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掲載内容


知事メッセージ 県民の皆様へ ニサカ知事の写真
嫌われても未来のために
 和歌山県もようやく高速道路が次々と完成し、四車線化も進んでまいりました。地域の発展には、その条件として、その地域がどれだけ便利かが問われ、この車時代に高速道路が未完成で不便という地は、企業誘致でも投資でも観光でもどんどん不利に扱われます。それが分かっていたからこそ、あの民主党政権時代の「コンクリートから人へ」の大合唱で足を引っ張られながら、その一日も早い完成に努力し、先日最後の新宮道路の用地幅杭設置式を挙行するに至りました。その式の来賓としてご出席の二階俊博衆議院議員が、遅れた理由の一つは、用地取得に時間がかかり、それは行政が嫌われるのをいやがって法律で定められた取得手続を逡(しゅん)巡するからだと指摘されました。私はその通りだと思います。
 公共事業の場合、話し合いで用地取得が合意できないときは、一定の条件下で収用手続が取れるのですが、行政も政治もなかなかそういう手荒なことはしたがりません。嫌われるのはいやだから、行政の対応は遅れがちになるし、選挙で選ばれる首長は、特に人に嫌われることはしたくないと思われます。
 しかし、それでは進みません。地域の未来の発展のためには、嫌われても我々行政は必要な手続を進めないといけません。私は知事に就任以来、責任は取るから、私の評判が落ちてもいいから話はどんどん進めよう、それが地域と大勢の人の未来に繋(つな)がるのだからと職員に言って頑張ってもらいました。トップが波風を立てて嫌われるのがいやで消極的だったら熱心な職員も立つ瀬がありません。
 また、嫌われるといえば、先ほどの「コンクリートから人へ」のように、ある時代の支配的な世論(「風」)になっていることも、それに逆らうことは勇気がいります。多くの人に嫌われるからです。しかし、県の未来のためには、勇気をもって主張することも知事の務めだと思ってやってまいりました。あの時、勇気のある政治家も風に逆らってくれました。そして高速道路の建設は進みました。
和歌山県知事 ニサカ ヨシノブ
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