HACCPに沿った衛生管理の制度化

 食品衛生法が平成30年6月に改正され、すべての食品営業における衛生管理についてHACCPに沿った衛生管理を実施することが義務化されました。現在、その施行に必要な政令・省令ならびに県条例の改正作業が行われています。

HACCPとは

 HACCPは食品の安全に特化した衛生管理のためのシステム(仕組み)です。計画、点検とその記録を中心とした文書管理のシステムで、製造環境の衛生管理に加えて「製造工程の衛生管理」を行うことが特徴です。

  • 原材料検収から出荷・提供にいたるまでに起こりうる食品安全上の危害要因の分析
  • 分析結果に基づいて、危害要因を取り除くために必要な衛生管理方法を計画(文書化)
  • 計画した衛生管理の実施と、継続的な点検および記録
  • 衛生管理計画の検証と修正、再実行

 このことにより、「製造工程における決められた衛生管理を無事に通過してきた食品ならば、安全を十分に担保できる」と判断することができます。

制度化される内容

 次のいずれかの衛生管理を行うことが営業者の義務となります。許可を要しない食品営業(届出営業)も含まれます。

  • HACCPにに基づく衛生管理(コーデックスHACCP)・・・大規模事業者等
  • HACCPの考え方を取り入れた衛生管理・・・小規模事業者等

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」で求められるもの

 いわゆる「コーデックスHACCP」ではない方の衛生管理において求められる内容は、次のふたつが柱です。

  • 衛生管理計画の作成(文書化、見える化
  • 衛生管理の点検記録きいちゃんが調理している絵

 「衛生管理計画の作成」というと、一から新しいものを作らなければならないようなイメージがありますが、各団体等が作成している手引書を参考に「いまやっていることを紙に書く(見える形にする)」作業であると言えます。難しく考えず、最初はいまやっていることをそのまま計画として書き出していくのがよいでしょう。

 また、「衛生管理の記録」というと、多くのことをチェックして煩雑ではないかというイメージもありますが、「今日一日通常どおりできたことを確認する日誌」的なものにまとめることも可能ですので、慣れれば難しくはありません。
 基本的な考え方や、計画および記録簿作成の省力化につながる作成例などを示した「手引書」が業種ごとに公表されていますので、それを参考にしながら取り組んでみてください。

関連リンク

このページの先頭へ