モデル事例集「大野 薫」

「同じ道を目指す女性のために」

和歌山県警察本部 前警務部警務課企画官

和歌山県警視 大野 薫さん(和歌山市)

県警初の女性警視になるまで

大野さんは、平成3年、大学卒業後の進路を決める際に女性警察官の募集を知り、「社会の役に立ちたい」という思いから、警察の世界に関心を持ちました。しかし、家族や周囲にも警察関係者がいなかったため、どんな仕事をするのか知りたいと直接警務課に相談されたそうです。このとき担当者が仕事の魅力と大変さの両方を話してくれたことで、飛び込んでみようと決意することができました。この年県警初の女性警察官の採用があり、大野さんを含め8人が採用されました。
1年間の交番勤務を経て、和歌山西警察署の刑事第一課に配属され、傷害や殺人などの事件を担当しました。厳しい指導を受けながらも尊敬できる上司や仲間とも出会い、県民のためにチームとして力を尽くす仕事の醍醐味を実感できたことは、とても思い出深い経験だったと言います。
その後、警察官の夫と結婚し長女を出産。当時、育児休業は1年間。大野さんは1年未満で復帰をしましたが、両立は本当に大変でくじけそうになりました。続けていけるかと自問自答するたびに「社会の役に立ちたい」との初心を思い出し、夫や両親、友人などに助けられながら続けることができたと話されました。
2013年には県警初の女性警視に任命され、1年間企画官として働きやすい環境整備や女性警察官の採用拡大などに取り組んできました。

女性が活躍できる道づくりへ

最近は、ストーカーやDVなど女性が被害者となることが多い事件が増加しています。そのため女性警察官による対応が求められることも多く、平成25年4月から県内すべての警察署に女性警察官を3人以上配属する取組を実施しています。同年5月には、結婚、出産・育児、介護などで退職した警察官が復帰できる再採用制度(4年以上の勤務経験と、退職した日から15年以上経過していない者が対象)により、男女二人を採用しました。現在、県内の女性警察官は全体の約6パーセントで、平成31年までに10パーセントに増やす計画をしています。
平成25年度の女性採用者数は11人で、平成26年度は倍近くの人数を採用。受験者を増やすため、女性限定の採用説明会を開催したところ、先輩から仕事の内容や働くうえでのアドバイスを聞くことができると好評を得ました。また環境整備についても、働きやすい職場についてのアンケートを実施、交番内に女性用の仮眠室をつくるなど改善を進めています。
現在、出産した女性警察官の多くは育児休業を3年間取得し、職場復帰後は子どもが小学校に上がるまで当直免除の制度も利用できるようになりました。最近は各部署の上司や仲間の理解も進んでいると言います。子育て中は苦労もあるけれど夫婦で協力し合い、親や保育所などをうまく活用しながら頑張っている人が多く、ともに働く仲間への感謝を忘れず働き続けてほしいと話されました。
大野さんは、「警ら係や鑑識係、白バイ隊員など、警察の各分野で頑張っている女性は増えています。多くの女性警察官が活躍できるように、自分の経験が役立つならいつでも相談してほしい」と話され、働く女性に向けて「今は、社会に『女性の活躍』の風が吹いている。大変なときは長くは続かない。あきらめないで」とエールを送られました。

(センターニュース第60号より、一部修正して掲載)

情報

女性警察官の採用に関することは和歌山県警察本部 警務部警務課まで。

採用フリーダイヤル:0120-217-314(平日・午前9時から午後5時)

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