モデル事例集「林明子」

「子育て楽しむなら和歌山県!-親の思いを地域で形に-」

NPOわかやま子育てサークル本部サンマザー

代表 林明子さん (和歌山市)

つながる思いが地域を動かす

サンマザーは、和歌山のより良い子育て環境づくりを目的に、和歌山市内の子育てサークルを中心に設立したネットワーク団体です。

現在市内65団体が加盟、サークルリーダーたちが主になって運営し、地域のサークル活動の情報交換や支援、イベントの主催や新規サークルづくりの支援などを行っています。

20から30代の母親が中心となって子育てを楽しみながら、子どもも自分たちもイキイキできる環境づくりをめざして活動しています。
林さんは、もともと子ども好きで、独身時代は子ども会のボランティアなどもしていたのですが、いざ自分が母親になって初めて、育児の大変さや母親の孤独さを痛感しました。

そんな時、9カ月の子どもを連れて京都から転入。知らない土地での生活と育児に疲れ引きこもりがちだった時、近所の人から誘われた地元のサークルに思い切って参加したところ、同じ立場で思いや苦労を共有できる仲間に出会い、心が救われたと話されました。

そして、回を重ねるうち、代表を引き継ぐこととなり運営する側になりましたが、活動場所の確保や活動内容を企画するのは、地道な作業で苦労が多かったといいます。

そんななか、各子育てサークル共催の「ちびっこ運動会」に関わり、他のサークルリーダーたちと出会い、個々の活動だけでない「つながり」を持ちたいと、サンマザーの結成に至りました。
設立して間もなく東日本大震災が起き、自分たちにできる支援をと話し合い準備を重ね、昨年6月にサンマザーとして初のイベント「親子ふれあい広場チャリティイベント」を開催しました。

手づくり市や各サークルで遊びコーナーを企画し、義援金を募るイベントを実施、当日は511名が参加しました。

そこで得た団結力を活かして、行政へ働きかけ、自治会館など地域に出向いて広報活動を行った結果、現在のネットワークを構築、県内の子育てサークルリーダーが集まるフォーラムや、ちびっこ運動会の主催、また、わかものちからプロジェクトの絵本を贈る活動にも協力しました。

今年3月には、県子ども未来課主催の子育てフェスタの運営に携わり、また和歌山市発行の「イクメンNOTE」作成時にも、父親への聞き取り調査を実施し、育児に関わりたい男性が増えていることや、父親が集まれる場の必要性などを提案しました。

子育てを通じて「母親(わたし)」も輝ける

精力的に活動する林さんですが、初めは家族の理解を得て両立することに苦労されたそうです。

しかし、活動を楽しんでいる林さんを見るうちに、引っ込み思案だった子どもが明るくなり、家族も応援してくれるようになりました。

子育てを楽しむには、母親の心のゆとりや助け合える仲間の存在はとても大切だと話す林さん。そこで、「母親」という枠だけではない、その人自身の個性や資格などを活かして活動できる場として「母親クラブ」を始めました。

手芸やスポーツ、絵画など様々な分野で自分の時間を持てるようにと、活動中はスタッフが託児を引き受けることもあります。

なかには実際に起業した人もおり、母親の自立にもつながっています。
林さん自身もチャイルドマインダー資格(補足)を取得し、子育て相談や託児を行っていたところ、託児の要望がとても多かったため、今年4月に出張託児というスタイルで保育事業を開業しました。サークル活動や講演会などでの託児、健診や受診、買い物など母親だけでは大変な時の付き添いや心理的サポートなどを行っています。
多様な子育て支援や子育て情報が手に入りやすくなった一方、あふれる情報に振り回され、「母親としてこうあらねば」という枠に縛られてしまい、自分らしく子育てを楽しむのが難しい現在、サンマザーには子育て現役世代が、自分たちのニーズを形にし、必要な情報を必要な人に手渡せるという強みがあります。

今後はその強みを活かして、和歌山市以外の地域団体や学生との交流、また、サークルを巣立った子どもや親が関わり続けられるような活動を行い、子育ての楽しさを次世代へつなげていきたいと話されました。
(補足)チャイルドマインダーとは、イギリス発祥の家庭的な保育を行う専門家。資格取得後は保育現場や在宅での少人数保育、施設の開業可。

(センターニュース第55号より、一部修正して掲載)

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