関空・紀淡・四国高速交通インフラ

Infrastructure

様々な視点からの比較・分析

1.協議会構成10府県の人口、域内総生産(名目)の全国シェアは低下している

四国新幹線

関空・紀淡・四国高速交通インフラ協議会を構成している10府県の人口と域内総生産(名目)の過去30年からの全国シェアの推移を調べたグラフです。
人口、域内総生産のいずれにおいても、構成10府県の全国シェアが低下傾向にあるのがわかります。


2.高速道路は大都市と国土軸を中心に進められ、この域内での整備は遅れた

高速道路建設の推移

次に、全国の高速道路建設の過去からの推移を見てみると、1973年時は、 東京から大阪間で高速道路が出来はじめたくらいですが、これが、1982年になると、 東北や中国・九州地方まで範囲を拡大しています。
1991年になると、西日本の一部を除いた全国各地で高速道路が出来ているのがわかります。
2012年には、ほとんどの地域で高速道路が整備され、高速道路が整備されていない地域は、緑で囲んだ地域だけとなっています。


3.高速道路整備が遅れた地域は、工場立地が進まず、発展のチャンスが失われた

高速道路整備が遅れた地域と工場

続いて、高速道路整備が遅れた地域と工場立地件数との関係で見てみると、高速道路整備が行われてきた地域には、多くの工場が立地されてきたことがわかります。
反対に、高速道路整備が遅れてきた地域(図の高速道路空白地)では工場立地も進展しなかったことがわかります。
人口増加率においても、平成12年から平成22年までのワースト県は図のとおり秋田県、青森県、和歌山県、高知県といった順位になっており、これは高速道路空白地と重なっています。
これらのことから、高速道路整備が遅れた地域では、工場立地が進まず、発展のチャンスが失われてきたことがわかります。


4.高速交通インフラの有無は、都市の人口と密接に関連している

高速交通インフラの有無は、都市の人口

また、高速道路をはじめとした高速交通インフラの有無は都市の人口とも密接に関連しています。
江戸時代、人や物資を大量に早く運ぶ高速交通網は、廻船であり、江戸上方航路や瀬戸内航路の寄港地であった徳島市、和歌山市には多くの人が集まっていたことが明治9年の都市人口順位でもわかります。
ところが、明治以降、特に戦後以降、高速道路が海路に変わって発展したため、人や物資の移動が海路から道路中心へと変わったことによって、平成22年の徳島市、和歌山市の人口順位を見てみると、大きく低下したことがわかります。


5.関東に比べ拡がりを欠く関西

関東に比べ拡がりを欠く関西

関西と関東を平野という観点で比較してみると、大阪平野は、三方を六甲山地、生駒山地、和泉山脈に囲まれ、広がりを欠くかたちになっています。右の大阪平野の図でみると、緑で囲まれた部分です。
一方、東京の関東平野の面積は、大阪平野に比べ約6倍の広さがあります。
さらに、東京は平野が広いだけでなく、道路の整備状況で見ても、東京を中心に関東一円に広く張り巡らされています。
これらのことから、東京は、関東一円を広く活用できているのに対し、大阪は近畿一円を広く活用できていないということがわかります。


6.関西と関東の道路網の比較

関西と関東の道路網の比較

関西と関東とを4車線以上の道路網で比較して見ると、関西の道路整備は大阪の中心部に集中したかたちとなっていますが、関東の道路整備は東京を中心に周辺地域へ放射状に整備されているのがわかります。
関西に比べて関東の方が、人や物資の移動に便利な環境整備が整っています。


7.関西国際空港の現状

関西国際空港の現状

関西の海外からの拠点である関西国際空港では、24時間空港であることや、成田や羽田に比べアジアに約1時間近い、というメリットを活かし、近年、LCC(格安航空会社)路線の拡大により、平成26年度の発着回数及び外国人旅客数が過去最高となるなど、国内外からの航空旅客数が増加しています。


8.関空と他の主要空港とのアクセス比較

関空と他の主要空港とのアクセス比較

ところが、この関西国際空港と世界の他の主要空港との都心からの交通アクセスを比較してみると、左の図でわかるように、世界の主要空港の大半は、都心から距離で10km~40km、所要時間10分~30分の範囲内にあるのに対し、関西国際空港の都心からのアクセスは距離で57km、所要時間では50分という状況になっています。
したがって、世界の他の主要空港と同じくらいアクセス条件が良くなれば、更に多くの航空旅客数の増加が見込まれます。


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