
柿の収穫量38,900トン(2023年和歌山県産)のうち、約8割を渋柿が占める。甘柿と渋柿の掛け合わせは渋柿になる可能性が高く、甘柿の新品種の開発は難しいという。うまく開発できても出荷までに5年以上かかる大変な作業だが、“日本一の産地を代表するような品種に”との想いが込められている。
【わかやま 食の新発見】
フルーツ王国わかやまで
生まれた
紀州てまり
45年連続で柿の収穫量日本一を誇る和歌山県で、オリジナル品種の育成が進んでいる。
柿の産地として知られる紀の川沿いの丘陵地帯。温暖な気候で日照時間は長いが、昼と夜の寒暖差が大きいことから、甘くて色づきの良い高品質な柿が栽培できるという。
2019年に品種登録された早生甘柿の“紀州てまり”は、柿では和歌山県で初めてのオリジナル品種で、「早秋」と「太秋」の特徴を受け継ぎ、甘くてジューシーな食感が特徴。丸くて美しい外観から“紀州てまり”と名付けられた。9月上旬の極早生柿に始まり、11月の富有柿まで、切れ目なく旬の柿を楽しんでもらえるよう収穫時期を調整して開発された。10月下旬頃から味わえ、今後、多くの人のもとに届けられることが期待される。

大玉で見た目もよく、種が少ないため食べやすい“紀州てまり”。甘くてジューシーな食感が味わえると注目されている。

2020年に初出荷された“紀州てまり”は、まだまだ出荷量は少なく、これからブランド力を築いていく段階。年数を重ね若木が育つと、生産量の増加も見込まれ、今後は誰にでも親しまれる果実にしていきたいと考えている。
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