猫の問題を減らしたい ~地域猫対策とその支援
野良猫の糞尿で迷惑している、アレルギーがつらい…
かわいそうな猫を助けたいが、猫が増えても困る…
このような猫にまつわる地域の問題を減らしていくための方法の一つとして、地域猫対策があります。和歌山県では、条例により地域猫対策を推進しています。
1 地域猫対策とは
猫を不要なものとして排除するのではなく、今いる野良猫を命あるものとしてとらえ、うまくつきあいながら、その数と、糞尿などの被害を減らそうとする対策です。
県が推奨する地域猫対策の基本的な考え方は、次のとおりです。
- 猫を排除するのではなく、命あるものとして取り組むこと
- 飼い主のいない猫の数が増えないよう、不妊去勢手術を行うこと
- 猫の問題を地域の問題としてとらえ、住民が主体的に取り組むこと
- 地域の飼い主が猫を適正に飼うことが前提となること
- 猫が好きではない人や、猫をはじめ動物を飼っていない人の立場を尊重すること
- 飼い主のいない猫からの被害を受けないための対策もとっていくこと
2 地域猫対策の認定と県からの支援(手術券など)
県条例の基準にもとづき、保健所長の認定を受けた地域猫対策活動については、県の予算の範囲内において手術券などの支援を受けることができます。
地域猫対策活動の認定を受けるには
次のような条件を満たす活動については、保健所に申請すれば条例の基準に合う地域猫活動として認定を受けることができます。あらかじめ保健所担当者にご相談ください。
- 周辺住民・周辺テナントや自治会・区などに活動内容を説明していること
- 対象となる猫を特定し、個体識別ができていること
- 対象となる猫すべてに飼い主がいないことを確認済みであること
- 対象となる猫すべてに不妊去勢手術を実施する予定であること
- えさを与える場合、えさやりとトイレ設置を計画的に行うこと
- 周辺からの苦情に対しては真摯にとりくむこと
- その他、関係法令を遵守すること
県からの支援の内容
上記の認定を受けた活動である場合、保健所に申請すれば次のような支援を受けることができます。なお、手術券については年度ごとの県の予算の範囲内となります。
- 不妊去勢手術にかかる無料手術券の交付
不妊手術と耳先V字カットに対する手術券です(指定の動物病院に限ります)。手術以外のアフターケア等に必要な費用は自己負担となりますのでご注意ください。
- 認定を受けた地域猫活動であることを示す標章及び腕章の交付
- 不妊手術目的による捕獲おりの貸し出し
- 超音波式の猫被害防止機器の試験的貸し出し
3 猫の問題は、猫だけの問題ではないことも
なぜそこに猫がいて糞尿などをしていくのか、なぜそこにえさを与えるだけの人がいるのか、なぜそこに猫が居着いてそこで増えるのか、そういったことをつきつめていくと、猫による迷惑の問題は猫だけの問題ではないことに気がつくこともあります。
- ごみの出し方の問題
- 高齢化の問題
- 空き家の問題
- こころの健康の問題
- 動物を飼うことに対する意識の問題
- 地域内のコミュニケーションの問題
住みよい地域づくりをめざし、さまざまなアプローチから猫と地域の問題を解決していきましょう。