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第3章 地域交流資源活用の方策・提案

3−2 基本コンセプトの提示(ハードイメージ・ソフトイメージ明確化)
 かくして以上のような地域交流資源活用の方向性が見えたが、今日において地域イメージが明確でない紀淡海峡周辺地域においては、ある程度のコンセプトの一本化によってよりクリアーなイメージづくりが必要であろう。


基本コンセプトの提示図

 そこで、以上のような方策をまとめる新しい地域イメージとして、この地域をつなぐ青石を活かし、「青石の道・橋」を提案する。これは、和泉層群を「青石の北道」、三波川変成岩を「青石の南道」とみなし、この2つの道を合わせたものである。地域本来の色である地場の青石をテーマに用いることで、より地域のイメージが鮮明になっていくことを期待したい。また、平和教育・伝統産業・近代化産業遺産・国際交流のいずれの視点でみても、紀淡海峡周辺地域においては、貴重な資源が集積し、実物を見せることができるリアリティをもっている。そこで、「青石の道」をもとにして、それら個々の資源のネットワークを充実させていくことで、屋内展示型のミュージアムでなく地域の環境そのものをミュージアムをみたてるようなオープンミュージアムの創造を図るとともに、地域間で学習(ラーニング)を通じた交流によるまちづくりを進めるなどして、ラーニングリゾートの実現をめざしたい。そこで生まれる「新たな巡り」は、お遍路などのこの地域文化の延長線上に位置付けたい。それにより、伝統的な巡り文化を現代的に継承していくことを期待したい。またお遍路にみられる「お接待」のような、地元のもてなし、ホスピタリティも新たな巡りに継承するべきものであり、大切なコンセプトである。

青石図
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