モデル事例集「しんぐるまざあず・ふぉーらむ和歌山」

「自分らしく歩いていくために-仲間がいると伝えたい-」

ひとり親同士の自助グループ活動

しんぐるまざあず・ふぉーらむ和歌山(和歌山市)

語り合える場を支えに

 2004年にひとり親同士の自助グループを立ち上げ、ひとり親とその子どもたちを中心とする当事者支援の団体である「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」関西和歌山支部として活動を続けています。「一緒に前を向いて歩ける仲間がいることを伝えたい」をモットーに取り組んでいます。


 現在メンバーは、親子合わせて約30人。月1回、何でも語り合う定例会「おしゃべり会」を開いています。

 近況報告や離婚したことなどの様々な相談、ときには離婚するかどうか悩んでいる人も来られるといいます。

 メンバーそれぞれの体験談やアドバイスをし、必要なときは専門機関を紹介することもあります。また、知り合いのいない土地に来て不安を抱えながら生活を始めた人もおり、行政の手続きに同行するなど細やかな支援をしています。ほかにも子供服や生活用品を譲り合ったり、キャンプやクリスマス会など季節ごとのイベントを行ったりしています。ひとり親世帯だけで子どもとの旅行やイベントを担うのは負担ですが、グループで行うことによって親の負担を軽くし、子ども同士の育ち合う機会が得られると好評です。

 メンバーは全員働いていますが、派遣や契約など非正規雇用が多く、収入が安定しない生活は強いストレスとなっています。

メディアで報道されるような過酷な貧困状態でなくても、余裕のある生活をしている人はなく、定例会で語り合う時間で心が救われると話され、「仕事や子育てとの両立はとても難しい課題です。また保育所や学童保育などの社会資源も地域ごとに違うため、グループとして学童保育の時間延長を自治体に働きかけたこともあります。特に子どもが小さいときに母親ひとりで育てるのは負担が大きく、社会的な支援や協力が不可欠です」と述べられました。

 メンバーのひとりは、「誰もが結婚するときには、まさか離婚するとは思ってはいません。私自身も結婚で仕事を辞め専業主婦になり、子どもが少し大きくなったのでパートで働いていました。その当時は、結婚すれば女性はそうするものだと思っていました。そのため、いざ離婚となったとき、スキルも安定した仕事もなくとても不安でした。同様に、いまだ結婚や出産で専業主婦になり、再び働くときは非正規を選ばざるを得ない女性が多いと思います。もし離婚などでひとり親になったとき、たちまち生活の不安に直結するため、女性が仕事を続けられる社会的な環境も必要です」と話されました。また子どもが急病でも仕事を休みづらく、ファミリーサポート事業に登録していても緊急時に迎えにいく協力者が見つからないなど両立の苦労は尽きず、「子育ては母親が担うという意識も根強く、肩身の狭い思いをすることも多い。仕事を休むことが、仕事を失うことにつながりかねず休めないと悩む親もいる。男性も女性も子育てを担っていく社会のためには、働く親をサポートする制度を整えて企業や社会が意識を変えていく必要があると思います」と語られました。

子どもも親も孤立しない社会へ

 医療費免除や寡婦(夫)控除のみなし適用※は、自治体ごとの制度の違いや情報周知が不十分であり、自治体ごとの支援制度がひと目で分かるシステムも必要といいます。

 家族のカタチが多様化している現在、それに合わせて制度も柔軟に対応する必要性があります。「子どもの支援には格差があってはならないと思います。どのような家庭状況にあっても、どの子も安心して成長していけるような社会の取組が必要です。

 学童保育の拡充や放課後学習支援などは今後も広がってほしい。また、親も子も孤立しないように学校や地域で見守る、声を掛け合うなどのつながりも増えてほしい。和歌山はそういったチカラがある地域だと思います」と話されました。最近は、子どもが巣立ったあとの高齢女性の生活についても新たな課題が問題となっています。高齢女性の貧困問題、非正規の少ない収入でのやりくりや社会保障、病気になったときなど、不安は尽きないといいます。

そのため、「私たちは、『自分らしく前を向いていくための支援』を続けたい。誰かに話すことで楽になるし、自信にもつながります。ひとりでできないことも仲間がいれば乗り越えていける。決してひとりで抱え込まないで。活動に参加するのが難しいときは電話だけでも大丈夫です」と語られ、「ひとり親でひとりで悩みを抱えている人がいるならば、私たちとつながってほしい」とメッセージを送られました。

※寡婦(夫)控除のみなし適用:非婚で20歳未満の子を養育するひとり親世帯に、離婚・死別等によるひとり親と同等に公営住宅や保育園の保育料の利用料減額などを行う自治体の制度。

情報

■定例会は毎月第3日曜に開催。お問い合わせは「しんぐるまざあず・ふぉーらむ関西」へ。後ほど和歌山の担当者より個別に連絡します。


しんぐるまざあず・ふぉーらむ関西ホームページ:http://smf-kansai.main.jp/


※和歌山「おしゃべり会」の日程も掲載されます。おしゃべり会のページをご覧ください。

http://smf-kansai.main.jp/area.html

メール:smfkkansai@orange.zero.jp
電話:06-6634-7336

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