イベントレポート「令和5年度男女共同参画週間特別公開セミナー」

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イベントレポート

講座名

男女共同参画週間特別公開セミナー
「白井 文さん 和歌山の未来に女性の力を活かす~市長を二期務めた経験から~  」

開催日時

令和5年6月3日(土)13:30~15:10

場所

和歌山ビッグ愛 1階大ホール

講師

  さん(元尼崎市長、三洋化成工業株式会社社外取締役、ブラザー工業株式会社社外取締役、東洋アルミニウム株式会社社外取締役、株式会社ロイヤルホテル社外取締役)

内容

 男女共同参画週間(6/23~29)に先駆け、特別公開セミナーを開催しました。 

 講師は、地元尼崎市の議員の不正出張が発覚したことをきっかけに政治への参画を決心し、市議会議員を2期、続いて尼崎市長を2期務められており、今回は在職中に感じた矛盾や成果、今後期待することなどをパワフルかつユーモアたっぷりに話されました。

 大学、企業、政治家の不祥事やパワハラなどが起きる大きな原因の一つは、意思決定の場でのダイバーシティ(多様性)の欠如や、男性中心の考えによる結果であると語られました。そして、これらを改善するには、ダイバーシティ・エクイティ〔※1〕を受容することが重要だとし、個々の違いや多様性を互いに受け入れ、自分と他者それぞれの「その人らしさ」を活かすこと、また、それを阻む「普通は○○だ」という無意識の思い込み“アンコンシャス・バイアス”が自分を含め誰にでもあることを認識することが大事だと説かれました。「違い」で差別したり区別したりするのではなく、「違い」を活かし、例えば、会社であれば、社員は‟健常で仕事に100%のエネルギーを注げる男性”から、性別、年齢、国籍、障害、育児や介護などで制約を伴う人を含めた多様な人材が活躍できる体制へシフトしていかなければならないと話されました。

 講師は、女性では無理といわれた尼崎市長を8年間務めた後、女性でもできることを証明するため、後継者として女性にバトンを渡しました。ふたり合わせて通算5期20年間務めた時期のエピソードとして、市内の小学生がテレビに映った他市の男性市長を見て、母親に「市長って男の人でもなれるの?」と尋ねたことを紹介されました。未来ある子供たちには多様性のあるロールモデルを示すことが重要で、それが生き方や選択肢を広げることに通じるのだと説かれました。

 また、和歌山県の政治ランキングなどについて説明された後、市長時代に実行した審議会等への女性登用促進にかかる取り組みについて話をされました。市職員から「女性にこだわるより適材適所の人選が大事ではないか」との意見が出された時、講師は「現在の男性委員も始めは未熟だったはず。最初から適材適所だったのか?女性の人材を育成するのも役所の仕事」と諭して女性の委員数を増やすことができたと話されました。具体的には、委員の公募枠を増やす、あて職をやめる、兼任は1人につき3つの委員会までとする、任期は最長10年とする等の政策を説明されました。

さらに、「頼んだり頼まれたりすることで物事は進んでいく。自分の問題意識を周りに広げ、周りをうまく巻き込み助けを求めることが大事」だとおっしゃいました。 

 最後に、今年の男女共同参画週間のキャッチフレーズ『無くそう思い込み 守ろう個性 みんなでつくるみんなの未来』を引用し、誰もが無意識の偏見を持つことを自覚し、他人の話に耳を傾けてみてはどうかと語りかけるとともに、多くの人が生き生きと暮らしていただけたらと結ばれました。

参加者からは「パワフルな語り口で、話も興味深くおもしろかった。都道府県版ジェンダーギャップの話を聞いて、和歌山県はまだまだ女性の力を活かしきれていないと感じた。」「尼崎市の審議会の女性の割合をあげるために取り組まれた内容、すごく興味深かったです。」などの声が寄せられ大変有意義な講演会となりました。

〔※1〕エクイティ(Equity 公平性):すべての人が同じ場所からスタートするわけではない。公平性とは、その不平等なスタート地点を認識し、一人ひとりの状況に応じて支援内容をかえ、不均衡を是正し、対処すること。

            白井 文さん      会場の様子                
                 白井 文さん                 講演の様子

   

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