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掲載内容

子供の権利が守られる社会へ
さまざまな事情で家族と離れて暮らす子供が、県内には約400人います。そうした子供たちを自分の家庭に迎え、家庭の“ぬくもり”に触れる機会を提供する制度、それが「里親」です。
県では、深い愛情と正しい理解を持ち、家族に代わって子供を養育する里親制度を推進しています。里親に興味がある、里親として子供を育てたいという方は、お気軽にご相談ください。
里親登録世帯数の推移
平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | |
和歌山県 | 110 | 127 | 129 | 138 |
(紀北) | 93 | 107 | 108 | 117 |
(紀南) | 17 | 20 | 21 | 21 |


センター長
川口 則光 さん
里親支援センターほっと
里親支援センターほっとでは、家族と一緒に暮らすことができない子供たちに温かい手を差し伸べられるよう、里親制度の普及啓発に取り組んでいます。まだまだ里親制度を知らない方が多いのが現状ですが、制度を知ることで意識が変わり、里親になってみたいと考える方が増えてくると思います。
ほっとでは出前講座を実施しています。実際に話を聞いていただき、家族や知人に広げてもらいたいと思いますので、ぜひ出前講座を活用してください。

里親になるために特別な資格は必要ありません。里親登録前研修を受講された方で、子供の養育に理解・熱意と豊かな愛情をもっている方であれば、子育て経験がなくても里親になることができます。
里親の種類
養育里親 | さまざまな事情により家族と暮らせない子供を一定期間、自分の家庭で養育する里親 |
養子縁組里親 | 養子縁組によって、養親になることを希望する里親 |
専門里親 | 虐待や非行、障害などの理由により、専門的な支援を必要とする子供を養育する里親 |
親族里親 | 両親が死亡するなどして養育できなくなった場合、祖父母などの親族が子供を養育する里親 |
里親委託後の支援
(1)子供の養育に必要な経費が毎月支給されます。
●養育里親の場合
里親手当一人当たり 9万円/月
生活費乳児 約6万円/月
乳児以外 約5万2,000円/月
※その他、教育費や医療費なども支給
(2)支援者が里親家庭へ訪問し、里親からの相談に応じます。
(3)里親の一時的な休息(レスパイト)のためのケアがあります。
子供を迎え入れるまでの流れ


お気軽にお問い合わせください
県子ども・女性・障害者相談センター(中央児童相談所)
電話073-445-5312 和歌山市毛見1437-218
里親支援センター「なでしこ」 電話0736-69-1004 岩出市中迫667-1
里親支援センターほっと 電話0739-34-2735 西牟婁郡上富田町岩田2456-1
※紀南児童相談所、紀南児童相談所新宮分室でも受け付けています。
県児童相談所の児童虐待相談件数の推移

児童虐待は、身体的虐待・性的虐待・ネグレクト(育児放棄)・心理的虐待の4つに分類されます。
令和元年度、県内の児童相談所への児童虐待相談件数は1,691件と過去最多となり、全国でも子供の命が失われる事件が起こるなど、深刻な問題となっています。
こうした状況を踏まえ、児童福祉法等の改正法が令和2年4月1日に施行され、新たに体罰が許されないものであることが法定化されました。

こんなことしていませんか
・何度も言葉で注意したけど言うことを聞かないので、頬をたたいた
・いたずらをしたので、長時間正座をさせた
・宿題をしなかったので、夕食を与えなかった
これらはすべて体罰です
体罰等が繰り返されると心身の成長に悪影響が生じる可能性があります。子供が健やかに成長するためには、体罰等に対する意識を一人ひとりが変えていかなければいけません。
しつけと体罰の関係
しつけとは、子供の人格や才能などを伸ばし、自律した社会生活を送れるようにサポートしていくことです。たとえしつけのためだと思っても、心身に何らかの苦痛や不快感を意図的に与える行為は、軽いものでも体罰に該当します。
体罰等によらない子育てのための工夫のポイント

子供の気持ちや考えに耳を傾けましょう
・相手に自分の気持ちや考えを受け止めてもらえたという体験によって、子供は気持ちが落ち着いたり、大切にされていると感じたりします。
・子供に問いかけや相談をしながら、どうしたら良いかを一緒に考えましょう。


「言うことを聞かない」にもいろいろあります
・保護者の気をひきたい、言われていることを理解できていない、体調が悪いなど、さまざまです。
・「イヤだ」というのは、子供の気持ちです。こうした感情を持つこと自体はいけないことではありません。重要なことでない場合、今はそれ以上やり合わない、というのも方法の一つです。


肯定文でわかりやすく、時には一緒に、お手本に
・「ここでは歩いてね」など、肯定文で何をすべきかを具体的に、穏やかに子供に話すと伝わりやすくなります。
・「一緒におもちゃを片付けよう」と共に行ったり、やり方を教えたりするのも良いでしょう。


良いこと、できていることを具体的に褒めましょう
・良い態度や行動を褒めることは、子供にとってうれしいだけでなく、自己肯定感を育むことにもなります。
・結果だけではなく、頑張りを認めて褒めることも大切です。

虐待かもと思ったらご相談ください
児童相談所 全国共通ダイヤル
虐待対応ダイヤル【無料】電話189(いちはやく)
相談専用ダイヤル【有料】電話0570-783-189(なやみ・いちはやく)
相談時間:いずれも毎日 24時間