和歌山県の過疎地域における集落の維持・活性化と再編

公開日: 2021年7月07日 

代表研究者
所属機関 大阪市立大学
都市研究プラザ(*1)、研究支援課(*2)
氏名 水内俊雄(研究代表者)(*1)
澤田弥生(事務窓口)(*2)
e-mail mizuuchi@lit.osaka-cu.ac.jp
 

概要

「GIS・人口推計」、「地域賦活事業の検証と提案」、「集落再編成とコスト推計分析」と3つのチームが地理情報プラットフォームとして形成し、異なる専門分野のメンバーが連携して研究を進めたのが特徴であり、統計的な分析手法としては、国勢調査の小地域統計やよりミクロな統計区単位のデータを用いて、多層的なスケールの地理的範囲で人口動態の把握を試み、人口推計や推移の検証を行った。

分析結果

主に、次の4つの研究を実施し、最終報告書を作成した。

  • GIS・人口推計:適切な地域単位(大字から旧村単位)で人口増減を類型化し精度の高い人口推計を実施
  • 地域賦活事業の検証と提案:賦活力ある地域の人口推移を検証し、手堅い人口動向を維持してきた地域の特徴を分析
  • 集落再編成とコスト推計分析:集落再編成の判断材料になりうる社会インフラの維持費用のシミュレーションを実施
  • 地理情報統括プラットフォーム形成:各チームが分析した結果や知見を活用できる形にプラットフォーム化

最終報告書

最終報告書は第1章から第8章までの8章構成となっている。

研究チームのメンバーと分担体制

研究代表者・研究分担者の別 氏名 所属機関・部局・職(専門分野) 役割分担
研究代表者 水内 俊雄 大阪市立大学・都市研究プラザ・教授/地域連携センター副所長(社会地理学) 全体の総括と、<地域賦活事業の検証と提案チーム>の統括および現地調査
研究分担者 木村 義成 大阪市立大学・文学研究科・准教授(GIS研究) <地理情報統括プラットフォーム形成チーム>の統括および地理情報プラットフォームインフラの形成
研究分担者 水上 啓吾 大阪市立大学・都市経営研究科・准教授(財政学) <集落再編成とコスト推計分析チーム>の統括およびモデル地域調査
研究分担者 林 久善 大阪市立大学・社会連携課・課長(NPO・地元組織連携) <集落再編成とコスト推計分析>での基礎自治体との小地域再編成シナリオの実現可能性の検証
研究分担者 澤田 弥生 大阪市立大学・研究支援課・係長(政策支援) <地理情報総括プラットフォーム形成チーム>での基礎自治体とのプラットフォーム形成に向けた折衝
研究分担者 山神 達也 和歌山大学・教育学部・准教授(人口地理学) <GIS・人口推計チーム>で、移動人口・出生・死亡等分析を通じた地域類型化
研究分担者 熊谷 美香 弘前大学・医学研究科社会医学講座・助教(GIS研究) <GIS・人口推計チーム>の統括および、小地域人口シミュレーション担当

解説

集落再編成の判断材料になり得る社会インフラの維持費用のシミュレーションを新たに行い、今後の費用推計の一助となる分析や、地理的範囲を、昭和・平成の合併期から、明治行政村、大字レベルでは江戸期藩政村、小字レベルでは統計調査区までの小地域での統計集計を行い、1965年以降、歴史的にも多層的な地理的範囲に基づく統計データを新たに構築、蓄積した。

小地域にするほど、地域の雇用施策が活かされている現状や過疎に向かうであろう推測などが顕著に現れ、特に、市町村単位では窺い知れない特徴や人口ピラミッドの形態から、地域のよりミクロな人口動態の理解と施策の効果に役立てる。

  • 市町村(旧行政区域含む) の将来人口の推計方法は、厚生労働省によるコーホート変化率法による。
  • 人口推計に使用したデータは平成27年国勢調査の町丁目別のデータ(1995~2015)である。

注釈

2017年度和歌山県データを利活用した公募型研究事業「小地域人口推計に基づく人口縮減地域での集落再編と賦活力ある地域拠点摘出の提案」報告書 研究代表 水内俊雄(2017年度~2018年度)による、2019年3月末日の研究終了時点の成果である。

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