季節的な貝類の毒化(貝毒)

主に春から夏にかけて、二枚貝などが毒化することがあります。

潮干狩りなどをされる場合は、貝毒の発生状況に注意しましょう。

1 貝毒とは

 貝毒とは、二枚貝などの動物が体内に蓄積する有毒物質のことをいいます。いくつかの種類に分類されますが、日本国内では主に麻痺性貝毒下痢性貝毒による食中毒が発生しています。

 貝毒は、貝類ではなく海中を浮遊する特定種の植物プランクトンが産生しており、そのプランクトンを貝類が食べて体内に蓄積することで毒化していきます。貝毒発生は主に春先から夏にかけて多くなりますが、その他の季節に発生することもあります。

麻痺性貝毒

 食後約30分までに、舌やくちびるにしびれやピリピリした感覚があらわれ、症状は次第に顔面や指先などに広がっていきます。場合によっては全身の運動失調や発話困難、呼吸麻痺などに至る場合もあります。

 貝毒の存在を外見から判断することはできず、加熱によっても毒力は失われませんので、毒化した貝類の摂食を避けるよりほかありません。

下痢性貝毒

 食後30分から数時間で下痢、嘔吐、腹痛などの消化器系症状があらわれます。症状の発現後は、比較的早く回復します。

麻痺性貝毒と同じく、貝毒の存在を外見から判断することはできず、加熱によっても毒力は失われませんので、毒化した貝類の摂食を避けるよりほかありません。

2 毒化する可能性のある水産物

 貝毒を生産する植物プランクトンが発生している水域では、それらをえさにする水産物はすべて毒化する危険性があると言えますが、主なものは次のとおりです。

二枚貝

  • ホタテガイ

  • アサリ

  • マガキ(カキ)

  • ムラサキイガイ

その他

  • マボヤ(ホヤ)

3 貝毒の発生状況を知るには

 和歌山県では、海中の有毒プランクトンの発生状況を調査し、貝毒の発生を予想しています。また、貝類の検査を行って、貝毒が検出された場合には採捕・出荷の自主規制をお願いしています。

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