イベントレポート“りぃぶる”語り合い広場「避難生活で命と健康、本当に守れますか? ~被災地の実情から学ぶ!高齢者・障害者・子ども・女性などの視点から~」

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イベントレポート

講座名

“りぃぶる”語り合い広場「避難生活で命と健康、本当に守れますか?~被災地の実情から学ぶ!高齢者・障害者・子ども・女性などの視点から~  」

講師

浅野幸子さん(減災と男女共同参画研修推進センター共同代表・早稲田大学地域社会と危機管理研究所招聘研究員 )

開催日時

令和7年11月8日(土)13:30~16:00

場所

田辺市民総合センター4階交流ホール      

内容

 南海・東南海地震の発生率が上がるなか、災害への備えがますます重要になっています。

 また、命が助かっても、自宅に戻れない場合も多く避難所生活を余儀なくされることも想定されます。避難所では、せっかく助かった命を守るための工夫や、高齢者、こども、妊婦、障害者、外国籍の人等、支援が必要な人々への対応を考える必要があります。ここでは、被災地の現状から学ぶ避難所運営をテーマに講師の講義とグループワークで知識を得ることを目的に開催しました。

 講師は、阪神淡路大震災の被災経験や東日本、熊本、能登半島等の支援経験からのリアリティあふれる内容で、説得力をもって参加者を話に引き込みました。前半部分では、阪神淡路大震災や能登半島地震の写真を示しながら被害状況を説明され、特に能登半島地震について、犠牲者の6割以上が関連死であったことや関連死の8割が80代以上であったことなどをデータで説明されました。

 また、平日昼間、地域にいる住民の大半が女性や高齢者、乳幼児、障害者等であるため、災害対策のあらゆる段階に男女共同参画の視点や多様な視点が不可欠であると語られました。講師から『携帯トイレしかなかった避難所に仮設トイレが10基届くとしたら、男女にどう配分したらよいか?』や『避難所の間仕切りを設置するか否か』の2つの課題が出されグループで話し合いました。講師の解説では、国際基準であるスフィア基準では、トイレの数は女性3:男性1となっているとのことでした。

 次に、心身の健康問題や、性暴力・ハラスメント・DVなど安全面の困難について、DVは避難所では減少するが在宅避難や仮設住宅等で激化した事実があること、避難所では被害者・支援者とも、加害者にも被害者にもなりうること、こどもも被害にあうことなどに言及されました。安全面での対策は、女性とこどもだけに注意喚起するのではなく男性を含めて犯罪をなくす対策をとる必要がある。女性もリーダーになり女性やこどもからの意見を取り入れ環境改善しなければならないと強調されました。要望を出すことは決してわがままではなく権利である事を知っておくことや、我慢しすぎないことが重要だと説かれ、生活者の視点がない人が避難所を運営すると問題が多々発生するため、女性がリーダー的な立場に立ち積極的に発言することが大切であると繰り返し強調されました。

 後半のワークでは、「大地震が起きて、避難所となった小学校に避難した」という想定で、避難しているさまざまな要配慮の人たちの困りごととその支援について話し合い、模造紙にまとめました。避難所生活の中で起こりうる具体的な課題を考えることができ、いざという時に役立つ有益な時間となりました。

 参加者からの感想では、「実体験をふまえた内容がとても興味深かった」「資料も具体的でお話も分かりやすく、今後に活かせる」「普段出会うことのない初対面に、意見を出し合えてよかったです。今回のワークを職場研修でしてみる」という研修の有用性を感じる声が多数聞かれました。

           浅野幸子さん   グループワークの様子

                 浅野幸子さん            グループワークの様子

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