平成29年度食品衛生監視指導計画実施結果概要
和歌山県では、食品衛生法第24条の規定により、「平成29年度和歌山県食品衛生監視指導計画」を定め、県内で産出及び流通する食品・食品添加物・器具・容器包装等(以下「食品等」という。)の安全性を確保するため、計画に基づき監視指導を実施しました。実施結果の概要を取りまとめましたのでお知らせします。
(詳細は実施結果の全文をご参照ください。)
食品営業施設等の監視指導結果
食品関係営業施設に対し、延べ10,208件の監視指導を実施し、食品の衛生的な取扱いなどの指導を行いました。
また、このうち延べ8件の違反が発見されました。違反が発見されたもののうち食中毒が発生した5施設の事業者には、被害の拡大を防止するため営業停止命令を行うとともに、原因となった食品や発生機序を究明し再発防止措置を講じました。
食品等の検査結果
県内で産出又は流通している食品を収去又は買い上げにより、保健所、環境衛生研究センター及び登録検査機関で検査を実施しました。
平成29年度は、1,557検体について、38,226項目の検査を実施しました。このうち4件の違反が確認されたことから回収命令等の行政処分や指導を行い改善を図りました。
食中毒の発生状況
平成29年度における食中毒発生状況は、13件(うち8件は和歌山市)発生し、患者数が192名(うち44名は和歌山市)でした。
●平成29年4~12月
発生年月日 (初発) |
発生場所 (処理保健所) |
摂食者 (人) |
患者数 (人) |
死者数 (人) |
病因物質の 種類 |
原因施設 の種別 |
---|---|---|---|---|---|---|
6月24日 |
和歌山市 (和歌山市保健所) |
1人 | 1人 | 0人 | アニサキス | 魚介類販売業 |
7月28日 |
田辺市 (田辺保健所) |
143人 | 78人 | 0人 | サルモネラ属菌 | 飲食店(集団給食) |
8月28日 |
和歌山市 (和歌山市保健所) |
6人 | 4人 | 0人 | 腸炎ビブリオ | 飲食店 |
9月3日 |
紀の川市 (岩出保健所) |
10人 | 7人 |
0人 |
腸炎ビブリオ | 飲食店 |
9月16日 |
日高郡 (御坊保健所) |
14人 |
10人 |
0人 | カンピロバクター | 飲食店 |
9月20日 |
和歌山市 (和歌山市保健所) |
12人 | 6人 | 0人 | カンピロバクター | 飲食店 |
●平成30年1~3月
発生年月日 (初発) |
発生場所 (処理保健所) |
摂食者 (人) |
患者数 (人) |
死者数 (人) |
病因物質の 種類 |
原因施設 の種別 |
---|---|---|---|---|---|---|
1月17日 |
田辺市 (田辺保健所) |
7人 | 5人 | 0人 | カンピロバクター |
飲食店 |
2月5日 |
和歌山市 (和歌山市保健所) |
5人 |
3人 |
0人 | カンピロバクター | 飲食店 |
2月10日 |
和歌山市 (和歌山市保健所) |
7人 | 5人 | 0人 | カンピロバクター | 飲食店 |
2月11日 |
和歌山市 (和歌山市保健所) |
12人 | 9人 | 0人 | カンピロバクター | 飲食店 |
2月17日 |
和歌山市 (和歌山市保健所) |
4人 | 4人 | 0人 | カンピロバクター | 飲食店 |
2月22日 |
和歌山市 (和歌山市保健所) |
15人 | 12人 |
0人 |
ノロウイルス | 飲食店 |
3月8日 |
岩出市 (岩出保健所) |
181人 |
48人 |
0人 | サルモネラ属菌 | 給食施設 |
食中毒注意報の発令
●夏季における食中毒注意報
6月から9月までの間で食中毒が発生しやすい気象状態になった場合に、食品の取扱い及びその他衛生管理に関する注意を喚起し、食中毒の発生を未然に防止するため、食中毒注意報を2回発令しました。
【発令期間】
1回目 7月21日~22日(県内全域)
2回目 8月24日~25日(県内全域)
● 冬季におけるノロウイルス食中毒注意報
12月から翌年3月までの間でノロウイルス食中毒の発生が予測される場合に、注意報を発令し、食品事業者及び消費者に対して、食品の取扱いに一層の注意を促し、食中毒の発生を未然に防止するため、ノロウイルス食中毒注意報を1回発令しました。
【発令期間】
12月21日(発令)~1月26日(解除)(県内全域)
消費者及び食品事業者への情報提供
消費者を対象に「手洗い教室」、「食中毒予防講習会」等を開催し、正しい手洗いの方法や家庭における食中毒の予防方法等について講習会や説明会を実施しました。11回、延べ977名が参加しました。
また、食品事業者や給食関係者を対象に食中毒予防やHACCPの考え方に基づく衛生管理への取組の推進等について183回、延べ5,925名を対象に講習会を実施しました。