第3章 地域交流資源活用の方策・提案 |
第2章において、紀淡海峡周辺地域における風土・文化の共通性と類似性をみてきたが、ここではそれらを「地域交流資源」として位置づけたうえで、その活用方策をますこととする。 |
3−1 交流資源の活用方策
地名はそこに住む人々にとって身近な存在であるゆえに、なによりも市民レベルでの交流を促す役割を果たすであろう。それぞれの地名をもつ地区で生まれ育った人は、そこと同じ名前をもつ場所に少なからぬ興味をもつだろう。また「なぜ同じなのか?」を、それぞれの地区の地元の人が考え、共通に議論ができるだろう。その議論が深まるなかで、地域間交流が生まれてくることが期待できる。小学校の社会科教育(生活科)に取り入れることも意義深いことであろう。
紀淡海峡交流会議に参加する7府県が、地質・岩盤でつながっていることから、これを共通テーマに考えていけるであろう。
熊野信仰は四国でも盛んであり、またお遍路と高野山とのつながりなど、紀淡海峡の両岸の信仰上の結びつきはすこぶる強い。これは修験道でも同じである。これら「お遍路」、「熊野詣」、「修験道」の3つの道からまた新しい「めぐる道」を編むことも可能ではないだろうか。新しい「めぐり」は全国から人を集める可能性がある。それだけのポテンシャルをもったものである。近年、船舶ルートが縮小され海の賑わいを失っているが、3 つの融合によってそれを再生する方策が必要であろう。
先にみた「めぐる道」の項では、霊場を回る既定のコース以外に、新たに旅や巡礼となるようなルートを考えるべきであることを述べた。そこで、ここでは特に「学ぶ」という視点から、地域間交流を考えたコースを提案してみたい。そのひとつが、先に指摘した平和教育・国際交流に関係した地域交流資源の連携である。
これについても、新たな「めぐり」を創造していくものである。その個々の資源に、これまで紀淡海峡周辺地域で育まれた産業遺産を活用したい。 |
研究会でのアイデア提案 ☆めぐるインフラ整備 1 めぐる海道の整備
2 めぐる鉄道ネットワークの整備
3 めぐる水運ネットワークの整備
☆めぐるコース設定 1 綿の国めぐり「藍と綿」(泉州、淡路、阿波) |
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