七川ダム管理事務所

七川ダム下流面空撮

七川ダム上流面空撮    七川ダム全景 

七川ダム放流    七川桜

お知らせ

特にこの時期は、下流部で雨が降っていなくても、上流部の集中豪雨により、河川の水位が急上昇する恐れがありますので、水際での行楽や作業には十分ご注意下さい。

  • 事前放流について。

七川ダムでは、台風の接近や大雨が予想される場合には、事前にダムの水位を下げて洪水に備えるために事前放流を行っています。まだ天気が晴れている間から事前放流を開始することがありますので、放流サイレンや警報局・警報車からの通知にご注意下さい。事前放流について詳細はこちら(PDF)

七川ダムの基本情報

古座川は新宮市(旧熊野川町)・田辺市(旧大塔村)・古座川町に跨る大塔山系から発する二級河川で、途中で日本のエアーズロックと称される古座の一枚岩を経て、一大支川の小川(こがわ)を合流し、熊野灘に注ぐ流域面積358km2、流路延長56kmの二級河川です。
流域は年間降水量3500mm、最大日雨量400mmの多雨地帯で、ダムができるまでは毎年のように洪水による被害を受けていました。
七川ダムは和歌山県が古座川総合開発の一環として昭和28年から着工し、昭和31年3月に完成した県下初の補助ダムで、洪水調節と水力発電を目的とした多目的ダムです。
七川ダム貯水地周辺はソメイヨシノやクマノザクラが多く植樹されており、県下有数の桜の名所として春になると見事な桜を見ることができます。
七川ダムの諸元
形式 重力式コンクリートダム
集水面積 102平方km
湛水面積 1.79平方km
堤高 58.5m
堤頂長 154m
堤体積 約9万6千立方m
総貯水量 3080万立方m
水門設備 非常用洪水吐 クレストローラーゲート
幅8.5m×高14.8m×2門
常用洪水吐 コンジットゲート
(油圧式高圧スライドゲート)
幅2.59m×高さ2.59m×1門
水力発電(佐田発電所) 認可最大出力7200kW/毎秒16立方m

土木学会選奨土木遺産

七川ダムは、コンジットゲートに国産の油圧式高圧スライドゲートを設置した最古のダムとして、令和元年に土木学会選奨土木遺産として認定されました。
ダムのコンジットゲートは、水深数十メートルの位置に設置されます。そして高い水圧に耐えて確実に開閉できる性能が必要なので、現代でも油圧式スライドゲートやその派生形式、改良形式が採用されることが多いです。
 
七川ダムコンジットゲート
写真.1 七川ダムのコンジットゲート
 
七川ダムコンジットゲート機械
写真.2 コンジットゲートの油圧式シリンダー(ダム内部)
 
機械銘板
写真.3 油圧式シリンダーの銘板(昭和30年製造)
 
現代では一般的となった油圧式コンジットゲートですが、七川ダムが計画された昭和20年代は日本のダム史における油圧式コンジットゲートの技術黎明期であり、国内初の事例として昭和29年に竣工した田瀬ダム(岩手県)において、アメリカ合衆国から輸入された油圧式コンジットゲートが設置されました。
 
そこから数年後の昭和30年、七川ダムに国産品第一号(※)の油圧式コンジットゲートが設置されました。
 
同年に、五十里ダム(栃木県)でも国産の油圧式コンジットゲートが設置されており、当時の国内水門メーカーが数年でアメリカ合衆国の技術を吸収していったことが伺えます。(なお製作メーカーは七川ダムと異なり、七川ダム:田原製作所、五十里ダム:酒井鉄工所)
 
※七川ダムと五十里ダムの油圧式コンジットゲートは同じ昭和30年製ですが、月が不明です。もしかすると五十里ダムの方が国産品第一号の可能性もありますが・・・同着一位と考えています。
 
七川ダムコンジットゲート展示
写真.4 更新で退役した油圧シリンダーの展示
 
七川ダムでは、令和6年度に油圧式コンジットゲートの更新工事を行い、昭和30年製造の油圧式コンジットゲートのうちの一部である油圧シリンダーを新しいものに取り換えましたが、このように七川ダムの油圧式コンジットゲートは日本のダム史における大きな歴史的意義がある物でありますから、取り外した油圧シリンダーはダム管理事務所敷地内で展示を行っております。
 
ご来訪の際は、ダムと併せてこちらも是非ご覧ください。
 
なお、油圧式コンジットゲートのうち、油圧シリンダー以外のコンジットゲート扉体やボンネットカバー等については、昭和30年製造の機体が今後も引き続き活躍していきます。

ダムカードの配布について

七川ダムに来訪された方のみに1人1枚配布いたします。

配布を希望される方は、ダム管理事務所にお越しください。

休日は宿直員が対応しますので、玄関インターホンか事務所電話番号(0735-76-0009)にご連絡ください。

なお、在庫状況により配布できない場合があります。

また、郵送等での配布は行っていません。このため、返信用封筒を郵便ポスト等に置いていかれても対応できませんのであらかじめ御了承願います。

2025年7月29日よりダムカードバージョン4.0を配布しております。

七川ダムカード

ダムへのアクセス

国道42号から七川ダムに至るアクセスには、主に3ルートあります。
 

(1)紀勢自動車道すさみICから、県道38号すさみ古座線(古座川・佐本方面)~国道371号(串本方面)で約28km/45分。[GoogleMapルート(外部リンク)]

 大阪方面からは最も近いルート。一部狭い区間はありますが、ここ数年で新しいトンネルが開通してかなり走りやすくなりました。現在工事中のトンネルが開通すればさらに走りやすくなります。
 

(2)国道42号串本町高富交差点から、国道371号(七川方面)で約20km/30分。[GoogleMapルート(外部リンク)]

 ほぼ全線がセンターラインのある二車線道路。大型車両はこのルートが一番です。
 

(3)国道42号串本町西向交差点から、県道38号すさみ古座線、国道371号(平井・佐田方面)で約23km/30分。[GoogleMapルート(外部リンク)]

 名古屋方面からは最も近いルート。JR古座駅付近の踏切が狭隘ですが、現在改良工事中です。この区間の改良が済めばほぼ全線がセンターラインのある二車線道路になります。

関連ファイル

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