かいよう病

かいよう病

病原

Pseudomonas syringae pv. morsprunorum

Erwinia sp.

特徴

  • 発病部位
    果実、枝、葉、花
  • 伝染源
    最初の伝染源は3月上旬から4月上旬にかけて2年生枝に発病する潜伏越冬枝病斑である。
    潜伏越冬枝病斑の多少は初期の果実発病に影響する。
    二次伝染源は葉、果実、新梢の病斑で、生育期の果実発病に大きく影響する。
  • 伝染方法
    病原細菌は伝染源の病斑から雨滴によって飛散する。
    傷口や気孔から侵入して感染し糸状菌類に比べ短時間で増殖する。
  • 多発条件
    3月下旬から4月下旬の主感染時期に強風雨が多くなると被害が増加する。
    一度多発するとその後数年間発生しやすい。
    風当たりの強い園、排水不良で乾きにくい園で発生しやすい。

防除方法

風当たりの強い園では防風垣や防風ネットの設置などの防風対策を行う。

発芽前の無機銅剤を散布し、発芽期から5月上旬に10日から14日間隔で抗生物質剤等を散布する。

抗生物質剤は強風雨前の散布が効果的である。

多発園では4月上旬に園内を見回り潜伏越冬枝病斑を剪除する。

かいよう病の葉の病斑の写真
葉の病斑

発芽まもない頃から病斑が見え始める。初め水浸状に赤褐色から黒褐色の斑点となり、ひどくなると中央に穴があく。


 

かいよう病の果実の病斑の写真
果実の病斑

4月中下旬から病斑が見え始める。
周縁部が赤紫色の小さな病斑と黒色、水浸状で径2ミリから10ミリに達するへこんだ病斑の2種類を生ずる。


 

かいよう病の潜伏越冬枝病斑(発芽期)の写真
潜伏越冬枝病斑(発芽期)

10月上旬以降にかいよう病菌が枝に感染すると発病せずに潜伏し、翌年3月から4月上旬に病斑(潜伏越冬枝病斑)ができる。これがその年最初の感染源となる。

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