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県民の友

2026年9月号

No. 1057

特集1

紀伊半島大水害から15年
命を守るための備え

今年は、平成23年紀伊半島大水害から15年を迎えます。自然災害はいつ、どこで起こるかわかりません。過去の教訓を忘れず、日頃の防災対策を見直し、いざというときに備えましょう。

問い合わせ

危機管理消防課

電話
073-441-2260

防災企画課

電話
073-441-2271

災害対策課

電話
073-441-2262

(3課共通)

ファックス
073-422-7652

写真:崩壊により土砂が住居まで到達した現場
崩壊により土砂が住居まで到達した現場

大雨の際に注意したい前兆

紀伊半島大水害では、記録的な大雨により河川の氾濫だけでなく土砂災害も各地で発生しました。土砂災害が発生する際には、前兆現象(前ぶれ)が確認されることが多いため、普段と違う異変を感じた場合はすぐに避難しましょう。さらに今年5月からは、新たな防災気象情報の運用(詳しくはこちらで紹介)も始まりました。土砂災害や大雨の危険が高まる前に、早めの行動を心がけましょう。

土砂災害の性質と前兆

土石流

  • 山鳴りがする
  • 川の水位が下がる
  • 川が濁り流木が混ざる
図:土石流

がけ崩れ

  • 崖からの水が濁る
  • 崖に亀裂が生じる
  • 崖から小石が落下する
図:がけ崩れ

地すべり

  • 地面にひび割れが生じる
  • 沢や井戸水が濁る
  • 斜面から濁った水が噴き出す
図:地すべり

大水害で起きたこと

2011年9月、台風第12号による記録的な豪雨により、紀伊半島では大規模な土砂災害や河川の氾濫はんらんが相次ぎました。県内では死者・行方不明者が、那智勝浦町29人、新宮市14人、田辺市9人、日高川町4人、古座川町3人、みなべ町1人、有田市1人の計61人、全壊・半壊などの建物被害が8,465棟に上る甚大な被害が発生しました。

写真:那智川流域の市野々小学校を襲った河川氾濫および土石流
那智川流域の市野々小学校を襲った河川氾濫および土石流

INTERVIEW - 01

写真:下阪 殖保さん
新宮市熊野川町区長
連絡協議会 会長
しもさか しげやす さん
写真:復興のひまわり
画像提供:
新宮市熊野川行政局

濁流だくりゅうの中で救助に向かった
あの日の経験から伝えたいこと

あの日は、辺り一面が濁流にのみこまれ、とても怖かったですし、今でもその恐怖心は残っています。 当時は、「近所の人たちを助けないと」という気持ちも強く、ボートで高齢者や孤立している住民の救助に向かいました。水害の経験から、皆さんに伝えたいことは「怖いと思ったら、すぐ逃げること」です。 何よりも命を優先して、早めに避難してほしいです。

思いがつまった黄色いひまわり
地域の人や訪れる人を元気に

災害を忘れないように、また、地域を元気にしたいという思いで、水害の翌年から毎年ひまわりを育てています。 今でも、ひまわりの開花時期にはたくさんの方が見に来てくれますし、私自身も明るい黄色のひまわりから元気をもらっています。


地域の力で災害に備える
「自主防災組織」の存在

自主防災組織とは、地域住民が協力しながら、自分たちの地域を守るために自主的に活動する防災組織です。

INTERVIEW - 02

写真:松本 守信さん

紀美野町下神野しもこうの地区
自主防災組織 会長
まつもと もりのぶ さん

撮影場所:
下神野小学校体育館

写真:簡易担架つくりの様子 写真:防災訓練での松本さんの講演の様子
左/簡易担架つくり 右/防災訓練での松本さんの講演

反応と課題をふまえ
工夫を重ねていく防災訓練

防災訓練は毎年行っており、参加者の反応を見て、訓練の内容も毎回少しずつ変えています。紀美野町も3年前に水害の被害を受け、避難所を開設しましたが、訓練の経験もあり、大きな混乱なく運営することができました。実際の避難時に見つかった課題は、対策を考え、次の訓練で試すようにしています。

いつものつながりが、いざという時の力に

過去の訓練で、学生と地域の人が防災を語り合うメニューがあり、交流の時間として参加者から好評でした。実際の避難時には「避難所には知っている人がいるから安心する」といった声もあり、普段から地域で顔を合わせる機会をつくっておくことが何より大切だと思います。


ハザードマップからわかる、
家の近くの危険

災害の危険から逃げるためにハザードマップで避難場所を確認しましょう。市町村の窓口などで配布されているほか、ウェブでも見ることができます。

また、「耳で聴くハザードマップ」は、音で災害情報を確認できるサービスです。視覚に障害のある方や、小さな文字が見えにくい方も利用できます。

家のまわりや学校、よく行く場所の危険を確認しておきましょう。


和歌山県防災ナビ(アプリ)を活用しよう

県では、災害時や、災害のおそれがあるときの情報収集や避難行動に役立つ「和歌山県防災ナビ」を配信しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

  • 防災情報のプッシュ通知
  • 避難先検索
  • 避難トレーニング
  • 家族等が避難した場所の確認
  • 防災備蓄計算
  • 河川水位情報・土砂災害危険度情報

和歌山県防災ナビ(新しいウィンドウで開きます)

和歌山県防災ナビのアプリ画面

日頃の備えが大切!避難バッグ・備蓄品チェックリスト

避難バッグ避難時に持っていくもの

  • スマートフォン、財布
  • マイナンバーカード
  • 常備薬・お薬手帳
  • 非常食・飲料水
  • 携帯トイレ
  • トイレットペーパー
  • 口腔こうくうケア用品
  • 生理用品
  • ウエットティッシュ
  • 携帯ラジオ、懐中電灯
  • モバイルバッテリー
  • マスク、タオル、ビニール袋、軍手
  • 雨具 等

暑さ対策(夏・台風シーズン:6~9月)

  • 日傘
  • 冷却シート
  • 汗拭きシート
  • 塩分タブレット
  • 虫よけスプレー
  • 多めの着替え 等

寒さ対策(冬・春先:12~3月)

  • カイロ
  • 厚手の靴下
  • ひざ掛け 等

備蓄品災害後に必要なもの

  • 備蓄食料
  • 水(1日1人2~3ℓ)
  • カセットコンロ
  • 毛布
  • 寝袋
  • ろうそく・ランタン
  • ブルーシート
  • 自家発電機・電池
  • 簡易トイレ 等

防災備蓄計算(新しいウィンドウで開きます)

知っていますか?「満タン&灯油プラス1缶運動」

災害に備えて、車の燃料を満タンにしておくことや灯油の余分保管を推奨する運動です!

知っていますか?「満タン&灯油プラス1缶運動」(県WEBサイト)(新しいウィンドウで開きます)


早めの避難を
新防災気象情報

新しい防災気象情報が今年5月から運用されています。警戒レベル3や警戒レベル4の避難情報が発表された場合は、速やかに安全な場所に避難しましょう。

警戒レベル5

命の危険
直ちに安全を確保

警戒レベル4

危険な場所から全員が避難

警戒レベル3

高齢者など避難に時間がかかる人は避難

警戒レベル2

避難場所や避難ルートなどを確認

警戒
レベル
避難情報 防災気象情報
  河川氾濫 大雨 土砂災害 高潮
5 緊急
安全確保
5相当 レベル5
氾濫特別警報
レベル5
大雨特別警報
レベル5
土砂災害特別警報
レベル5
高潮特別警報
〈警戒レベル4までに危険な場所からかならず避難!〉
4 避難指示 4相当 レベル4
氾濫危険警報
レベル4
大雨危険警報
レベル4
土砂災害危険警報
レベル4
高潮危険警報
3 高齢者等
避難
3相当 レベル3
氾濫警報
レベル3
大雨警報
レベル3
土砂災害警報
レベル3
高潮警報
2 - 2 レベル2
氾濫注意報
レベル2
大雨注意報
レベル2
土砂災害注意報
レベル2
高潮注意報
1 - 1 早期注意情報

横にスクロールしてご覧ください


南海トラフ地震臨時情報が
発表されたら

南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ地震の想定震源域などで異常な現象が観測されたときやマグニチュード6.8以上の地震等が発生した場合に、気象庁から発表される情報です。発表された場合は、国や自治体からの呼びかけに応じた対策をとりましょう。

南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!
(内閣府 防災情報のページ)(新しいウィンドウで開きます)

南海トラフ地震臨時情報発表の流れ

南海トラフ地震臨時情報発表の流れ図

発生:マグニチュード(M)6.8以上の地震、または異常なゆっくりすべり(※)の可能性。

5〜30分後:臨時情報(調査中)を発表。有識者でつくる評価検討会が現象を評価(1〜2時間後)。

最短2時間後、評価結果に応じて次の3パターンに分かれる。

  1. M8以上の場合:臨時情報(巨大地震警戒)。とるべき行動は、津波避難が間に合わない地域は事前避難、それ以外は地震への備えを再確認(いずれも少なくとも1週間継続)。
  2. M7以上、またはゆっくりすべりの場合:臨時情報(巨大地震注意)。とるべき行動は、地震への備えを再確認(少なくとも1週間継続)。
  3. いずれにも該当しない場合:臨時情報(調査終了)。とるべき行動は、地震の発生に注意しながら通常生活を行う。

※プレート境界面のゆっくりとしたずれによる地殻変動を観測した場合など


地震・津波から
身を守るために

地震が起こった際は、慌てて外に飛び出さず、まずは机の下などで身を守る行動を取りましょう。揺れが収まったら、周囲の安全を確認し、より安全な避難場所をめざして避難してください。津波のおそれがある場合は、早めの行動が大切です。

津波避難3原則

  1. 想定にとらわれない
  2. 最善を尽くせ
  3. 率先避難者になれ

※片田敏孝東京大学大学院情報学環特任教授 監修

写真:津波避難タワー(那智勝浦町)
2025年12月に完成した津波避難タワー(那智勝浦町)

南海トラフ地震における地震動予測と津波浸水想定で地域の危険性を確認する

地震や津波の被害をできるだけ少なくするには、どの程度の揺れや津波による浸水が想定されるか事前に把握しておくことが大切です。

2026年3月に見直した地震動予測と津波浸水想定では、県内各地域の揺れの強さや津波浸水の想定をわかりやすく示しています。お住まいの地域における浸水や揺れの状況をご確認いただき、「住宅耐震化」、「家具固定の推進」などの自助の取組や、地域の共助の取組を進めてください。

令和8年公表 地震動予測及び津波浸水想定(県WEBサイト)(新しいウィンドウで開きます)

本県で想定される地震動予測

発生頻度の高い地震(Mw8.7) -約100年周期で発生。まず対策が必要-

発生頻度の高い地震の震度分布図

最大クラスの巨大地震(Mw9.1) -数千年~数万年周期の最大想定-

最大クラスの巨大地震の震度分布図
震度別色分け凡例:震度7は赤、震度6強はオレンジ、震度6弱は黄、震度5強は緑、震度5弱は紺、震度4は水色、震度3以下は薄い水色

津波浸水想定

発生頻度の高い地震 最大クラスの巨大地震
最大津波高
(平均津波高)
第1波最大
津波到達時間
最大津波高
(平均津波高)
津波高1m
到達時間
和歌山市6m(4m)52分8m(6m)45分
海南市6m(5m)47分8m(7m)39分
有田市5m(4m)41分10m(7m)33分
湯浅町6m(5m)44分11m(9m)35分
広川町6m(5m)43分10m(8m)33分
由良町7m(5m)35分10m(8m)24分
日高町6m(5m)28分11m(8m)16分
美浜町8m(7m)27分17m(14m)16分
御坊市8m(7m)24分16m(14m)13分
印南町7m(6m)23分15m(13m)11分
みなべ町7m(6m)23分14m(12m)11分
田辺市7m(6m)24分12m(11m)12分
白浜町7m(5m)12分16m(11m)3分
すさみ町7m(5m)10分20m(11m)3分
串本町11m(6m)8分18m(11m)1分
那智勝浦町9m(6m)10分14m(9m)2分
太地町6m(5m)7分13m(9m)2分
新宮市7m(6m)11分13m(10m)5分

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※地震動予測(最大震度)や津波浸水想定(最大津波高)(到達時間)は、1地点を示したものであり、当該地区のすべての地域に当てはまるものではありません。