
歴史ある“あら川の桃”を守り続ける、紀の川市桃山町の丸駒農園・4代目の稲垣吉一さんと妻のまどかさん。
【わかやま産品 テロワール】
vol.01
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テロワールはフランス語で「風土、土地」を意味する「terre」から派生した言葉。地理、地勢、気候、こだわりの栽培法や確かな技術により栽培される農作物の生育環境全体を指す。和歌山県の恵まれた自然や気候、土壌環境、生産者のこだわりが集結した産品のテロワールにも注目し、それぞれの魅力を再発見してみよう。
西日本最大級の桃源郷!
江戸時代からの歴史が生み出すブランド
あら川の桃
〝あら川の桃〟は、紀の川市桃山町を中心に生産されている桃の代表的なブランドで、江戸時代からの歴史を持つ。糖度の高さと見た目の美しさが特徴で、品種によって色味や食感、味わいが異なるため、食べ比べてみるのも楽しみ方のひとつだ。高品質な〝あら川の桃〟は、桃山町の温暖な気候と水はけのよい桃栽培に適した土壌に加え、生産者たちのたゆまぬ努力によって守られている。

“あら川の桃”として販売される品種の一つ「白鳳」。乳白色の肌に紅暈(こううん)が浮かぶ上品な姿だ。
1939(昭和14)年から続く「丸駒農園」の4代目・稲垣吉一さんと妻のまどかさんは、「〝あら川の桃〟の見た目は時代とともに変わってきましたが、高い品質はずっと変わらず守り続けてきました。水はけのよい土壌は桃の糖度を上げてくれますが、保水力と保肥力が弱い分、細やかな樹の管理が欠かせません」と話す。吉一さんは徹底して桃と向き合い、妥協せず畑仕事を続ける。「樹の生育状態を1本1本丁寧に観察し、1年かけて、摘蕾、摘花、摘果、袋掛けなどの作業をします。どの作業も手を抜かず、先祖から続く〝あら川の桃〟の品質を大事にしているから、お客様からの信頼も続いているのだと思います」。

〝あら川の桃〟は、恵まれた栽培環境のもとで育まれ、生産者たちのこだわりと深い愛情が込められている。
主要品種の特徴

日川白鳳
果皮の赤味が濃く見た目の美しい早生(わせ)品種。酸味はやや少なく糖度が高めで、みずみずしくジューシーな味わい。
出荷時期:6月下旬から7月上旬

白鳳
果皮は鮮やかな紅色で、果肉は白く柔らかい。酸味が少なく上品な甘さ。
出荷時期:7月上旬から7月下旬

清水白桃
華やかな甘い香りをまとった白くて上品な印象。甘みが強く、柔らかな果肉と溢れ出る果汁が魅力。
出荷時期:7月下旬から8月上旬

川中島白桃
華芳醇な香りの美しい大玉で糖度が高い晩生(おくて)品種。果肉はやや硬く、しっかりとした歯ごたえと日持ちの良さが特徴。
出荷時期:7月下旬から8月中旬
※出荷時期はその年の気象条件により前後します。
2023(令和5)年7月20日
GI(地理的表示)※として
「あら川の桃」が登録されました!
※ GI(地理的表示)とは?
その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因・環境の中で長年育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を地域の知的財産として保護する制度で、桃として全国初、果物としては県内初の登録。
「食の宝庫」である和歌山県で、作り手たちが心を込めて生み出したおいしい“食”。それらを集めて和歌山県食品流通課が運営する紹介サイトです。豊かな自然環境と、さまざまな発酵食品のルーツとなった和歌山県の“食”をぜひご体験ください。
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