第28回和歌山県食の安全県民会議

開催日時・場所

日時:平成24年11月25日月曜日午後1時30分から午後3時30分

場所:和歌山県自治会館304会議室

議事

  1. 条例案作成に向けた具体的な検討について
  2. その他

委員意見(概要)

条例案作成に向けた具体的な検討について

条例化に向けたプロセスについて

  • 委員
    条例化に向けての行政のプロセスをご説明いただきたいと思います。また、条例化に向けたプロセスの中で、県民会議の議論というのはどの部分の位置づけになるのでしょうか。

  • もし条例を作るならばということが大前提ですが、現在の第3次アクションプランが終了となる来年度だろうと考えています。また、条例を作るタイミングを考えますと、今から具体的な検討をしていかなければ時間的に間に合いませんので、本日の会議では、もし条例を作るとすれば県の独自性をどのように出していけばいいのか、その点についてご意見をいただきたいと思います。
  • 委員
    県のしかるべき会議に提案していく骨子案をブラッシュアップするため、県民会議の委員の皆さんにご意見をいただくという理解でよろしいでしょうか。また、その意見が反映されるのは、食品・生活衛生課から出ていく骨子案に反映されるということでよろしいでしょうか。

  • はい。本日は、率直な意見をお聞きし、この条例にどのような特徴をつけ、どのような効果を持たせればいいのかについて、骨子案をたたき台にしてご提案いただければありがたいと思っております。

条例化の必要性について

  • 委員
    条例化の必要性について、状況の変化や色々な背景がありますが、その辺について、支障のある点というものは今ないのでしょうか。それから、独自性を出すというのは、独自施策だけで独自性を出すということなのか、それ以外にも独自性をもった条例にしたいということなのか、どちらでしょうか。

  • 条例の必要性につきましては、当課内部の協議で意見が分かれており、基本方針を格上げするだけで十分意味のあることだという考え方と、それはポーズを取ってるだけではないのかという考え方があります。条例化する場合の一番の議論としては、実効性という面が問われる訳ですが、その部分の議論を我々が詰めているのかというところで、若干内部で意見の違いがあります。
    また、条例を作る場合、現在考えている県の独自性というのは、県の独自施策をどう盛り込むかということです。
  • 委員
    今回の条例の骨子案や構成図と消費者保護法はかなり重なる部分があり、消費者保護法で十分担保されていると思うので、条例化が必要なのだろうかと思います。
    ただ、「認証制度の推進」「県産食品の機能性の向上」「農畜水産物の安全安心確保の取組」「流通食品の安全安心確保の取組」は、消費者保護法で補いきれない部分があります。「HACCPの手法に基づく衛生管理の普及推進」は施策として推進が必要であって、条例でどうこうできるのか難しい部分があるように思います。
    消費者保護法の中で担保できない部分は、基本方針や行動計画で補えると思いますので、県民会議では、もっと強固な計画を示す、あるいはこういう施策が欲しいという要望を示す、とした方が良いのではと思います。
  • 委員
    消費者基本法ができて以降、各自治体での食の安全の条例作りでは、かなり消費者基本法を取り入れている部分があります。そこをどう見るのかというのは非常に大事なのではないかと私は思います。
    あと、消費者庁ができた頃に国から、消費者の活性化基金という交付金が和歌山県にもきているはずで、私は今やられている施策とも合わせながらそれを生かしていったほうがいいのではないかと思います。
    条例の在り方としては、消費者基本法に基づく考え方を取り入れつつ、県の消費者問題についての施策とも整合するような形でいけばどうかと思います。

HACCPの普及推進、認証制度の推進、農畜水産物の安全安心確保の取組について

  • 委員
    「HACCPの手法に基づく衛生管理の普及推進」と「認証制度の推進」、これを条例化するとなった場合、事務局ではどういう形を考えているのでしょうか。
    「農畜水産物の安全安心確保の取組」では、トレーサビリティシステムの導入と普及をあげていますが、これを条例化した場合、どういう規定にするのでしょうか。
    HACCPもトレーサビリティも制度の問題ですので、そのあたりをどう考えていくべきなのか、事務局で案がございましたらお示し願えないでしょうか。

  • 「HACCPの手法に基づく衛生管理の普及推進」ですが、一応すべての施設にHACCPの考え方を導入していきたいと考えております。今現在、県のHACCPの認定規定では、中身については大体の業種を網羅できるかと思っております。また、県のHACCPの認定規定の考え方を少し改正しまして、すべての施設に対し導入ができるようなプランに変えています。認定については、ある程度の項目がクリアできたところは、一般衛生、HACCP導入、HACCP推進の3ランクでやっており、今の状況のまま条例にしていきたいと考えております。
    トレーサビリティは、製造業については、当課の施行規則の中で「記録を残す」という項目がありますので、「記録を残す」あるいは「記録を残すよう努めます」というあたりを条例にしていきたいと考えています。生産者については、施行規則に入っておりませんので、「記録を残すよう努めてください」という中身にしたいと考えています。
  • 委員
    HACCPについては、導入するのではなく考え方を導入するということですよね。その中で認証制度がありますので、県として承認できるものはその認証制度に則ってどんどん認証企業を増やしていきたいという考え方でよろしいでしょうか。
    トレーサビリティシステムについても、HACCPと同様に記録を取るというところから始めるという考え方でよろしいでしょうか。
    これにつきまして、それぞれの立場からご意見いただきたいと思います。
  • 委員
    製造の方から見ると、条例というと、法律で守ってもらえるというより罰せられるという感じがします。
    HACCPの考え方を導入することについて、導入しなかったらどうなるという条例ではなく、できないところはこのように指導しますということを決め、幼稚園から小学校、中学校に上げていくような形にしていただけるとありがたいと思います。
  • 委員
    全企業にHACCPの考えを導入するというのは格好のいい文言で姿勢ですが、それをサポートするしくみをしっかり作っておかないと、負担にしかならないと思います。そして、製造者に対する規制や要求だけでなく、構成図の項目に「消費者の役割」もありますので、この関係が大事ではないかと。また、「リスクコミュニケーションの推進」もあり、それがあってはじめて製造の方も消費の方も条例という形に乗れるのではないかと思います。
  • 委員
    牛肉のトレーサビリティシステムですが、牛が生まれた時から消費者が買うまで遡りができます。生産物の履歴がわかれば、認証制度に使えたりと、すごく役に立つと思います。ただ、トレーサビリティを確保するにはかなりの労力を要するので、全食品トレーサビリティが必要かというのは、また別問題だと思います。
    HACCPに関しても、非常に労力を要するため途中の段階で断念する人が多々あり難しいです。やれば安全性はかなり高まると思いますので、県の施策として進めていくというのはもっともだと思いますが、大半の人が途中で難しいというのがわかると思います。
    認証制度については、「お墨付きを与える」という意味で必要とされてます。特に生産現場では、流通業者から求められることが多々あり、認証制度があれば非常に便利な場合があります。ただ、認証制度を取ったからといって、自分の商品が売れるのかと言うと、残念ながら今のところそうではありません。
  • 委員
    流通の立場からですが、事故が起こった時にトレーサビリティは非常に有効です。しかし、できていないところが多く、途中で止まってしまうことが現実的にあります。県内の企業にしていただけるのは非常に有り難い話ですが、手間とお金と時間がかかります。本来は製品原価に反映させなければいけないと思いますが、競争という原理が働くと、反映できていない場合が非常に多いのではないかと思います。ただ、県内の企業、製造業者の方々の将来を考えると、いずれ考えていかなくてはならない話ではないかと思います。
  • 委員
    HACCPもトレーサビリティの問題も、消費者の立場で言いますと、より強化されたほうが良いのは当然で、それを条例化してどう表現するかは工夫がいると思います。
    事業者にとっては大きな負担になりますので、そのあたりをどう配慮しながら条例化するかということだと思います。
    あと、今回色々な項目が出ていますが、出ていない項目も結構あります。例えば自主回収の問題や輸入食品の業者の届出の問題など、まだまだ重要な問題が沢山あると思いますが、そういうことが議論されて、今の段階で整理されているのか、お訊きしたいです。
  • 委員
    HACCPもトレーサビリティも、消費者の立場からすると絶対必要でしていただきたいという話がありましたが、何もかもするのはなかなか難しいことだと思います。
    色々と認定されることも大事ですが、まず製造者等のモラルと言ったところの教育、それがしっかりしていれば、監視しなくてもいいのではないかと思います。
  • 委員
    製造の話ですが、病院や老人福祉施設等での給食は、大量調理施設だけでなく食数の少ない施設でもHACCPの考えに基づいた衛生管理を行っています。それを忠実にするのは負担になり大変だと思いますが、それで安心が担保できるのであれば、基本的にはするべきだと思います。食数の少ないところでも、対象になる人が身体の弱い人や小さな子ども等になってくると、必要ではないかと思います。
  • 委員
    製造業者や流通業者に対して、「これこれをしなさい」というよりも、「県がそういうことに対する指導をします」というような部分があれば、非常に受け入れやすい条例になるのではないかと思います。
    認証制度については、例えば、トレーサビリティは不慮の事故が起こった時に非常に役に立つということですが、そこに認証があれば、自社のトレーサビリティは認証を取ってますと書き加えることができ、何かしらメリットのようなものを認証制度に見いだせないかと思います。
    また、例えば原材料が農産物であると、ここも保証していますかということに行き着きます。生産物までHACCPをするとなると大変ですが、考え方を導入する訳で、それぞれの段階を教育あるいはサポートしていくというのであれば、生産現場でもある程度出来るのかもしれないです。そうなっていけば、農場から食卓までの安全というものが、和歌山県の施策の中で生きていますというアピールにもなるのではないかと思います。

流通食品の安全安心確保の取組について

  • 委員
    「流通食品の安全安心確保の取組」の自主回収や公表という内容ですが、範囲をどのぐらいで考えているのでしょうか。県民の口に入るものとなってくると全国規模で情報を把握しなければならないですし、それをどう公表して実行していくのか。現実的に実効性はどうなのかと思うのですが。

  • 具体的な内容は今後検討していきますが、自主回収については県内事業者を主に考えています。今は条例になっていませんが、要綱で自主回収の制度自体はあり、自主回収を届出することができるとなっています。今後条例になった場合、HACCPを推進していけば、HACCPの中で自主回収の制度もありますので、届出が出てくるだろうと考えています。届出が出てきたものは、県内の消費者や流通先の自治体に情報提供していきますが、何もかも外に出していくものでもないのではと思います。既にある程度、お願いベースですが要綱で運用していますので、それを裏付けのあるものにしていければと考えています。
  • 委員
    自主回収は、HACCPの一環で、リコールプランのことだと思いますが、それこそHACCPを導入している企業の話で、HACCP手法の考えを導入している企業までちゃんと含んでるのでしょうか。HACCPをするので自主回収もできるという方向で片付けないほうがいいように思います。少しご検討ください。

県産食品の機能性の向上について

  • 委員

「県産食品の機能性の向上」について、特定保健用食品の普及推進というのは、特定保健用食品を開発しますということではないのですか。これが条例としてどういうものになるのかあまり想像がつかないのですが。


  • 開発を後押しする、支援していきたいということです。
  • 委員

今研究分野では、安全性と機能性の研究はカップリングされることが多く、機能性食品に対しても安全かどうかという研究が必ずくっついてきます。私の個人的な意見ですが、機能性だけピックアップするよりも機能性と安全性とした方が、安全に関わることのアピールとなるのではないかと思います。

条例、基本計画、行動計画の区別について

  • 委員
    基本計画と条例との棲み分け、あるいは整合性という点について、事務局ではどのようにお考えなのかご説明いただけませんか。

  • 条例の中に、基本計画や行動計画を作りますという条文が入ってくる予定です。条例の下に規則がありますので、規則でどういった項目を盛り込むか決め、それを受けて基本計画、行動計画を作るという形になります。
  • 委員
    条例の中に事項として入れなくても、基本計画の計画書の中に出てくる可能性はありますよね。例えば、輸入業者の届出の問題について条例化されなかった場合に、それを計画の中に入れることも考えられると思うのですが、そういうことはあるのでしょうか。

  • 届出制度というのは、現在食品衛生法の施行条例でやっております。例えば、漬物製造業は法令に当たりますが、届出制度はすでにありますので、その考え方からすると、輸入業者の届出は、食品衛生法の施行条例でやるのが正しいのではと思います。ただ、他の都道府県の中には条例に入っているところもあり、和歌山県はどうするんだと言われた場合、まだ条例になるというところが決まっていない段階なので、そこまではお答えしづらいと思っております。
  • 委員
    基本計画やアクションプランというのは、条例の項目とは別に必要であれば加えていくのでしょうか。

  • 基本計画の制定と見直しというのは行っていきます。

その他

特になし

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