就農支援センター社会人課程_令和2年8月の研修内容を紹介します
就農支援センター社会人課程_令和2年8月の研修内容を紹介します
実 習 (8月分)
野菜:ミニトマトの作付け準備、 ブロッコリーのは種、 ナスの薬剤散布、 ソルゴーの施用
- ミニトマトの作付け準備
ミニトマト (品種:サンチェリースマイル) の作付けの準備を行った。一般的な施肥の意義を説明した後、ハウス内にてバーク堆肥を入れトラクターで耕耘し [写真1-①]、約1週間後に元肥を施用した [写真1-②]。さらに、管理機で畝づくりを行い、苗の定植準備に向けた [写真1-③]。 - ブロッコリーのは種
ブロッコリー (品種:おはよう) の種子をセルトレイに播き、定植用の苗作りをはじめた。 - ナスの薬剤散布
ナス (品種:とげなし千両2号) で発生するコナジラミ (※1) の発生を防ぐため薬剤散布を行った。 - ソルゴーの施用
土壌中に残っている肥料を減らすために植えていたソルゴー (※2) を粉砕機で粉砕し、秋撒き野菜のほ場へ施用した。
※1:【コナジラミによる被害】…葉の裏に寄生して汁を吸うことで、葉の葉緑素が抜け白く退化する。そのまま放置すると作物が枯死する、病原菌の発生を招く恐れがある。
※2:【ソルゴーの効果】…減肥、防風、害虫防除、緑肥効果などがあげられる。
花き:定植 (ケイトウ、ハボタン)、収穫 (ケイトウ、ヒマワリ)、は種 (ホオズキ、ストック)、土壌消毒、土壌分析
- ケイトウの定植 (彼岸用)
彼岸出荷を目標にケイトウ (品種:周防) の定植を行なった。7月上旬にセルトレイには種し、本葉3〜5枚に育てた苗を用いた。 - ハボタンの定植
7月下旬には種した切り花用ハボタン (品種:初紅、晴姿) の苗を露地ほ場へ定植した。 - ケイトウの収穫 (お盆用)
7月上旬に定植したケイトウ (品種:周防) を収穫した。収穫の目安として、花直下の茎 (花首) の硬さ (硬め) がポイントであることを学んだ。 - ヒマワリの収穫
7月上旬に露地ほ場には種したヒマワリ (品種:サンリッチオレンジ) を収穫し、一般的な出荷規格に準じた選別および出荷調整を行った。 - ほ場の土壌消毒を兼ねた施肥
分枝系ストックの作付け予定のほ場に元肥として、石灰窒素を施用した。石灰窒素は肥料であるとともに土壌消毒の効果も有しているため、2つの作業を同時に行うことができる。経費の省力化が図れることを学んだ。 - ホオズキのは種
切り花用のホオズキ (品種:丹波ホオズキ) の種子をセルトレイには種した。また、今年着果したホオズキの果実から種子を取り出す作業を行った。得られた種子は、次年度以降の苗づくりに使用する予定である。 - ハウス内の土壌分析
宿根カスミソウ、キンギョソウを作付けするほ場の施肥量を決めるため、土壌診断の基本的な項目である土壌のpH (酸度) およびEC (電気伝導度 ※1) を測定した。土壌診断の意義、試料となる土壌の採取・調整方法についても学んだ。 - ストックのは種
セルトレイの1穴に3粒ずつ、ストック (品種:アイアンローズ、ホワイト、マリン) の種子を播いた。八重鑑別 (※2) をしやすくするための素材を被覆したコーティング種子 (※3) を用いた。発芽後に八重鑑別を行う予定である。
※1:【EC: electrical conductivity】…ECとは土壌を攪拌した水の電気の伝わりやすさを数値化した値すなわち、土壌中における肥料成分の指標である。水に溶けイオン化する物質が多いほど大きな値になる。
※2:【ストックの八重鑑別】…ストックの種子には、八重咲きになるものと、一重咲きになるものが混ざっているため、切り花として価値の高い八重咲きになるものを育苗の段階で選別し、一重咲きになるものを抜き取る作業である。
※3:【コーティング種子】…種子をペレット加工することにより、は種をしやすくする。さらに、発芽初期の生育差をより顕著にできる。
果樹:収穫 (ブドウ、イチジク)、 ミカン畑のマルチ敷設、 梅の土用干し
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ブドウの収穫、出荷調整
収穫の最盛期を迎えた黄緑色で顆粒が大きいブドウ (品種:シャインマスカット) を一房ずつ丁寧に収穫し [写真1-①]、出荷調整を行った [写真1-②]。
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イチジクの収穫、出荷調整、加工
熟したイチジク (品種:桝井ドーフィン、バナーネ) を収穫し出荷調整を行った [写真2-①]。選別はキズ果、未熟果などを取り除き、パック詰めを行った。また、収穫したイチジクの一部を加工し乾燥させ、ドライフルーツを試作した [写真2-②]。
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ミカン畑のマルチ敷設、枝吊り
ミカン (品種:宮川早生) の糖度上昇を目的にマルチ (防水透湿シート) を敷設した。これにより雨水の浸入を遮断し乾燥ストレスを与えることで、糖度の上昇が期待されると説明した [写真3-①]。また、果実の肥大により、枝が垂れると果実が地面の接近し、汚れやすく病気の蔓延を招くので、これを防ぐため枝吊り作業を行った [写真3-②]。
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梅の天日干し (土用干し)
6月ごろ収穫し塩漬けした梅を間隔を空けて並べ、乾燥と日焼けを目的に3~4日間天日干しにした (土用の時期)。
講 義 (8月分)
- 農業一般:農業経営、制度資金、補助事業の制度、農業者年金、パイプハウスの建て方
- 野 菜:マメ科の栽培 (ウスイエンドウ)、葉茎菜類の栽培 (ハクサイ、レタス)
- 花 き:一年草の栽培 (ケイトウ・ヒマワリ・アスター)
- 果 樹:イチジクの栽培、中晩柑の栽培
~7月までの講義内容~
・県内の産地状況、 農作業安全と事故防止、環境保全型農業、農薬の安全使用、土壌肥料
・イチゴ、スイカ、 ミニトマト、 ナス、ホウレンソウ、シュンギク、ソラマメ、オクラ、スイートコーン、キャベツの栽培
・スターチス、宿根カスミソウ、キク、ハボタン、カンパニュラの栽培
・梅、温州ミカン、キウイフルーツ、ブルーベリー、カキ、モモ、サンショウの栽培、など