶応2年)に米・英・仏・蘭の4カ国と結んだ改税約書に基づき、外国船の安全航行を確保するため整備された8基の洋式灯台群のこと。そのうちの2基が串本に築かれた事実は、この地が当時の日本、そして世界を結ぶ重要な海上交通の結節点であったことを物語っている。また東西に長い日本を行き来するうえで、太平洋に突き出た潮岬に隣接する紀伊大島は風待ち港として、多くの船が立ち寄り、串本の町は大いに栄えていたという。

全国に16基しかない「登れる灯台」の一つ

全国に16基しかない「登れる灯台」の一つ。初代潮岬灯台は1870年(明治3年)、日本初の洋式木造灯台として建てられたが1878年(明治11年)に石造灯台として生まれ変わった。

 そして2021年。串本に新たな“路”が開かれた。日本初の民間ロケット射場“スペースポート紀伊”である。串本は南と東に広い海域が開け、安全な打上げ環境を確保しやすい一方で、本州と陸続きであるため、機体や部品を効率よく運べるという強みも持つ。それらにより年間30回という世界最高頻度の打上げサービスの実現を目指している。
 海路の要衝から、宙路の要衝へ。かつて船が往来した串本は、宇宙へ向かう新たな旅路の出発点になろうとしている。

潮岬灯台や樫野埼灯台について学ぶことができる、灯台横の資料展示室

灯台横には資料展示室があり、潮岬灯台や樫野埼灯台について学ぶことができる。

ロケット

ロケット 海路から宙路へ

ロケット/Ⓒスペースワン
小型ロケットによる人工衛星の打上げを、商業ベースで提供することを目的として建設された射場

Ⓒスペースワン
小型ロケットによる人工衛星の打上げを、商業ベースで提供することを目的として建設された射場。顧客が求める宇宙利用ニーズに対応すると、日本中から注目を集めている。

スペースポート紀伊
住所/和歌山県東牟婁郡串本町田原
旧古座分庁舎を改修した施設

旧古座分庁舎を改修した施設。ロケットミュージアムやスペースシアターのほか、オリジナルグッズが購入できるミュージアムショップも併設。

宇宙ふれあいホールSora-miru
住所/和歌山県串本町西向359
電話/050-8881-7897

海路の要衝地に点在する
紀伊半島の港町

約400年の歴史を持つ「古式捕鯨発祥の地」の町

約400年の歴史を持つ「古式捕鯨発祥の地」の町。くじらの博物館や古式捕鯨の史跡めぐりなどが楽しめる。

太地町
住所/和歌山県太地町太地
電話/0735-59-2335(太地町観光協会)
山の斜面に家々が密集して建ち並ぶ景観から「日本のアマルフィ」と称されるノスタルジックな漁村。

山の斜面に家々が密集して建ち並ぶ景観から「日本のアマルフィ」と称されるノスタルジックな漁村。

雑賀崎の町並み
住所/和歌山県和歌山市雑賀崎
電話/073-433-8118(和歌山市観光協会)