Premier WAKAYAMA
プレミア和歌山

　江戸時代に“熊野蜜”として全国に名声を得て、はちみつの産地として知られてきた古座川。そこで伝統的な養蜂を受け継いでいるのが「ベリー工房髙田」だ。代表の髙田美弥子さんは夫のリタイア後、2011年に夫婦で滋賀県から移住。「地元の方からいただいたはちみつの美味しさに感動。それから蜂の魅力にとりつかれ、2014年頃から本格的に養蜂を始めました」と話す。

　古座川のはちみつは、野生の二ホンミツバチを用いた「百花蜜」。セイヨウミツバチとは異なり複数の種類の蜜を集める性質から、古座川の山に咲くさまざまな花の蜜がブレンドされたはちみつは、香りよくまろやかで奥深い味わいが魅力だ。飼育に使われるのは、杉や桜の丸太をくりぬいた“ゴーラ”という伝統的な巣箱。採取には一般的な遠心分離機を使用せず、ゴーラを逆さにして、蜜が自然に落ちるのを待つ“垂れ蜜”という方法で行われる。体力と技術がいるが、雑味のない自然蜜に仕上がる。

　「ニホンミツバチは気まぐれで飼育が難しいんです。でも難しいからこそ、夢中になってしまって」と髙田さん。古座川の豊かな自然の恵みがつまった熊野蜜。昔ながらの丁寧な製法からなる上品な味わいを、ぜいたくに楽しもう。

令和4年度プレミア和歌山推奨品 審査委員奨励賞 受賞
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