Koyasanchoishimichi Tamagawakyo Wakayama natural Park高野山町石道玉川峡県立自然公園
自然の「風景美」と「歴史」を学ぶ

高野山町石道玉川峡県立自然公園を紹介INTRODUCTION
高野山町石道玉川峡県立自然公園はどんなところ
玉川峡、高野山町石道、宝来山神社の3地域からなり、自然の風景美と歴史を楽しむことができる県立自然公園です。
玉川峡は丹生の滝をはじめとした大小の滝を連ねる渓谷景観を有し、紅葉の名所、ホタルの飛び交う清流としても知られています。
高野山町石道は、鎌倉時代に皇族や僧侶、有力な武士などが寄進した石造の道標220基が約100メートル間隔で建ち並ぶ古道で、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されており、沿道に慈尊院、丹生都比売神社などの史跡が見られ、歴史や伝説に導かれて訪れる人々が多いところです。
おすすめシーズン
高野山町石道- 新緑は5月上旬~中旬
- 紅葉は10月下旬~11月上旬
- 1月中旬~2月中旬には積雪があり、初心者向きの雪山ハイクが楽しめる
- 春は桜、夏は川遊び、秋には紅葉と、四季折々の美しい景観が楽しめる
- 紅葉は11月上旬~下旬
登山者向けガイド
*県立自然公園内を通る一般的なルートをご案内しております。
*このほかにもルートはありますので、ご留意ください。
高野山町石道の登山ルートを紹介ACCESS

鉄道・バス
【往路】南海高野線九度山駅
【復路】千手院橋バス停から南海りんかんバスで南海高野山ケーブル高野山駅へ
マイカー
京奈和道高野口ICから国道24号、県道13号で道の駅柿の郷くどやまへ。
道の駅に駐車後、周遊ルートを歩き、帰路に、鉄道・バスを利用して戻る。
難易度 | 体力度 | 歩行時間 | 歩行距離 | 標高差 |
---|---|---|---|---|
★ ★ ☆ ☆ ☆ | ★ ★ ★ ★ ☆ | 6時間55分 | 20.1km | 774m |

登山ルートの説明
~ そもそも『高野山町石道』とは? ~
高野山町石道は、弘法大師空海が高野山を開いたとき、参詣者の案内のために木製の卒塔婆を立てたことが始まりとされています。
その後、老朽化により、鎌倉時代に石造りのものに建て替えられました。
現在、壇上伽藍の根本大塔を中心に、慈尊院までの百八十町、奥の院までの三十六町の道筋に、梵字と町石を刻んだ石塔が1町ごとに立ち並んでおり、合計216基のうち179基が建立当時のまま残っています。
※1町=約109m
鉄道・バスの方
南海九度山駅から前の五ツ辻を直進し慈尊院へ向かいます。
マイカーの方】
道の駅柿の郷くどやまへ駐車後、慈尊院へと向かいます。
鉄道・バス、マイカーの方
慈尊院から丹生官省符神社へ導かれる119段の石段を登る途中(34段目)に最初の町石「百八十町」が立てられています。
丹生官省符神社をあとにし、町石に導かれながら、谷沿いの道を進み、果樹園の間を登ると展望台にたどり着きます。
展望台からは紀の川、和泉山脈の眺望が開けており、ここで小休憩をはさんでみるのも良いでしょう。
休憩後、なおも果樹園の間を通り、樹林帯に入ると、緩やかな起伏の町石道が続き、やがて4方向に道が通ずる六本杉峠に出ます。
まっすぐ進めば笠松峠、その左手の道が天野への道となっているが、ここは左手前の道へ進んでいきます。この道は、町石道で最も美しいとされるコースです。
5分ほど進むと、百三十三町石のある分岐に出るので、これを右に進んでいくと、百二十四町石の古峠、二ツ鳥居へと導かれます。眼下に広がる天野の里を眺めながら緩やかな下り道を進み、右手に応其池、左手に神田の地蔵堂を経て、ゴルフ場との境界線をたどると八十六町石が立つ笠木峠に着きます。
笠木峠を右へ、こちらも高低差のない緩やかな道を進むと、やがて矢立峠にたどり着きます。
矢立峠を車道を横断する形で下っていくと、五十町坂の登りにかかり、袈裟掛け岩や押上岩など弘法大師空海を感じることができる道が続いていき、再び車道にでるため、これを横断すると四十町石に着き、すぐ下に展望台があります。
右手の展望が開けた杉並木を進み、「この石の角に座って真言(しんごん)を唱えると、願いが成就する」と言われている、表面が鏡のように平らな鏡石を抜けて行き、急坂をいっきに登ると、高野山大門が目の前に現れます。
高野山大門をくぐり、舗装道路を進んで行けば根本大塔へ着きます。
この後、紅葉の美しい蛇腹道を抜けると千手院橋バス停にたどり着きます。
周遊コース
周遊コースの見どころなどを紹介CHECK POINT


①慈尊院、百八十町石、丹生官省符神社
弘法大師が高野山開創の時に、高野山町石道の表玄関として伽藍を創建し、高野山一山の庶務を司る政所とした慈尊院、丹生都比売・高野御子の二神を祀った神社である丹生官省符神社。
2つは119段の石段でつながっており、階段の34段目には最初の町石「百八十町石」があります。お参りを済ませてから、丹生官省符神社に向かって右の道へ進みます。

②高野山町石道展望台
丹生官省符神社から果樹園の間を登ってくると現われる展望台。
素晴らしい景色を見ながら、一休みしましょう。

③六本杉峠
四方向に道が分かれる六本杉峠。
正面右手は「笠松峠」、左手は天野の集落、丹生都比売神社へ続くが、手前左手の道へ進もう。
ここからの道は、町石道で最も美しい道と言われています。

④百三十三町石分岐
六本杉峠から5分くらいのところにある、百三十三町石の分岐点。町石道を行くには、まっすぐ進みます。
左上の道へ行くと、神武峰、大筒ヶ峰とも言われる「小都知ノ峯」があります。

⑤古峠
町石道へ行くには、まっすぐ進みます。左へ進むと上古沢駅、右下へ進むと丹生都比売神社へとつながります。

⑥二ツ鳥居
横に並んでいる石の鳥居は珍しく、ここから天野の里の美しい田園風景が一望できます。丹生明神と高野明神の鳥居で弘法大師の建立と伝えられています。町石道へ行くには、まっすぐ進みます。
右へ進むと、丹生都比売神社へつながります。

⑦笠木峠
町石道へ行くには、右へ進みます。左へ進むと上古沢駅へつながります。
上古沢駅へ向かう途中には、険しい山間に民家が点在する笠木の集落に出ます。この集落は、慈尊院から高野山へ参詣する際の休息地だったといわれています。
そのほか金剛山、弁天岳などの景色も見渡すことができます。

⑧矢立峠
車道に出るので、横断した後、矢立茶屋に向かって左手の道へ進みます。矢立茶屋で焼き餅などで疲れを癒し、一休みするのも良いでしょう。

⑨四十町石分岐
再び車道へ出るので、正面へ横断し、展望台へ進みます。交通量が多いので注意しましょう。
展望台からは龍門山が見える、優れた眺望が見られます。

⑩高野山大門
コース最後の急な坂を上りきると目前に現れる「高野山大門」。
高野山の入口にそびえる朱塗りの総門で、両脇には、金剛力士像が安置されています。この付近は眺望もよく、四国や淡路の山々が見えることもあります。大門をくぐったらゴールは目の前です。

⑪根本大塔
町石の起点である壇上伽藍の「根本大塔」です。
実際に見ると、想像以上の荘厳さに圧倒されます。真言密教の根本道場におけるシンボルとして建立されたので古来、根本大塔(こんぽんだいとう)と呼ばれています。