里山は、主に薪炭林として人間の生活と密接に関わり、昔から利用されてきました。

　これにより、里山は整備され、健全な森林として存続してきましたが、薪炭の需要が少なくなった現在では、放置され、竹林が拡大するなどの荒廃が進んでいます。

　このようなことから、竹林を伐採し、里山本来の姿に戻すことを目的として竹林整備を実施しています。

　　

　　　　　　　　整備前　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　整備後

　護摩壇山には、貴重なブナ林を主体とする落葉広葉樹が広がっており、四季折々の森林の姿は、一年を通じて楽しむことができます。

　しかし、森林の中に入ると、ニホンジカの食害等により下層の植生が失われているところが多く見受けられ、土壌の流出や次世代を担う樹木の消失などが懸念されています。

　そこで、人工林を間伐して広葉樹林化を促進するなどの整備を行ったり、次世代を担うこどもたちを対象に、護摩壇山森林公園で森林体験学習を実施し、現状を学んでもらっています。

　　　　

　　　　　間伐による針広混交林化　　　　　　護摩壇山森林公園での森林学習　　　　　 針広混交林への誘導試験

　近年、和歌山県内においてニホンジカの個体数が急激に増加し、森林における食害や剥皮被害が発生しています。

　そこで、造林地等の森林被害状況や生息密度の調査を実施し、野生鳥獣と共存できる総合的な管理方法などの検討を行っています。

　　　　

　　　　　  ニホンジカの群れ（湯浅町）　　　　　　ヒノキ根系樹皮剥ぎ（護摩壇山）　　　　　　　糞粒調査

郷土樹種の育成　 

　和歌山県の気候風土の中で育ってきた「ふるさとの森」を健全な状態で未来に引き継ぐため、県民参加による植樹活動等に活用する郷土樹種の育成や苗木の無償配布を行っています。

　　　

　　　　　　無償配布される苗木　　　　　　　　ウバメガシ（郷土樹種）の苗木

---

　対象・・・市町村、県民等

　紀の国森づくり苗木活用実施要領（PDF形式 206キロバイト）

　紀の国森づくり苗木活用【様式】（ワード形式 19キロバイト）

森林景観づくり

健全な里山づくり　　

　利用されなくなり荒廃した里山では、ナラ枯れの原因となるカシノナガキクイムシ等による病虫害が発生しやすくなり、枯損木による景観の悪化や倒木等の危険性が高まります。

　このようなことから、枯損木の伐倒駆除等により病虫害の拡大を防止し、健全な里山づくりに取り組んでいます。

　　　

　　　　カシノナガキクイムシによる被害　　　　　茶色く色褪せたナラ枯れの様子

---

　補助対象・・・市町村、森林所有者、林業事業体等

　補助対象経費・・・森林病害虫まん延防止のための伐採、粘着シートの設置及び薬剤樹幹注入に要する経費等（定額）

　健全な里山づくり事業補助金交付要綱（PDF形式 124キロバイト）

　健全な里山づくり事業補助金交付要綱 【様式】（ワード形式 30キロバイト）

県民参加の森づくり　　

　地域特性に応じた森づくりの実践のため、市町村、団体等が実施する地域住民参加型の森づくり、森林公園等の整備などの地域住民が主体となった森づくりに取り組んでいます。

　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　各地域での活動の様子

---

　補助対象・・・市町村、県内に事業所を有する法人、その他団体

　補助対象経費・・・植樹の指導及び森林整備委託、植栽苗木に要する経費等（自己負担分の10/10以内）

　県民参加の森づくり補助金交付要綱（PDF形式 153キロバイト）

　県民参加の森づくり(市町村民の森)実施要領（PDF形式 191キロバイト）

　県民参加の森づくり(市町村民の森） 【様式】（ワード形式 21キロバイト）

　県民参加の森づくり(地域住民の森)実施要領（PDF形式 215キロバイト）

　県民参加の森づくり(地域住民の森） 【様式】（ワード形式 35キロバイト）

未来を彩る花の森づくり　

　県内外から多くの人が訪れる”未来の景観資産”となる花の名所づくりに取り組み、地域活性化に繋げる活動を支援します。　詳しくはこちら（地域振興課）

　　　　

　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　植樹の様子

---

　補助対象・・・県内に事業所を有する法人、その他団体

　補助対象経費・・・植樹に必要な用具器具・苗木に要する資材費及び整地・歩道整備に要する工事請負費等（自己負担分の10/10）

花粉症対策

　すべての県民が森であそび・まなぶ体験を通じて、 、森林の大切さや役割を知り、森を守り育てていく気持ちを育むことを目的に、森での体験活動や学習の場づくり、森林の魅力を伝える取り組みを行う団体等を支援しています。

　　　　

　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　事業イメージ

---

　補助対象・・・県内に事業所を有する法人、その他団体 　

　補助対象経費・・・森林体験や森林学習に要する経費等（自己負担分の10/10以内）

　県民緑育実施要領（PDF形式 139キロバイト）

　県民緑育　【様式】（ワード形式 26キロバイト）

 

　県内の小学校等で森林や林業についての専門的な知識や技術をこどもたちに教える指導者に対し、プログラムの組み立て方や指導方法を学ぶための研修を実施しています。

　　

　　　

　　　　　　　　　　　　学んだ指導方法を実践する指導者

---

　対象・・・緑育推進における指導者として認定を受けている方

　学校緑育の指導者認定要件（PDF形式 62キロバイト）　

　学校緑育の指導者認定要件　【様式】（ワード形式 36キロバイト）

　紀の国緑育推進事業指導者一覧表（PDF形式 67キロバイト）

　和歌山県に自生または古くから生育している郷土樹種を将来へ引き継ぐため、和歌山県内の小学校等で、郷土樹種の種（ドングリ）を竹製のポットに播き、1年間育てることで、森林への理解や親しみを深めていただく事業です。

　育てていただいた苗木は、県内の植樹活動に活用されます。

　　

　　　竹ポットによる郷土樹種の育成

---

　対象・・・小学校、特別支援学校

　「ぼくの苗・わたしの苗～苗木のスクールステイ」のご案内（PDF形式 288キロバイト）

 

普及啓発　

　森林の重要性や「紀の国森づくり基金活用事業」の取り組み等について、県民に広くPRを行い、森林に対する意識の高揚を図っています。

　また、「紀の国森づくり基金条例」基づき、「紀の国森づくり基金運営委員会」を設置し、「紀の国森づくり基金」に関する調査・審議等を実施しています。　　　

• 紀の国森づくり基金運営委員会の開催・運営
• パンフレットの作成、新聞への記事掲載、ラジオ広告等によるＰＲ等　

　　　　　

　　　　令和4年度パンフレット　　　　　　　　　令和5年度パンフレット　　　　　　　　令和6年度パンフレット

　わかやま森林と樹木の日

　和歌山県では、2011（平成23）年田辺市新庄総合公園で行われた「第62回全国植樹祭」を契機に、「和歌山の森林及び樹木を守り育てる条例」を制定し、5月22日を「わかやま森林と樹木の日」と定め、

2012（平成24）年度から紀の国森づくり基金を活用して記念式典を開催しています。　

　式典では、森林や樹木を守り、または育てる活動について、特に顕著な功績があると認められる個人もしくは団体を顕彰する「和歌山県緑化功労賞」の表彰を行っています。　（詳しくはこちら）

　　　　　　　　　

　　　　　　記念植樹の様子　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　表彰式の様子

紀州材魅力発信

木の良さPR　

　自然景観と調和し、木材特有のぬくもりを感じられる木製ガードレールを多くの観光客が通行する県道沿いに設置し、木の良さをＰＲしています。

　また、和歌山県で生産・加工された「紀州材」を使用することで、二酸化炭素の固定等の環境保全に寄与するとともに、地場産業の活性化につながります。　

　　　　

　　　　　　　　　　　白浜町内に設置された木製ガードレール　　　　　　　　　　　　木製ガードレール　啓発看板

紀州材公共施設木造木質化モデル　

　和歌山県で生産・加工された良質な木材「紀州材」により、木造・木質化されたモデル的な公共施設を増やすことで、環境・人にやさしい木材の良さをＰＲするともに、木材利用の意義や森林保全の意識を高める取組を行っています。

　詳しくはこちら（林業振興課ホームページへ）

　　　　

　　　　こども園での活用事例（串本町）　　　　　中学校での活用事例（有田市）　　　　　 こども園での活用事例（高野町）

---

　補助対象・・・市町村

　補助対象経費・・・モデル的な公共施設の木造化、木質化及び木製品整備に要する経費等（自己負担分の1/2以内）