平成23年度伊都地方人権尊重連絡協議会の取組

伊都地方人権尊重連絡協議会の取組

「伊都地方人権尊重連絡協議会」では、普段の生活における身近なテーマから人権問題に気づき、様々な人権問題を自分自身の問題として考える機会を提供し、人権意識を高めるための取組をしています。

平成23年7月14日(木曜日)かつらぎ総合文化会館内AVホールにおいて、人権トーク「なまえをかいた」を開催しました。当日は約190名の皆様に参加いただきありがとうございました。

お話をしていただいたのは、吉田一子さん((補足)「吉」の上部は「士」ではなく「土」)と娘の清水順子さんです。
富田林市にお住まいで、現在86歳の吉田一子さんは、幼くして実の母親と育ての母親を亡くし、差別と貧困のために、学校に行くこともできませんでした。
吉田さんは、11歳からずっと働いてきたため、60歳を過ぎるまで全く読み書きができず、自分の名前さえ書くことができませんでした。識字教室で、鉛筆の持ち方から習いはじめ、やがて、過去に銀行で自分の名前を書けなかったため年金が下ろせず悔しい思いを綴った作文などが書けるようになりました。
また、清水順子さんは、吉田さんが文字との壮絶な格闘をされていた姿を傍らで見つめてきました。
お二人のお話を聞いていただいたのは、浮穴正博さん(現大谷大学非常勤講師。富田林市立人権文化センターで吉田さんが通っていた識字教室の元責任者)です。お二人の自らの体験話を通じて、識字の大切さや文字を学ぶことは人権であるということをみなさまに考えていただきました。

研修に参加していただいた方のご意見と感想

  • 字をかくということはあたりまえの事と思っていましたが、そのあたりまえのことが出来ない人がいることにびっくりしました。あたりまえのことがあたりまえにみんなが出来るような世の中であってほしいと思いました。
  • 落書きに対して文字を冒とくしているという怒りを感じたのは始めてです。六十を過ぎてから勉強を真面目にされていて頭が下がります。私は字を知らない、という事がよくわからなかったのですが、これからは字を大切にしたいと思います。
  • 識字学級の場で、小学生のようにひら仮名から教えてあげるのが良いのか、自分の名前と住所をまず書けるようになるのが良いのか。また、今まで学校で学ぶ事があたり前の事だったのが、あたり前でなかった時代もあったという事を改めて学ぶ事が出来ました。
  • 文字を読み書きできないというのは、たいへん不便で不自由だと思う。気持ち的にも引きこもってしまうと思う。文字の大切さは言うまでもない。思いを表現し、それを人に伝えるという意味でもとても大切なものである。しかし、思いを表現し、伝えるという観点からは、文字よりも大切なものがある。それは「言葉」である。「語らい」である。人間社会の中で最も大切なのは、相手を理解しようという気持ち。人を思いやる心であると考える。映像の中で登場していた富田林市の子どもたちを見て日本の将来も安心できると思った。よい研修会に参加させてもらってよかった。
  • 日本の識字率は高いと思っていました。吉田さんのような方がおられること驚いています。60才で字を学ぶまでの間、どのように過ごされてきたかと思います。読み書きがあたりまえでないという現実があること、ショックでもありました。吉田さんも清水さんもたくさんの御苦労があったでしょうに明るくトークされているのが素敵でした。
  • 当たり前の事と思っている事が実は本当に恵まれているという事を思い知らされた。大変明るい(明るくなられた)なった事はご自身で切り開いた勇気に感動しました。今回の様な形は大変よかったです。
  • 「一生、勉強」という言葉を思い出しました。人は、何かしら目標を持つことにより、イキイキと輝くものなのですね。
  • 86才でまだ勉強する事に意欲見せていただき、自分はまだまだだなと思い気づかせていただきました。
  • 吉田さんの顔の表情はとてもいい表情で、これまで生きてきた証のように感じました。ただこんな型でこの人のことを取り上げる必要があるのか疑問。多分識字学級のことを広く知ってもらいたいという意味なのだろうが、私にとってはこの研修会の意義は感じられなかった。
  • 映像だけでなく、本人のトークがあり、よかったと思います。市役所の人の立場に立って考えると前向きに生きている姿に感銘を受けました。
  • よかった。本人からの生きた言葉は重い。実際に話が聞けて良かった。
  • その他、参加してほんとうに良かった。大変感動した。感銘したなどのご感想、ご意見が多数あり。

平成22年度の取組はこちら

啓発活動について

このページの先頭へ