第55回和歌山県食の安全県民会議
開催日時・場所
議事
委員意見(概要)
1.令和6年度食品衛生監視指導計画の実施結果について
●県
~資料1について説明~
○委員
HACCPはすでにほぼ100%導入されているのか。
●県
事業所への立ち入り検査の際に導入状況を確認している。約9割は確認できており、残りの1割について、今年度確認作業を進めている。確認した事業所については、衛生管理計画を作成し、それに基づいて記録することを指導している。
○委員
2点質問する。1点目が、2ページ表1のCランクで違反数が3とあるが、過去の違反業者とは別なのか。
2点目は、それぞれどのような違反であったのか。
●県
1点目に関しては、全て違う業者である。
2点目に関しては、7ページの表3にある2、4、11番の食中毒がこの3件に当たる。2番は弁当のノロウイルス食中毒。従事者の体調には問題がなかったものの、検便からノロウイルスが検出。手洗い等消毒の不備が考えられる事例であった。4番はなれ寿司の食中毒。黄色ブドウ球菌が原因で手指に傷があったが、手袋等の対応ができていないことが原因と考えられる事例であった。11番は飲食店が原因のノロウイルス食中毒。従事者が体調を崩したまま出勤していた事例であった。
○委員
違反件数3というのが、具体的に何を指すのかということを次に資料作成する際は気を付けてください。
○委員
アニサキス食中毒について、最近の知見を詳しく教えてほしい。
●県
アニサキス食中毒の感染源は喫食した魚介類からであり、人から人への感染はなく、食中毒患者は少ないという特徴がある。去年、和歌山県ではアニサキス食中毒患者は出ていないが、実際のアニサキス食中毒患者数は0ではないと考えている。アニサキス食中毒は大概1人しか発症しないため、原因の特定が難しい。アニサキス食中毒ではあるが、原因が断定できない事例があると思われる。
○委員
アニサキスに関しては世の中の関心も高まってきていると感じるため、実態調査の実施について検討いただきたい。
○委員
今のアニサキスの話に関して、全国的には事件数が多いが、和歌山県は少ない理由はあるのか。
●県
関西は少なく、関東の方が多い傾向がある。基本的には医師が届出をしないと食中毒にならない。胃からアニサキスが検出されればアニサキスの食中毒となるが、その原因となった食材までは特定が難しい。関東では芸能人がSNS等でその被害を発信しているため、感化されてその報告数が多いのではないか。
○委員
何か特別に対策をした結果かと思ったが、そのあたりはどうなのか。
●県
スーパーなど、現場の対策は技術的に進歩してきている。ただ、報告数が地域により違うので、原因はよく分からない。
○委員
実態として起こっているが、確定には至っていないということになると、今後医療機関と連携して、実態確認する必要があるかもしれない。以前に比べて増えてきているという感覚はあるため、引き継ぎ今後の課題として、検討してもらいたい。
○委員
4ページ(7)のクジラ肉中の水銀について、実態調査で3検体から魚介類の暫定規制値を超えて検出され、販売店に対して注意喚起を行ったと記載されている。どのような注意喚起を行っているのか。
●県
チラシを用いて、妊婦さんに対する啓発を行っている。クジラを食べる文化は尊重するとともに、妊婦さん等への販売は注意するようにと。また、役場では、母子手帳と一緒にそのチラシも配っている。
○委員
食品添加物や残留農薬の検査結果とありますが、どこで検査されているのか。
サンプリング場所はどこなのか。
●県
環境衛生研究センターで検査している。
全保健所で満遍なくサンプリングを行っているが、梅であれば紀南地方を中心に、柿であれば紀北地方を中心に取るなど、食品ごとにケースバイケースとなる部分もある。
○委員
和歌山市のものは市が全部検査しているのか。
●県
然り。
資料1:令和6年度食品衛生監視指導計画の実施結果について(PDF形式 662キロバイト)
2.令和6年度アクションプランの実施結果について
●県
~資料2について説明~
○委員
安全の3ページの7番や4ページの13番のような生産者のHACCPについて、新規認証取得は、業者の業務量増加も見込まれるためなかなか難しいと思うが、5ページの15番のような食品事業者のHACCPはやらなければならないところだと思う。そこで、和歌山県内でISOやFSSC等、民間のHACCP認証を取得している事業者をしっかりと把握し、100施設という数値目標が適切かどうか、このアクションプランの区切り毎でしっかりと検討する必要があると思う。
●県
和歌山県の認証を取らなくても中規模以上の企業では、自ら民間の認証を取っているところもあり、実際に約40施設が民間の認証を取っている。
○委員
民間のHACCP認証を取っている施設が約40あるということであったが、この40施設は和歌山県の認証施設数には数えられないが、但し書きで記載しておく方が良いと思う。和歌山県の認証施設数だけでは県民に対して食品の安全に対する実態がうまく伝わらない。
●県
アクションプランの実施結果の書き方を検討する。
○委員
この15番に関しては次のアクションプランでは見直しということになるのか。
●県
はい。
○委員
5ページの17番について、温度管理が必要な流通の衛生管理届け出制度をもう少し詳しく説明願う。
●県
内容としては、温度管理の計画やその記録を中心に、衛生管理ができているかを保健所が確認する制度。生鮮食品と製造加工の中間の部分、もしくは消費者にわたる配送の部分を見える化するために始まった制度であり、温度管理を中心として認証する制度である。対象事業者は保冷車やその基地となり、郵便局などの配送業者等がこれに当たる。制度が作られた当初に対象として想定されていたスーパー、コンビニ等小売店についてはすでにHACCPが義務化されたため、現在対象には入っていない。
○委員
食品衛生法的には流通部分は入っていなかったのか。
●県
食品衛生法は製造加工に係るものが中心であり、その他の保健所としては目の届きにくかった流通販売過程を対象にするために始まった制度になる。ただ、食品衛生法が大改正され、販売の部分の衛生管理がHACCP義務化され、結果的に対象が配送業者だけとなってしまった。すぐに思いつくような県内の事業者はほとんど届出済みであり、対象となる母集団が少なくなってきている。よって認証届出数も横ばいとなっている。
○委員
数値目標の22事業者というのも目標が高すぎる気がする。アクションプランの見直し対象となるのか。
●県
そうなる。
○委員
この流通の届出制度は国の制度なのか。
許可制ではなく届出制なのか。
●県
県独自の制度となる。
業者が自主的な衛生管理に取組んだ結果を保健所に届出て、それを保健所が認証するという制度である。
○委員
届出は任意なのか。
●県
任意である。
○委員
11ページの3番について、講習会の回数も重要かもしれないが、講習会の開催回数が減った分を個別対応しているのであれば、但し書きで書いておくべき。
7番についても、違反広告がなくて会議の開催回数が減ったのであれば、良いことなので、同じく但し書きで書いておくべき。
●県
承知した。取り組み状況や理由を追記したいと思う。
○委員
16ページの40番について、食品ロス削減の普及・啓発情報の発信回数自体は減っているが、積極的に違う媒体を使って情報が広がっているのであれば、これも記載しておくべき。
この和歌山県の食品ロスについては、廃棄量はわかるのか。
●県
承知した。同じく、追記をしたいと思う。
担当課に確認する。
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和歌山県の食品ロス発生量(循環型社会推進課)
令和4年度33,000トン(内訳:家庭系20,000トン 事業系13,000トン)
※国の調査結果を基にした推計値
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○委員
食品ロス削減の普及・啓発情報の発信はした方が良いと思うが、実際にどこまで伝わっているかが重要ではないかと思う。情報の発信回数と食品ロスが繋がっているのであれば、その部分ももっと積極的に発信できると思うため、検討願う。
○委員
県民アンケートには食品ロスの項目はないのか。
●県
去年実施した県民アンケートには入れていない。
○委員
啓発の回数だけではなく、実質的な成果を表現の仕方を工夫することで記載してもらいたい。
○委員
15ページの33番について、プレミア和歌山が和歌山一番星アワードになると記載されているが、既存の認定商品の推奨を継続して実施ということは、プレミア和歌山を残しつつ、一番星アワードを新たに行っていくのか。
●県
そのとおり。プレミア和歌山の更新年度は2028年度までの分があるため、新規の取り組みはないが、現在ある分は引き続き推奨していく。
○委員
11ページの3番について、農産物直売所監視で食品表示法違反があったというのは、加工品に対しての表示が不足していたのか。
●県
ほとんどが加工品。農家が副業で作ったような農産物加工品なので、悪意はなく、単に知識不足で書き方を知らずに販売されていたのを指摘する場合が多い。
○委員
指摘した後、講習会で勉強してもらうということなのか。
●県
そのとおり。
資料2:令和6年度アクションプランの実施結果について(PDF形式 603キロバイト)
3.次期(第8次)アクションプラン策定方針(案)について
●県
~資料2について説明~
○委員
安心目標を設定するための現在の前提として、アンケートによると、健康食品に関して、68%が正しい知識を持っているというのは、和歌山県民なのか。
●県
そのとおり。
○委員
紅麹の件もあり、健康食品は注目を浴び、機能性表示食品にGMPも求める状況になり制度も複雑化した場合、事業者の正しい知識の認知度を上げる必要があると思う。また、食品表示も複雑であるため、食物アレルギーの問題のとらえ方など、事業者毎の意識レベルを上げることも重要だと思うため、対象を事業者と消費者に分けながら、認知度を上げるというようにしてはどうか。
●県
アンケートの中身については今後検討していきたいと思う。
○委員
今までは安心目標の方は対象が消費者寄り、安全目標が事業者寄りの内容を扱っていたと思うが、安全目標を食中毒のみに限定した目標でよいのかと思ったが、その点についてはどのように考えているのか。
●県
食品に関する危害という視点で考えた際に、指標として一番分かりやすいものが食中毒と思われるため、今回は安全目標として食中毒という指標で設定している。
○委員
安心目標の中の対象に事業者も入ってくるのか。
●県
そのとおり。事業者と消費者の両方を対象にした安心目標としている。
○委員
数値目標を立てるのは、具体的になっていいと思うが、目標数値のハードルが高いと感じた。安全目標の食中毒は、人口10万人あたり10人以下となっており、全国平均の約11人より下回るように設定したとのことだが、和歌山県と全国の食中毒の発生状況は、和歌山県の人口10万人当たりの患者数が36.9人と全国と比べてかなり多いという説明があったと思う。和歌山県の人口が少ないため、人口単位の患者数の振れ幅が大きくなると思うため、全国平均から取るのではなく、和歌山県の平均から取るのはどうか。
●県
和歌山県の過去10年で見ると、10人以下となっているのが、コロナウイルスによる影響が出始めた令和元年度から4年度の間に関しては10人以下となっているが、それ以外で見るとやはり多く、10年平均で見ても22.7人となっている。ただ、目標として、全国平均以下を目指すのは高い目標ではあるが、そこを目指してやっていければと思い、今回安全目標として設定している。
○委員
去年も集団食中毒が起きて人数が跳ね上がったということで、目標を事件数としてはだめなのか。1つの誤りで1つの事件なので、事件数の方が実際の状況を反映すると思う。
●県
事件数でみると、1件でも起きないようにするべきということもある中で、大規模なものを減少させ、なるべく患者の数を少なくしていきたいという認識で目標値を設定した。和歌山県の過去の状況を見ると、10人以下の年も10年に1回ぐらいはあるため、実現不可能な数でもないと思っている。小規模の食中毒が何度かあっても、人数が少なければこの目標は達成できる数字であり、尚且つ全国の過去10年平均が約11人であったため、10人以下と設定し、個別の取り組みを進めた結果として達成できればと思っているが、今日のご意見を聞いて、もう一度検討していきたいと思う。
○委員
集団食中毒をなるべく起こさないのが一番大切かも知れないが、事件数というのはその数だけの誤りがあったという解釈だと思う。集団食中毒1件起こして100人の患者が出てもそれは1つの誤りであり、どっちの指標も私は大事だと思う。ただ、目標に入れるのに両方入れるとややこしくなるため、そのあたりは皆さん議論して答えを出してもらえればいいと思う。
資料3:次期(第8次)アクションプラン策定方針(案)について(PDF形式 404キロバイト)
4.その他伝達事項(キッチンカー)について
●県
~資料4について説明~
○委員
この事例について、それぞれの委員でも広報お願いする。
資料4:その他伝達事項(キッチンカー)について(PDF形式 553キロバイト)