食中毒予防の三原則

食中毒予防の3原則

食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となります。

(1)つけない


手にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、次のようなときは、必ず手を洗いましょう。

  • 調理を始める前
  • 生の肉や魚、卵などを取り扱う前後
  • 調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後
  • おむつを交換したり、動物に触れたりした後
  • 食卓につく前
  • 残った食品を扱う前

また、生の肉や魚などを切ったまな板などの器具から、加熱しないで食べる野菜などへ菌が付着しないように、使用の都度、きれいに洗い、できれば殺菌しましょう。加熱しないで食べるものを先に取り扱うのも1つの方法です。焼肉などの場合には、生の肉をつかむ箸と焼けた肉をつかむ箸は別のものにしましょう。 食品の保管の際にも、他の食品に付いた細菌が付着しないよう、密封容器に入れたり、ラップをかけたりすることが大事です。

(2)増やさない


細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10度以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15度以下では増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。

また、細菌はネズミ算式に増えていきます。仮に、ここに1個の菌があり10分に1回分裂すると仮定すると、1時間後には64個、2時間後には約4千個、3時間後には約26万個に増える計算になります。
食中毒菌の種類や食べた人の状態にもよりますが、だいたい10万個から100万個まで菌が増えないと食中毒は起きないと言われます。いかにして喫食までの時間を短くするかが大切です。 時間の経過が大きなポイントとなりますので、買ってきた食品、また、調理の終わった食品は常温で長く放置しないようにしましょう。

(3)やっつける


ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。加熱できる食品は十分に加熱し、殺菌しましょう。食品の中心温度が75度で1分以上加熱することが基本です。中心温度計でチェックしましょう。
ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて殺菌しましょう。台所用殺菌剤の使用も効果的です。
冷蔵・冷凍することにより細菌の増殖はおさえられますが、死滅するわけではありませんので常温にもどせば活動を始めます。
冷蔵庫でも、ゆるやかに増殖する細菌もあり、過信は禁物です。

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