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掲載内容



生産販売

県オリジナル品種の普及

 試験研究だけでなく、新品種や新技術を生産現場へ伝え、産地づくりを支援するとともに、地域の課題や要望を把握することも重要です。県では、振興局農業水産振興課に普及指導員を配置し、地域と行政を結ぶ普及活動などを積極的に行っています。

インタビュー

大原 康平 さん(「紀州てまり」を栽培)

 「紀州てまり」は、「刀根早生」の収穫後に、切れ目なく収穫できる甘柿として貴重な品種です。人気も高く、大阪での販売イベントでは、あっという間に完売するほど盛況でした。大玉で美しいので、進物用としても喜ばれます。

柿を観察している様子の画像
普及指導員とともに「紀州てまり」の育成状況を確認
 今後も普及指導員や地元の4Hクラブ(農業青年クラブ)などを通じて、新品種の育成情報を得たり、現場の情報を提供しながら、「紀州てまり」をはじめ、より美味しい柿を栽培したいと思います。

紀州てまりの画像
大原 康平 さんの画像

上田 誠治 さん(「ししわかまる」を栽培)

 令和2年から「ししわかまる」の試験栽培を始め、2作目となる昨年は、普及指導員の助言で、主枝を上から吊り下げる誘引法を導入しました。
 その結果、収穫時の姿勢が楽になり、さらに、株の中まで光が当たるため、ししわかまるの画像まっすぐな形の実が収穫できるようになり、また、病気の発生も減りました。
 今後も、近隣農家と協力し、辛くない期待の新品種「ししわかまる」を盛り上げていきたいと思います。

上田 誠治 さんの画像

宮本 遼 さん(「きゅうき」を栽培)

 農業に興味があり、県農林大学校の社会人過程を経て就農しました。
 現在は、農業次世代人材投資資金の交付を受けながら、主にみかんを栽培しており、普及指導員のアドバイスなどを参考に、品種特性に応じた栽培方法を試行錯誤しています。
 「きゅうき」は、苗木を植えて6年目ですが、皮と実の間に隙間ができる浮皮になりにくいため、果実が傷まず長持ちするなどの利点があります。
 今後は、成熟期の遅い晩生みかんも積極的に導入したいと考えています。

宮本 遼 さんの画像

販路開拓も進んでいます

ベトナム向け温州みかん輸出 出発式の画像

日本で初めて和歌山からベトナムに温州みかんを輸出

 県では、新たに育成された新品種の認知度向上のほか、従来品種の販路開拓も進めており、糖度基準を満たしたみかんの厳選出荷や首都圏でのプロモーション、海外輸出の強化などを行っています。

東京ビッグサイトの和歌山ブースの画像
東京ビッグサイトで、県産農産物の“美容”
に関する機能性の魅力を発信
首都圏の高級百貨店に並ぶ紀州てまりの画像
首都圏の高級百貨店で「紀州てまり」を
PR販売
光センサー選果でみかんを厳選している画像
JAと連携して、光センサー選果により
糖度基準を満たしたみかんを厳選出荷

リキュール類で全国初のGI指定!!

問い合わせ:県庁食品流通課 電話073-441-2814

 令和2年9月、「和歌山梅酒」がリキュール類では全国初となる酒類の地理的表示(GI:Geographical Indication)の指定を受けました。
 GIとは、地域で長年育まれた伝統と特性を有し、その品質等の特性が生産地と結びついている農林水産物や食品の名称を知的財産として保護するもので、県では、「紀州金山寺味噌」や「わかやま布引だいこん」も登録されています。
 今回は、「果樹王国」和歌山の梅で作られた「和歌山梅酒」を紹介します。

和歌山梅酒とは、本格梅酒(うめ・糖類・酒類のみを原料とする梅酒)のうち、県内で収穫された新鮮な青梅または完熟梅のみを使用するなど、一定の生産基準により品質が保証されているものとして「GI和歌山梅酒管理委員会」の審査で認められた梅酒。

様々な梅製品の画像
世界に誇る和歌山の梅
 全国の生産量の6割以上を占める本県の梅は、みなべ・田辺地域を中心に生産され、その生産システムは「みなべ・田辺の梅システム」として、世界農業遺産に認定されています。
 そのような、世界に誇る和歌山の梅で作られた梅酒が、生産地の特性と品質が結びついた信頼のブランドとして認められ、GI指定を受けることができました。
和歌山梅酒のPR
梅酒マッピング図の画像 県では、本格梅酒を辛口~甘口、芳醇(じゅん)~淡麗で分類し、好みの味を選択しやすいよう作成した「梅酒マッピング図」を活用し、認知度の向上や海外への販路開拓などに取り組んでいます。
梅酒マッピング図のページへリンク
和歌山梅酒の品質
 梅酒製造関係者などによる「GI和歌山梅酒管理委員会」の審査をクリアした梅酒だけが GI和歌山梅酒のロゴマーク「和歌山梅酒」に認定され、確かな品質が保証されたものとして、統一のロゴマークを表示できます。


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