栽培管理

整枝・剪定

初期の整枝
柿の整枝方法としては、2主枝、3主枝(開心自然型形)、4主枝(変則主幹型)等が多く用いられています。
開心自然型、変則主幹型の整枝手順はおよそ下図のようであるが、肥沃な土地や樹勢の強勢な品種では、初期から開心自然型整枝を実施すると主枝が立ち、樹が高くなるので最初は中心の枝を残す変則主幹型整枝を採用し、主枝候補の枝が十分開帳し、樹勢がある程度落ち着いてから、中心の枝を順次切り下げ3本から4本主枝に仕上げます。
初期の整枝で確立した主枝に、2から3の亜主枝を枝が混み合わないように配置し、結実部分をの拡大を図ります。
なお、主枝候補の枝の伸長促進を図るため、競合する強い枝は根元から取り除き、新梢の先端3分の1程度切り返します。

開心自然型の整枝手順の図変則主幹型の整枝手順の図

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結果樹の整枝剪定
初期の整枝で配置した主枝や亜主枝から側枝を配置し、側枝上の枝に結実させます。これらの側枝を永年使用すると、太い枝が増え、混み合い樹幹内部の結実する枝が無くなるので、4年から5年を目途に更新します。
側枝の更新には、主枝や亜主枝から発生した突発枝(徒長枝)を利用しますが、枝の上面から発生した直立した強い枝は取り除き、側面やや上面から発生した中庸な枝を利用します。
側枝から発生した結果母枝は、必要な本数に整理し残す。残す結果母枝は品種や園地の条件によって異なるが、10アール当たり富有柿で約5,000本から6,000本、平核無柿で6,000本から8,000本程度を目安とします。
なお、大玉果を生産するには、側枝は果実が結実した時、全体としてやや下垂することが望ましく、側枝の更新時期や側枝候補の選び方に十分注意します。また、こういった樹型にならば、図のように枝の先端の長い枝を母枝として残す方が大玉果生産につながります。

結果樹の整枝剪定の図

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夏期の剪定
樹高の切り下げ等による樹形改造を行うと徒長枝が多く発生する。この徒長枝をうまく利用して結果枝を増やす事が大切である。したがって、春先から、新梢の生育期間中にかけて芽かき、ねん枝、誘引を行う。また2次伸長枝は必ず切り取る。

  1. 芽かき
    春先の新梢の発生とともに開始する作業である。太枝の切り口付近や曲がった部分から徒長ぎみの新梢が沢山発生し混雑するようであれば、早くから芽をかき、残された新梢の通風、日照をよくしてやることが必要である。
    これらは、1ヶ所1本から2本に芽かきしてやる。この中で、主枝の更新に利用するもの以外は、側面のものを残し、側枝として利用する。主枝に利用するものは、支柱を立てて斜めに誘引しておく。
  2. ねん枝
    4月に発生した新梢は、5月中下旬頃から、やや固くなってくる。この頃からねん枝を行う。芽かきをして取ってしまうと空間ができるとか、徒長的なもので放任しておくと主枝を弱らせるとか、また、徒長的な発育枝でもねじって勢いを抑えておけば先の方の芽が花芽分化するなどの場合である。こういうねん枝は、発見したら軽くねん枝をしておく。ねん枝の簡便法として、ペンチかプライヤで新梢の基部をはさみ軽くつぶしてやる方法も便利である。
  3. 誘引
    主枝として予定していたものがうまく伸びてこない場合とか、予定していたものが折損した場合に、かわりのものを支柱を立てて誘引する。また、徒長枝を結果母枝にする場合、ねん枝でうまくいかない時にも誘引してやる。
  4. 夏秋梢の処理
    夏秋梢(2次生長枝)は強勢な枝から発生し、夏枝は6月下旬から7月、秋枝は8月下旬から9月上旬にかけて伸長する。夏秋梢が発生すると、養分が枝の伸長に費やされるため、果実肥大が抑えられる。つまり「盆よろこび」と呼ばれている現象で、8月までの果実肥大はすこぶる良いが、9月からの後期肥大が悪く、大玉果生産が出来ない。したがって、8月下旬から9月上旬にかけて処理をする。夏秋枝の強さ、葉の状態を観察し、弱いものは全部取り除く。また、強めのもので葉色が濃緑色の枝は、成葉となっている部分で短縮する。

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