公害紛争処理制度

公害紛争処理制度のご案内

公害紛争処理制度の特長

公害紛争処理制度では、公害に係る紛争が生じた場合に、その迅速かつ適切な解決を図るため、4つの手続を設けています。
これらの制度は、裁判と比べると、手続が簡単で紛争の実態に即した柔軟な進め方をすることができ、費用も低く抑えられることや、専門的知見の活用や第三者による公平な立場からの判断が得られることなどの利点があります。
和歌山県では公害審査会を置かず、公害審査委員候補者制度をとっており、住民から公害紛争に係る調停等の申請が出た場合、知事は事件に応じてその解決を図る委員を公害審査委員候補者から任命し、解決を図ります。

公害審査委員候補者名簿はこちら (HTML版)

PDF形式を開きます公害審査委員候補者名簿はこちら(PDF形式 29キロバイト)

公害紛争処理制度の対象

公害紛争処理制度の対象となる紛争は、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる民事上の紛争とされています。
具体的には、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭による被害に係るものであり、環境をめぐる紛争の大部分がこれに当たります。
また、この場合の被害は、既に発生しているもののほか将来発生するおそれのあるものも含まれます。

公害紛争処理手続の種類

  1. 調停
    調停は、3名の調停委員からなる調停委員会によって行われ、当事者が調停委員に被害の実態等を訴え、調停委員はこれを聞き、主張内容や事実関係を明らかにして、お互いの合意点を探ります。その結果、お互いに折り合えるところが見つかれば、調停委員は調停案を提示し、これにお互いが納得すれば調停が成立します。
    しかしお互いの合意点が見つけられず、また調停委員会の調停案に一方または双方が納得しない場合は、その調停は打ち切られることになります。
    また調停委員会は、当事者の合意が得られることが困難な場合でも、相当と認めるときは、調停案を作成し、当事者にその受託を勧告することができます。
  2. 仲裁
    仲裁は、当事者双方が仲裁契約を結ぶことによって、裁判所に訴える権利を予め放棄し、紛争の解決を仲裁委員からなる仲裁委員会に委ね、その判断に従うことを約束することによって行われます。仲裁委員会が出した仲裁判断は、確定判決と同じ効力を持ちます。
  3. あっせん
    あっせんは、当事者が主体となって当事者自身の努力による自主的解決を期待する制度で、あっせん委員は当事者の話し合いを側面から援助するにとどまります。したがって、当事者が互いに話し合ったり譲り合ったりする気持ちがない場合は、あっせんを行うのは適当ではありません。
  4. 裁定
    公害に係る被害が発生した場合に、申請人が主張する加害行為と被害との間の因果関係の存否(原因裁定)、損害賠償責任の有無(責任裁定)に関し、法律判断を行うことによってその解決を図る手続です。

公害紛争事件の管轄

都道府県公害審査会等で受付する事件

調停、仲裁、あっせんのうち、公害等調整委員会が扱う紛争以外の事件

公害等調整委員会で受付する事件

あっせん、調停、仲裁のうち、下記の事件

重大事件 大気汚染、水質汚濁により著しい被害が生じ、かつ被害が相当多数の者に及び、又は及ぶおそれのある次の事件

  1. 生命、身体に重大な被害が生じる事件
  2. 被害の総額が5億円以上の事件

広域処理事件

航空機や新幹線に係る騒音事件

県際事件

複数の都道府県にまたがる事件

裁定(裁定は公害等調整委員会のみ)

公害等調整委員会への申請等の案内はこちら(公害等調整委員会ホームページ)(外部リンク)

調停等の申請方法

調停等の申請は、紛争の当事者であれば、被害者、加害者のどちらからでも申請できます。当事者が多数でも構いませんが、その場合は代表者または代理者(弁護士)を選任する方が望ましいと思われます。
申請の方法は公害紛争処理法第26条第1項及び同施行令第4条に基づき、和歌山県知事あてに行います。

申請等に関する様式例はこちら

調停等の申請手数料


調停等申請手数料は調停等を求める事項の価格により決まります。
詳しくはこちら 公害に係る紛争処理の手続に要する費用等に関する条例(PDF形式 66キロバイト)
なお、調停等を求める価格が算定不可能な場合(損害賠償を求めない場合等)は、その価格を500万円として算定しますので、この場合の手数料は3,800円となります。
納付の方法は、和歌山県証紙の貼付により行います。また、手数料の免除制度があります。
詳しくはこちら 公害に係る紛争処理の手続に要する費用等に関する条例施行規則(PDF形式 80キロバイト)

調停手続の進行方法

県は、調停申請書を受理すると、相手方に通知するとともに、担当の調停委員3名を公害審査委員候補者の中から委嘱し、調停委員会を設置します。
次に、当事者双方を呼び出して、事情聴取、話し合いの場を持ちます。これを調停期日といいます。
調停期日は、その後1から2ヶ月に1回の割で行われます。
調停の手続は会議室(主に和歌山市内)で行われる場合もあれば、現地で行われる場合もあります。
いずれにしても両当事者の出席が求められます。(正当な理由なくして呼び出しに応じない場合は、1万円以下の罰金に処せられる場合があります。)また調停委員会は、必要に応じて現地調査を行ったり、参考人(第三者)の意見を聞いたりします。
こうして話し合いを進めていき、双方合意点がみられるようであれば、調停委員会は両当事者に調停案を提示し、双方合意すれば調停が成立します。しかし、双方合意点がみられず、これ以上調停を続けることは無理と判断される場合は、調停打ち切りとなります。

相手方が調停の成立後、調停条項を履行しない場合の措置

調停には、法律のような法的拘束力はありません。しかし調停は双方合意のうえの一種の契約であるので、一方が義務を履行しない場合、調停委員会は当事者の申し出により、相手方の調停義務履行状況の調査や履行の勧告を行うことができます。

手続にかかる費用

当事者が負担しなければならない費用

  1. 申請手数料(県条例のとおり)
  2. 申請書、証拠資料の作成・入手に要する費用
  3. 当事者、代理人が調停期日等に出席するのに要する旅費
  4. 代理人等に対する報酬

県が負担する費用

  1. 参考人または鑑定人に支給する旅費または鑑定料
  2. 調停委員会が提出を求めた文書または物件の提出にかかる費用
  3. 委員、職員の旅費及び委員に対する報酬
  4. 呼び出し、送達のための郵便料または電信料

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